歩廊座雑貨店の退魔師リスト ～水無月の章～

　退魔師をしていた両親の突然の死の報せ。退魔師協会との契約で野坂と名乗る男に２人の身柄を引き渡すしかなかった沢木音彦（さわき　おとひこ）と妹の詩織（しおり）は、その場で両親に別れを告げなくてはならなかった。
　何の因果か、遠縁関係で訪れることになった榊（さかき）家で詩織が拘束されてしまう。退魔師とは無縁に過ごしてきた音彦は、榊家の理不尽な要求にただ従うことしか出来なかった。無力な己に打ちひしがれ、そんな無為に過ごす日々に赤毛の青年、久野櫂（くの　かい）と出会う。
　彼の強さに目を奪われ、己の弱さに打ちのめされつつも、音彦は過酷な選択を迫られる。
　榊の闇に呑まれまいと音彦がとった決断とは……。

　登場人物の人間模様、妖異や敵とのバトルシーン、主要キャラクター達が操る眷属（けんぞく）達とのやりとり、学校での日常、青春。などなど。
　自らの努力で、仲間と一緒にポジティブに成り上がっていくストーリーです。じっくりと進んでいく、シリアスな場面もある物語です。主人公にざまぁや極端な成り上がりや無双チートはありません。
　男ばかりの友愛と濃い友情があります。この小説には精神的BL要素があります。ほんのりBL風味を感じられる、ゼロ距離男子達。苦手な方はご注意ください。
　このお話は単体でも読めますが、本編『歩廊座』の番外編の位置づけとなっております。