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「シンザァァァアハハ!!」


そう叫び唱え、鬼に狂った物語に入り込んだ少年。切長の眼の少年はブックムシャ【キキョウ】の中にその存在を移し座り込んだ。


「シンザ神座ってェ月オカマといい設定の使い回しは嫌いじゃない、が……!」


父親は敵の動きを待っている間にショートケーキの大地に突き刺し冷却していた白蜜を握りしめる。


「王……特大じゃないぽいんと、ガ……!」


「あぁ、あんまり前に出過ぎるなよヘタすりゃフツウに死ぬからなフツウにな」


「ハイ……王」


【風とみどりのブックテラー▼失われた女王の物語編▽】

こんなロボットじみたヤツまで現れるとはな。

とりあえず! このいかにもな憎たらしい顔した……1話で死ぬかませのガキだ、な……。

分かったところでますます意味が分からないぞ! これは!


「ブックはどうしたのおっさん? あ、この星にブックはないかぁアハハハ」


そしてかませじゃないガキのブック……悲しみの隠しボス、武芸者ききょうちゃん別世界ver.ってとこか。並じゃない相手だぞこいつは……!


「焦り過ぎだもっとじっくりいこうぜ」


「余裕ぶって賢くなったつもり? アハハ」

「たまにいるんだよアハハ語れない雑魚はさ、でもみんな……イッちゃうんだよねええええええ」


敵とのやり取りを打ち切り走り寄って来た大きな人型。

そのスリムな黒紫色の脚が紅いポイントを踏み締めた。

起爆した既に仕掛けられていた爆柱斬。天へとほとばしり伸びた複数の炎の柱がキキョウを呑み込んでいった。


「強制ムービーじゃないんだぼけっと見てるわけはないってな」


「──バァァァァカ、ブックなんだよ!」


黒い刃の旋風は炎を斬り払って消滅させた。

キキョウは自らの意思で武器を選び黒い霧は両刃の斧を形成したのであった。


「さすがにこんなもんだよな」


「本命はこっちです!」


サムのリミットメルトは解放され黄月色のオーラは解き放たれた。

黄月色の鋭い7本の枝先がブックムシャ【キキョウ】を襲う。

貫き拘束し花を咲かせた。花々しいアートが悪鬼を包み込んだ。


「ナ、なんだこれ!? アハハ効いてないんだけど」


すぐさま振り解かれ切り刻まれた枝。花々しいアートはバラバラにされ電子のもくずへと散り落ちた。

その間にも連携、黙って見ているわけのない黒スーツはキキョウの足元へと急速に接近し。


「【爆炎斬】【爆炎斬】だらああああああ!!」


いつもより多い爆炎斬がキキョウの脚パーツを激しく斬り刻んでいく。

激しい火花が装甲を削り取っていった。


「アハハおっさん! 生身でブックに勝てるわけないでしょーがああああ」


細い腕が手に取った斧がゴルフでスイングする要領で足元の父親を弾き飛ばそうと迫る。

インパクトの瞬間。

キキョウの足元に巨大な炎球が発生する。


「チッ、アツくないんだよオッ!!」


「王!?」


「ぐぴっとオーケー大したことはないぜ」


父親は前もって考えていたプランで爆王斬を放ち斧の威力を減衰させかつ敵に炎のダメージを食らわせた、さらにぐぴキャンによる回復アイテムの使用で立て直しを図る。

なんとか耐えしのぐことに成功。


「アハハ簡単に壊れないでよおっさんまだまだ斬られた分ボコるんだから」


「おいおいさっきからおっさんではねぇだろイケてるし」


「そうです王はイケてます!」


「おっさんでしょ!」


「お前もあと20年生きれば」


「あーはいはいそれがおっさん」


「……」

「爆王!!」


「うわー、バカじゃん!」


「え、王!?」


突如スイッチを入れ再びキキョウへと迫る黒スーツ。

