ニア
ニアは一週間に一度、私の元を訪れてくれた。
ニアはファッション雑誌をよく持ってきてくれて今流行りの服装を教えてくれた。
他にも授業で習ったことを面白く教えてくれて、私はニアが言うことをノートに書いて勉強した。
他の十五歳の子たちはもっとたくさんの教科書の内容を勉強して、大学受験のことや就職のことを考えるんだろうけど、今の私にはまだ無縁の話だった。
「ニアは高校を卒業したらどうするの?」
「うーん、まだ一年生だしそんなに真面目には考えてないかな。
進学はしたいと思ってるから二年生になったら大学の資料請求したりオープンキャンパスに行ったりしようと思ってるけど」
「ニアは勉強を教えるのが上手いから教師に向いてると思う」
私は思ったことをそのまま口にした。ニアはちょっとびっくりした顔をして、
「それ、本当に言ってる?」
と言った。
「本当だよ。
ニアが持ってきてくれる問題集の解らないところは全部ニアの説明を受けると理解できるんだもん。
私が賢いとかそう言うわけじゃないよ。
だって中学三年間眠っていたし小学校の卒業式にすら出られなかった私でも解るんだもん。
すごいよ。基礎すら知らない人に高校の授業の内容を説明するのはきっと難しいことだろうよ。
基礎から説明しなきゃならないから根気も要るし。誰にでもできることじゃないよ」
ニアは嬉しそうな顔で、「そっか」と言って、「しのちゃん。私、頑張るね」と意気込んだ。




