表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あれ?ドワーフって魔族だったっけ?  作者: 映基地
第二章 レベルアップと種族進化

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

52/405

それぞれの武器(2)


「次は私ね!」


「あ、あぁ。これがソフィアの武器だ。」



何故か気合を入れているソフィアに首をかしげながらも包をソフィアに渡す。

ゆっくりと布を取り払いソフィアが目にしたのは真紅に染まるロッドだった。



「紅い…杖?」


「違うよソフィア。ソレはれっきとしたハンマーだ。」


「ハンマー?これの何処が?」



ソフィアは紅いロッドを器用に片手でブンブンと振り回しながら浩二に問いかける。



「まぁ、まず説明させてくれ。そのハンマーの名前は『カグヅチ』先端についた小さなヘッドの両端に魔核がついている。緑の魔核が圧縮空気で仮想ハンマーヘッドを作り出す。赤い魔核の方はインパクトの瞬間に圧縮した火魔法を放つ。どちらもヘッドの横に付いた二つの魔核で自動的に魔素を集め蓄積してくれるから、ソフィア自身の精神力は使わなくても大丈夫だ。」


「これはまた…とんでもないわ…ねっ!」



ソフィアは感想を述べながらカグヅチを手近な地面へと叩き付ける。

トゴォッ!と轟音が鳴り響き、地響きと共に地面にクレーターが出来る。



「本当にハンマーなのね…こんなに華奢で綺麗な色なのに。」


「ソフィアにはあまりゴツイハンマーを担いでもらいたくなくてさ、出来る限りハンマーに見えないようにした。」


「…コージ…ありがとう。」


「あ、それとそのカグヅチは重いからソフィア以外は使えないよ。」


「え?重い?」


「あぁ、『剛力「鉱物」』のスキルがあるからソフィアと俺は大丈夫だけど。」


「具体的には…どのぐらい?」


「えーと…150キロぐらいかな?なにせ、オリハルコンのインゴットが30個入った箱を5箱使ったからね。」


「5箱!?」



ソフィアは目を見開いて驚く。



「あ、ゴメンやっぱり使い過ぎたかな?」


「違うわよ!どんな事をしたらその量のオリハルコンがこんなに華奢な形になるのよ!」


「えーと…圧縮?」


「…コージ…アンタ…」



ソフィアはいつものポーズで首を振る。

浩二はいつもの様に気付いていない。

この世界で恐らくは一番硬い金属であるオリハルコンを粘土のように加工するだけでも普通ではないのに、それを高圧縮するなど、最早正規の加工では不可能なレベルである。



「やっぱりソレ気に入らなかったかな…?」


「ソレとコレとは話は別よ!」



ソフィアはカグヅチを抱き締めるようにすると浩二から遠ざける。



「…その…こんなに綺麗なの私には似合わないかも知れないけど…嬉しかったわ。ありがとうコージ。」


「何を言ってるんだ?ソフィアに似合うと思って紅くしたんだよ。喜んで貰えて良かった。」


「…うん。」


「良かったねー!ソフィアちゃん!」



頬を染め俯くソフィアを蓮が後ろから抱き締める。



「貴女もね蓮。他の武器もそうだけど、コレ…アーティファクト級の代物だから大切にするのよ?」


「トーゼン!だってすっごく気に入ったもん!」



後ろにいた二人も頷く。



「ありがとうコージ。」

「ありがとー!お兄さん!」

「ありがとうお兄ちゃん!」

「ありがとうございます岩谷さん。」


「おう!」



浩二は一言返事をすると、笑顔の四人に囲まれ満足気な笑みを浮かべた。



□■□■



「えーとソフィア…相談があるんだけど…」


「何よ?改まって。」



明くる朝、朝食後に浩二はソフィアの元を訪れていた。

珍しく真面目な顔をしている。



「人族領にいたスミスさんって覚えてるか?」


「えぇ、あの隻腕の豪快な人でしょ?」


「そうそう。」


「で?その彼がどうしたのよ。」


「スミスさんには凄く世話になってさ…だから、一度挨拶に行きたいんだ。その時に…義手をプレゼントしたいんだけど…どう思う?」


「良いじゃない。喜ぶと思うわよ?この世界ってまともに動く義手って高価だから。コージの事だからどうせその義手も普通じゃないんでしょ?」


「そんな事はないぞ?オリハルコンじゃなくミスリル使うし、特別な機能なんて付けないよ。ただ、魂転写で本物の腕と同じ様に動かせる様にはするけど…」



浩二は気付いていない。

と言うか麻痺していた。

バカスカとオリハルコンばかり使っていたせいだろう…ミスリルも充分希少である事を失念している。

更に、本物と同等の動きをする義手など、アーティファクト以外の何物でもない。

加えて、魂転写による義手は「触覚」も再現する。

この事は浩二自身も知らない事実なのだが…


以上の事を鑑みた結果、結局いつも通りの浩二だった。



「…程々にね?」


「…ん?分かったよ。」



多分分かってはいないだろうが、取り敢えず了承した浩二は義手を作るべく地下倉庫に向かった。



□■□■



浩二は早速使い慣れた小部屋に陣取りスミスの義手制作に入った。



「何か…この部屋落ち着くな…何処と無くあの地下牢に似てるし…」



スミスの事を思い出したせいだろうか、思い出すあの地下牢生活。



「俺って、閉鎖的な部屋が好きなんだろうか…」



変に思い悩む浩二。



「今度ソフィアに言ってこの部屋を工房にして貰おうかな…」



意外と本気でこの小部屋が気に入った様だ。



「ま、それはそれとして…義手を作りますか。」



浩二はミスリルのインゴットを隣の倉庫から持ち出すと、テーブルの上へと乗せ手を翳す。


色はシンプルに…黒…

スミスさんの右腕に合わせた太さで…

装着部分が擦れて痛まないように…摩擦を極力減らす…

もしもの為に…魔素を集めて溜めておけるように…

そして何より…硬く…硬く…


やがて新たに魔核が三個生み出され、ミスリルと混ざり合い光を放つ。

そして、光が収まるとそこには鈍く光る一本の黒い義手が現れた。



「良し、後は…女神様、聞こえてますか?」


《はいはーい!どうしたの?》


「えーと、魂転写を使う時って一番最低ラインの時はどうしたらいいんでしょう?」


《んー、魂の消費が一番少ない方法の事かい?》


「はい、そうです。」


《単純に血を一滴魔核に垂らせばオッケーだよ。》


「一滴で義手を自由に動かせる様になりますか?」


《充分じゃないかな?この場合は魂ってよりは、遺伝子情報の読み取りが重要だからね。》


「成程…ありがとうございました。」


《いいえー。彼、喜んでくれると良いね。》


「はい。」



浩二は黒い義手を大事に布で包むと、小脇に抱え部屋を出ようと扉に手を掛けようとした瞬間、バンッ!という音を立てて扉が乱暴に開け放たれた。



「うおっ!びっくりした!」


「コージ!大変よっ!」


「何かあったのか?」



ソフィアの慌て様は尋常じゃない。

やがて彼女は真剣な顔で浩二の目を見て言葉を発した。



「勇者の一人が人族の城を乗っ取ったわ!」


「…へ?」



ソフィアの口から出た言葉は、浩二の思いも寄らない言葉だった。



これで二章は終了です。


読んでいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