だが明確なリーチの差、白い地を薙ぎ払うように振るわれた斧が風を斬るスピードで対象を捉える。


「ざない! よっこら!」


戦闘中敵の頭にこびり付くほど叫んでいた父親の代表技爆王斬のフェイントを混じえ、黒スーツは地を蹴り高く跳躍した。

豪快な斧の旋風を飛び越え。

【爆回斬】+【爆炎斬】のバカキャンによる推進力を得て宙を前進しキキョウのド真ん中を貫いた。


「+爆王斬!!」

「ぐぴっと+爆王斬!!」


巨大な2つの炎球がキキョウのスリムな身体に直撃し咲き誇り、

鮮やかな爆王斬の二連撃が彼女のへそと背を鮮やかに斬り裂いた。


「炎神の炎はそれなりに効くだろ!!」

「てか意外に使えるなこれ」


「チッだからアツくないんだってエ!!」

「プロセスはお前だけじゃないんだよキキョウを舐めるなァァァ!!」


前方と背、形成した大きな2つの黒く丸い盾がキキョウを炎神の爆炎からその身を守った。

黒い斧は黒い霧になりキキョウはまた選択したのであった。武芸者としての記憶と本能、いや彼女の意思が最適な武器を。


「舐めちゃいないさ! 来いよ俺の鬼狂(ききょう)ちゃん!」


「うぜぇシネッ!!」


悪鬼、その一本角の兜の隙間から光るアメジスト色の瞳がキラリと一瞬輝いた。




「爆王斬!!」


「だからアツくないってのアハハ」


宙に浮く黒い盾は小技で素早い動きをみせる父親の炎の斬撃に対応しながら防いだ。


「ハハそうだな」


「キキョウも盾なんて変なの選ぶんじゃねーヨッ!!」


少年の操作により掴んだ黒い大盾は地に叩きつけられその衝撃でクリームが跳ね飛び散った。


「ぺろり……フツウの甘さデス……」


父親は黒紫色の脚の股の間をバカキャンで抜け敵を嘲笑うかのような回避行動を魅せた。


「【爆牙斬】!! ──【爆炎斬】【爆炎斬】!! どうしたァァ天才くんも盾は苦手科目か?」


「うるさい!」


屁っ放り腰の姿勢のキキョウの右のカカトを荒ぶる炎が斬り刻みつづけている。

繰り出された右の後ろ蹴りを、

タイミングを見越してタイミング良く回避。

父親は左のカカトに上手いこと取り付き、また炎のコンボが踊るように熱量を増し刻みつづけていく。


「ハハ、鍋のふた貸そうか? 蒼月相手に縛りプレイするのも楽しいぞ」


「イカれたおっさん黙ってろ!!」


体勢を戻し地を蹴り大きくその場を垂直に跳躍するキキョウ。

上空からターゲットの黒スーツ目掛け全身を使い両手に持った大盾を勢いよく投げつけた。

白い地が(まる)く消し飛び、剥げ上がっていく。威力の跡を残し出来上がった黄色いスポンジ生地の大地。


「着地っとと。それは良いアイディア! まぁ俺も浮かんだんだけど」


【爆回斬】+【爆炎斬】バカキャンの連打でまたもキキョウを操る少年の不慣れな盾術をいなしかわして余裕すら感じる父親のゲームプレイ。


「バグを消さない理由もわからんでもないナ」


「キキョウ! さっさと寄越せ!」



「ぺろり……わたしはサム……」







「爆王斬!!」


「バカなの?」


「あんまり馬鹿にしないでサァ爆王斬!!」


父親は盾ごしにバカキャン+爆王斬戦法を繰り返しキキョウに浴びせ続けていた。


「アツくないんだよバァァァカ」


少年は機転を効かせキキョウの意思で宙を移動する黒い大盾を蹴りぶっ飛ばし、

その勢いつき飛び迫った物体が黒スーツの脚にかすり、父親の電子体はダメージをもらいその大きな運動エネルギーを受けて吹き飛んでいった。


盾の扱い方を試行錯誤していたのか、マジかゲームっぽくねぇが……鬼狂ちゃんに選ばれるだけはあるな! 月オカマといいここ最近のエロいゲーム本当に舐めちゃいられないな!


