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あれ?ドワーフって魔族だったっけ?  作者: 映基地
第二章 レベルアップと種族進化

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体術訓練。


色々あったが、取り敢えず訓練を始める事にした。

手始めに『瞬動』を試してみる。



「えーと…足の裏に力が集まるのをイメージして…よっ!」



踏み込んだ瞬間、物凄い勢いで斜め上にスッ飛ぶ浩二。

慌てて体を捻り地面を削りながら四足を付いて着地する。



「おっかねぇなぁ瞬動…」



浩二は気付いていないが、明らかに操気術先生の仕事です。



「よし、もう一度…今度はもっと低めに…ほっ!」



今度は地面スレスレを滑空する浩二。

片手で地面を殴る様にして身体を浮かせ又もや地面を削りながらブレーキ。



「怖えぇよ!瞬動っ!」



足に力を入れた瞬間に目に映ったものが地面なのだからそれは怖いだろう。

どうしたものかと考えた挙句、出した答えは「もっと軽く踏み込む」だった。



「行くぞ…軽く…軽く…」



明らかに慎重になる浩二。

先程の滑空が余程怖かったのだろう。


そして「…よっ」と軽い声を上げた瞬間に浩二は5m程先にいた。



「マジか…殆ど力入れてないぞ…」



何時もの体捌きに使う足運びよりも遥かに軽い力しか入れてないにも関わらず、瞬く間に5mも移動していた事に驚く。



「コレは…少しづつ馴らさないと、他の事は何にも出来ないぞ…」



まだ『瞬動』のみでこの有様である。

ちなみに5%の減効果付きでだ。


それから浩二はひたすら『瞬動』のみを練習し続けた。

移動距離、スピード、方向転換。

色々試している内に段々と慣れてくる。



「ほっ!よっ!はっ!よっ!よっ!」



掛け声が聞こえる度に別な場所に現れる浩二。

まるで瞬間移動だ。

最初は体勢を崩しながらだったものが、今は殆ど足の動きだけで高速移動を繰り返している。


やがて小一時間程して練習を終了した。



「『瞬動』はこんなもんか。次は…」



そう言って大剣を肩に担ぐ。



「取り敢えず『パワースラッシュ』と『パワースラスト』だな。」



大剣を下段に構え直して横薙ぎ一閃。

ブォン!という風切り音と共に横一文字に光る青い軌跡。

今度は片手で大剣を持ち軽く引いてから突きを一閃。

音も無く突き出された青い光を纏う突き。



「確かに…大剣は重いけど…行けるな。」



浩二は大剣を持ったまま軽く肩を回すと、その場で『パワースラッシュ』と『パワースラスト』を繰り返す。


横薙ぎ、突き、横薙ぎ二連、突き三連…青い軌跡を残しながらひたすら繰り返す。



「んー…もう少し速くならないかなぁ…」



スキルアシストのスピードが気に入らない浩二。

確かにあの瞬動に合わせるには少々スピード不足だろう。



「魔法みたいにイメージで何とかなるかな…?」



浩二は目を閉じ、頭の中で剣速が上がるイメージをする。

繰り返しイメージして目を開くと、その場で徐に『パワースラッシュ』を放つ。

そのスピードは元の『パワースラッシュ』の倍以上であり、何よりその軌跡は紅色の尾を引いていた。



「『パワースラッシュ』は赤か。」



剣に纏っていた光を確認した浩二は呟く。



「気が絡むと色が変わるから分かり易いな。」



スピードにも取り敢えず満足したのか、浩二は続けて『パワースラスト』も気を込めて放つ。

唯でさえ速かった突きが、瞬く間に赤い光の尾だけを残して剣が手元に戻る。



「良し!後は反復だな。」



気を纏わせて放つ練習を又もや小一時間程続ける。

やがて息を荒くして膝を着くと、足元にあるポーションに手を伸ば…した筈が、誰かに手を優しく握られる。



「また無茶してたんですね…もう…今回復します。」



休憩していた舞が、膝を着く浩二を見て駆け寄って来たのだ。



「ありがとう、舞。あぁ…癒されるわ…」


「ふふっ、私もさっきまで『操気術』の練習してたんですよ?」


「そっか。で、どうだ?使えそうか?」


「ええ、もうバッチリです!今だって…ほら…」



今までの薄く青い光を放っていた回復の光が、今は黄色…いや、金色に光っていた。



「回復は金か。」


「はい。蓮ちゃんも青い火の玉をバラ撒いてますよ。蓮ちゃんは体力もありますから…ちょっと兵士さん達が可哀想です。」



可哀想と言いながら、ちょっと楽しそうだ。


三人とも『操気術』をちゃんと使いこなせている様で持ち主の浩二も嬉しくなる。


その時、突然目の前に数個の青い何かが飛来する。



「何だっ!?」



驚きながらも舞を左腕で庇いながら右手に持った大剣で『パワースラスト』を放つ。

浩二は突然飛んできた青い火炎球全てを赤い尾を引く突きで相殺すると、すぐ様『瞬動』で距離を詰める。

青い火炎球を放った彼女の後ろへ。



「このアホっ!」


「痛ぁーっ!」



軽く頭に拳骨を落とす。

頭を押さえて蹲る蓮。



「俺だけなら良いが、舞も側に居ただろうが!怪我させたらどうすんだ!」


「だって、舞ならお兄さんが守るでしょ?」



反省してないようなので拳を振り上げる。



「あー!あー!ごめんなさい、ごめんなさいっ!もうしませんっ!」


「本当に分かってるのか?」


「うん。舞、ごめんねー」


「良いよ、どうせ蓮ちゃんの事だから私が居れば岩谷さんの隙を付けるとでも思ったんでしょ?」


「うっ…そうだよっ!だって普通にやっても勝てないんだもん!」



開き直る蓮。



「良し!蓮!それなら一緒に訓練するか?」


「えー!だって一緒に訓練したらお兄さんも強くなるじゃん!」


「一緒じゃなくても俺は訓練するぞ?」


「んー、確かに。」


「蓮はひたすら俺に火炎球を撃ちまくってくれ。俺は『パワースラッシュ』と『パワースラスト』のみで撃ち落とす。」


「んー…もう一声!」


「良し!んじゃ、蓮には舞を付ける!どうだ?回復し放題だ!」


「…回復し放題って…」


「乗ったっ!」


「うっし!んじゃ、やるか!」



浩二は舞が蓮の元へと来るのを確認すると、瞬動で距離を取った。

読んでいただきありがとうございます。

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