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婚約内定



「信じられない!叔父上が、ユーリ様を抱っこしている?」


ティーサロンの隣の控え室で、そろそろ、ティーサロンに戻ろうかと、椅子から腰をあげかけたレジナルド王は、ルーカス王子の声に、びっくりして、ルーカス王子を見る。

ルーカス王子は、窓から、下の庭園を見ていたようだ。


「外に、2人ともいるのか?」

「うん。兄上、見てよ!」


見下ろせば、ルーカス王子が言ったとおり、叔父のアルフレッド公が、ユーリ様を抱っこして、こちらに向かって、歩いてきている。


「・・・ユーリ様、怪我でもされたのかな?」


 ルーカス王子の言葉に、さっと、レジナルド王は、青くなり、ティーサロンに戻るぞ!と、ルーカス王子に声をかけて、ティーサロンに走りこむ。

ティーサロンに飛び込めば、ちょうど、部屋の中に、2人が入ってくるところだった。


「叔父上!ユーリ様の身に何か?」

「お疲れのようだ。すぐに、部屋にお連れして、休んでいただく。」

「で、では、誰かをすぐに呼び・・・。」

「不要だ。私が、連れていく。・・・私の宮で良いな?」

「え・・・ええ。ユーリ様は、叔父上をお選びになったのですね?」

「ああ。」

「では、叔父上、ユーリ様をよろしくお願いいたします。」


 ユーリを大事そうに抱き上げたまま、ティーサロンから出ていくアルフレッド公の後姿を、茫然と、レジナルド王とルーカス王子は、見送る。


「まじで?ほんとにあれ、叔父上?」


 ルーカス王子の声に、はっと我を取り戻して、レジナルド王は、軽く頭を振る。


「神の御使いは、叔父上を選ばれたか。」

「とりあえず、助かったね。兄上、義姉上と、リリアナを、宮殿に呼び戻してもいい?」

「ああ、そうだな。呼び戻そう。ユーリ様を紹介しなくては。・・・それから、婚約式の準備も始めなくては。」

「でも、不思議な子だね。14歳って言ってたけれど、ずいぶん、大人びている。神の御使いだからなのかなあ?」

「そうかもしれぬ。・・・ともあれ、ユーリ様の家庭教師を急ぎ、選ばねば。」

「家庭教師は、叔父上がやれば、いいんじゃない?」

「なるほど、確かに。叔父上がこの国一の学者だったな。だが、礼儀作法と、ダンスの教師は、選ぶ必要があるだろう?」

「それもそうだね。でも、本当に良かったよ。性格も悪くなさそうだし。」

「・・・神の御使いに、不敬だぞ。」


レジナルド王は、軽く、ルーカス王子を睨むも、ほっとしたように、王の仮面を取り去り、いつもの弟に向ける笑顔を浮かべた。


「さすがに、緊張して疲れたな。もう、今日は休もう。ルーカス、久しぶりに2人で飲まないか?アイリーンとリリアナ嬢が戻ってくるのは、明日になるだろうし。」

「そうだね。兄上。あー。その前に、謁見室に集まっている宰相たちに、婚約内定の話しとかないとだめだよね?着替えてから、兄上の部屋に行くから、俺が、伝えておくよ。」

「助かる。頼んだ。」

「うん。じゃ、後で。」



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