「痛え……マ、斬られるほどじゃないけど骨も折れないしハハ」


「チッ!!」


ご自慢の黒いスーツは白く甘いクリームで汚れ、相棒の白蜜はしっかりとキキョウに向かい構え直された。







「キキョウやっとカァ! 刀!?」


「さすがにバレちゃったか鬼狂ちゃんに」


2208(ツツオヤ)王相手に盾なんて意味がねぇからな。

ガキに武器の選択権がなさそうってことはテラーの神座もまだそれ程深くないんだろう、もっとも鬼狂を動かせている時点で相当だ。


「バレるとかじゃねーよバカ」

「アハハ刀なんて初めて見たゼ! おっさん喜べキキョウがそのバカな炎(うば)いたいんだってさああはは」


「なるほど……俺も鬼狂ちゃんに試されてたってわけか!」

「でもあいにく俺の炎はプロセスじゃなくナチュラだからやれないぜ」


「……あ?」

「ナチュラナチュラってどいつも! 雑魚のまま死んだら意味ないでしょおおおおが! プロセスされてみろよトブぞおおアハハ!」


黒い霧が形成した他の黒い武器と一味違う長い刀が白い地をガンガンと、ちょこまかと動く標的目掛けテンションを上げた少年の操作で斬るというよりは叩き斬りつづけている。


「そうだなッ興味はあるからここらで停戦しないか、コーヒー、ケーキもあるぞ! あとちくわ」


「バァァァァカ、景色でも食ってろおっさん」


「だよなァ! ハハ」


乱撃をひらひらと避け続ける父親をついに捉えた少年。

それに呼応するようキキョウもチカラを解放した。

上空から振り下ろされた荒い黒を纏った月無(ツキナシ)と迎え撃つ荒ぶる炎を纏った白蜜がかち合う。


一瞬の語り合い。


黒雷(こくらい)と爆炎が巻き起こりぶつかり合い、

巨大な炎球と黒い雷がお互いを押し退けるよう混ざり合い辺りを呑み込んでいった。



尋常ではない技と技のぶつかり合い、両者に巻き起こったその熱量が────




「ふぃぃ。さすがに死が見えたぞ……」


「王ー!! ご無事でデスカァ!?」


フツウじゃない威力と立ち込める煙の跡を父親を心配し慌てた様子で駆け寄ってきたサム。

片膝をついた父親がそこにはいたが、彼女を見てすぐに立ち上がった。


サムがヒロインしてくれてるだと……ハハ。


「あぁ、なんとか無事だ。サムのおかげだ」


「え!? あははははいやー、えへへ? あははは」


真っ直ぐと見つめる彼の黒い瞳に、

少し赤面した様子の挙動不審の控えめな笑いとトーンのピンク髪。


やはり王は不意にそういうこと言っちゃうタイプうううううう!?


「オカシイ……なんでおっさんがこんなにモつんダァ!?」


ブックムシャキキョウもただでは済まなかったらしい。

何故かいつもより荒々しい気合いの入った炎球が彼女の黒紫色のボディーを焼き焦がし、痛み分けの結果になったようだ。


炎神の加護でも降りたか? いやねーな!


