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令嬢の真の目的

「最終試験、結婚に最も必要ものを示しなさい」


令嬢の一言で、会場の空気が変わった


これまでの試験とは違う

本質が問われる...



最初に出てきたのは、イエローマスク


「決まっている」


経営してる会社、不動産の契約書、貴金属を見せ

「金だ」

「生活、安定、全てを保証する」

「不自由はさせない」


会場から感嘆の声があがる


令嬢は一蹴する

「それは維持ですわ」

「共に生きるではありません」


イエローマスクは言葉を失う...


「次っ」



ネンシロウが静かに近づく


「結婚に必要なもの、それは覚悟」


「命を懸け、この体で守り抜く」

「どんな敵が現れようとも」


ネンシロウは令嬢を見つめる

「お前は既に...守られている」


「守られていません、むしろ不安です」


真っ直ぐな目で令嬢を見る

「お前は既に...私に決めている」


「決めてませんわ」


「次っ」



炭二郎が前に出る


「...思いやり、だと思います」


会場が静かになる

「相手の事を考え」

「支えあって」(妹も)

「一緒に生きていくこと」


令嬢は少し、目を伏せる

「正しいですわ...」

「でも、それだけでは足りません」



最後に魔王が出る


「日常だ...」


令嬢が目を細める

「日常?」


「特別な時ではない...」

「何も起こらぬ日」

「くだらぬ会話」

「退屈な時間」

「...それを共に過ごすことだ」


「我は魔王だ」

「だが魔王である前に」

「一人の存在としてここに在る」


その言葉は重く、静かに響いた


「...合格ですわ」


ざわめきが起こる

「だが魔王は世界征服をしない」

「そんなものに王の資格はないっ」


非難の声がとぶ


令嬢は静かに語る

「ええ、そうですわね」


「だからこそ、試験を開きましたの」


...会場が静まる


「世界征服をしない事を疑われ」

「私との結婚に、不満を持たれた」


「それでも...」

視線が魔王を見つめる


「この方が、強さも、優しさも、そして結婚に必要なものも持っていると」


「皆様に、見て頂きたかったのです」


沈黙...

誰も言い返せない



魔王は小さく息を吐く


「...面倒な事をする」


令嬢は小さく微笑む


「悪役令嬢ですもの」



少しの間

魔王は令嬢を見つめる

「それで、我を選ぶのか?」


令嬢は迷わない

「ええ」

「不満がおありで?」


魔王は目を閉じる

そして

「ないっ」



こうして。

世界を滅ぼさない魔王と。

誰よりも厄介な令嬢との婚約は、成立した。




『私を含めて全員おかしいですわ』






見て下さって有難うですわ

貴方も含めて全員おかしいですわ

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