散々斬り刻んだんだ、エロいゲームのデバフはボスに効かないなんてチャチでケチなもんじゃねーからな。俺がサムを目標にしたのもこのガバさからだ。

おそらくこいつは炎神にも効くんじゃねーの、ハハ。


「年季が違うんだろ、ちゃんと小学校行けよ」


「うぜえ!! オレは14だ!!」


「え、そうなのか!? 妹は?」


「チッうぜえ!」




◆◇◆


第じゃない①話




人間の膀胱には限界がある、公衆の面前で各々に定められたそのウツワ。

例えば電子のセカイではどうだろうか。やはり彼らにも人間的な生活や文化が少しはあるのだろう。

しかしここはファンタジーな……そうバトルファンタジーでアクションRPGな戦闘の最中。


強敵との戦い、必然と回復アイテムの消費は(かさ)み。グレープグレープとパイナップルパイナップルなフルーティーな液体が人体を潤していく。

エロいゲームのバトルは命賭けだ。イカれた裏世界のバトルでは限界を超えなければ敵わない強敵も時には立ちはだかることだろう。


そしてまさに今。限界は突破された。

黒いスーツは伝い湿り。目の前に立ちはだかるのは強敵キキョウ。

しょんべんを垂らしている。目まぐるしく変わる戦況、激しい攻防、戦いが長引き父親山田燕慈はぐぴキャンを使い過ぎたのだろう。


感覚は研ぎ澄まされている、バレないとおもっているのだろう澄ました渋い顔をしている敵の異変にキキョウと神座していた少年は気付いてしまった。


「オイ! 何チビってんだよおっさん!」


「チビってないが」


「くさいきもいんだよ!」


「爆破斬!!」


急に真下のケーキを手にした刀で斬り中規模の爆炎が起こった。

何かがリセットされるよう乾き、クールな渋い顔は敵を見据える。 


「チビってないが」


「ふざけてんじゃねぇよおっさん!!」


「王ーー!! 垂らしながら戦うなんてじゃないすぎてカッコ良過ぎます!」


「ハハ……垂らしてないがッ! ハハハ!!」


ここはミジュクセカイの塔3936階、お菓子なセカイ。お菓子な敵や景色のおかしな雰囲気がバトルに明け暮れている者たちのメンタルにも影響したのかも……しれない。


「なんだよこの糞みたいな星のヤツらはイカレタ……チッ、王の野郎め。キキョウもワラってんじゃねーヨ」




◆◇◆




「アハハ戦いに運痴オンナなんて連れてくんなよおっさん」


「エロいゲームだからな!」


長い刀身の月無がケーキの地を叩き斬っていく、ザクッザクッと容赦のない敵の刃が2人に襲いかかる。

躍動する父親はサムを両腕に抱きかかえながら敵の刃を華麗に回避していった。


やっぱりこの世界のベースはエロいゲームか安心したぜ。

そしてエロいゲームの攻撃にはパターンがある、少々リズミカル過ぎだってな。


「雑魚オンナはトロくて糞イラつくんだよ!」


「連れて帰るじゃなかったんデス!?」


「おまえ糞弱いもんアハハ、王の野郎なんて無視ダもっとこの刀で語らせろおおおおおっさん!!!!」


テンションを上げ切った少年の攻撃に対し、

父親は邪魔になったサムを即座に乱雑に投げ捨てた。


「え、オウえええええええ!? うわぷっ」



「爆王斬!!」

「ぐぴっとハハ、割とアツイんだな天才くん!」


「バカで語れない糞ナチュラを消すには斬るしかないでしょおおおおガァァァ」


パターンの変わった敵の月無を爆王斬の威力で弾き返した。

すぐさまぐぴキャンで隙を消し炎球の目隠しを利用し間を置いてバックステップを踏み次の太刀を誘いタイミング良く避けてみせた。

父親と少年、キキョウ。両者一歩も譲らず剣を交え絡み合っている。


「なんだそれハハ滅茶苦茶で馬鹿みたいだぞ!」


「バァァァァァカ!! キキョウもっと寄越せ!!」


キキョウはその少年の望みに応えた。

荒い黒が月無に纏わり付きただならぬオーラを放っている。


アレはやばいな……本気だ!


「よしこっちもだ! サムくれ!」


「ぺろり……はい? 王?」


「っておい、シチシトウだバフを貸せ!!」


「ひ……あ、的確了解です!!」

「チチチトウ!!」


高ぶり怒る王がいる少したじろいだピンク髪は指示通りに急いだ。

敵にデバフを与え続けたことによりチカラが蓄積され色鮮やかに光輝く七枝刀、そのカラフルが父親の元へと飛びゆき今、受け渡された。


うおお、これがサムの本領! プレイヤーとして実際に体感してみたが──


「この全能感、システム超えてんだろおおおお」

「フル爆王斬!!!!」


荒々しい黒の月無と七色に光る白蜜はただならぬ音を上げかち合い。

一瞬でその威力を咲かせた。

炎球は黒雷をかき消し呑み込みキキョウを焼き焦がしていった。


「炎神タイムってね」


「──アチゥゥゥ……ナチュラでたまるか! おっさんの炎はなんなんだ!!!!」


「なんだってぇ? 俺は主人公……の、父親だ!!」


「イカれてんじゃねええ糞ナチュラ!!」


(わず)かによろける父親、フルセカイの電子体の疲労はもはや回復アイテムで簡単に取り戻せる体力数値の問題ではないのだろう。

現実と精神、電子体そのギャップは。


「試してんじゃねええええ全てを寄越せよおおおおキキョウ」


一本角の悪鬼キキョウはその激しい闘争心に応える。

天に掲げた黒の刃月無に豪雷が繋がり堕ち。

荒々しい黒の雷は止み、輝かしい月の刃がその姿を現した。


「隠してんじゃねえよキキョウあははははアハハ」


これは予想以上の練度……!

キキョウと父親がやり合う事になるなんてな、ハッ!


「こういうピンチ、努力友情勝利ってのもいいがゲームってのは……!」



「来いサム! 王命だ呑み干せ!」


すぐに慌てて駆け寄ってきた彼女に手渡された希少なレモンレモンスカッシュ天然水。

出し惜しみはない、父親は使いどころはここしかないという判断を下した。


「は、ハイ王!!」

「ぐぐぴ……ハァーあれ? じゃないぽいんと溜まりました!?」


「じかんだ!」

「イクゾ、リミットメルトを合わせろ!」


「え、ハイ王!? ア、じゃないの来てます!!」


並び立つふたりの紅と黄月色のオーラは太い線で繋がりリミットメルトは解放され混ざり合った白いオーラが弾け散った。

初めての感覚を分かち合う、普段のリミットメルト以上の高揚感に身を任せ。


「エロいゲームってのは……! 溶かすほどのラヴだろッ……オおおおおおお!!」


七枝刀と白蜜は融合し、現れた新たなニホントウ。

宙に浮かぶ剣幅の広い白い炎の巨剣。

ふたりはシステムされた挙動でその巨剣を遠隔から操り。



「「桜花爆光斬オーガバッコーザン・ぎりです!!!!」」



それにシンクロするように動作した巨剣の袈裟斬りが襲い来る月の剣とかち合った。

一瞬に発した白い爆炎と紅い雷はぶつかり合い強大な威力を飛び散らしながら相殺されていく。

ただならぬ衝撃の後に、すぐさま桜花爆光斬の二撃目の鋭い突きがキキョウの腹に突き刺さろうとする。

月の刃がそのワザの威力を刀身で受け止め防ぎ大きく薙ぎ払った。


相殺し合う互角の刃。


だがまだ終わりではない桜花爆光斬の最大威力、三撃目が飛びかかり斬りつけようとする。


「プロセスでキキョウなんだよおおおおおおッッッッ」


「ぐぴれよエロいゲえええええええム!!」


「──いっちゃええええあはははははえ、ナンデス!?」


グレープグレープ天然水は電子体を癒し、上段に大きく振りかぶった宙を踊る白い炎の巨剣はその動きを止めた。

自由を得た黒スーツは光の柄をゲームシステムを(あざむ)き握りしめ。

地に降り巨大な剣の袈裟斬り。

サムを守りつつ月の刃を迎え撃った。


幾度も相殺された両者の技。ニヤリと男は笑った。


「【爆光斬】【爆光斬】うおおおおおお!!!!」


イカれた袈裟斬りの連打が月の刃を叩き付けていく。

それは尋常ではない理解不能な動きから放つ剣撃。


「おっさんガァァァァああああッ!!」


そのシステムを超越した猛攻に、かち合う電子の刃は燃やされ削られ。

ついに月の刃、月無は砕け散っていった。


「嘘をつけええええええエエエエ」


「これが本当の桜花爆光斬!!!!」


袈裟斬り。


突き。


上段に大きく振りかぶった白い炎の巨剣はキキョウを舞い踊るように斬り裂き。


魅せる最大威力、白い炎の光の特大爆発花火は咲き誇った。


最高の三撃を貰ったブックムシャキキョウはそのアメジストの瞳をキラリとワラわせ、黒く霧散し空の彼方へと消えていった。




「バグだろ。解かないでくれよ」




ついに決着した、父親サムと少年キキョウのバトル。炎神の子孫と鬼に狂わされた武芸者のセカイを超えた激し過ぎる語り合いは、ここに一先ずの終わりを迎えた。

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