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傭兵達の下剋上  作者: 羽賀唯人
3章 大阪湾の戦い
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31、一撃必殺の自負(隆景の考察)

(side:土橋守重)


「お前ら、一気に片付けんぞ!」

「……今」


 南郷の人たちの多くの顔は戦がしたくてうずうずしているように見える。ちょうど、小早川殿率いる毛利の援軍が来たのか。これはちょうど良い。私たちは、雑賀衆だ。三崎殿のような知略も、重秀のような統率力もない私ができるのは、南郷の希望に合わせることくらいだ。そして、この状況。相手の銃弾は、こちらにはあと少し届かないが、まずもって標準があっていない。この状態が続けば、突撃しても大丈夫だろう。さっき突撃しても意味がなかったのは、小勢で落ち着いて狙えたからだろう。この凄い剣幕で突撃して来たら私なら死にますね。そして、援軍が後ろからついたよう。相手はさらに慌てている。……このままなら、いける。近づいて……


「一撃で、仕留める」

「……?」

「行くぞ、みんな。私たちが織田を仕留める!」

「「「……! ッおおおおおおお!!!!」」」

「……ッ!?」


 一瞬敵の雰囲気が変わった。さっきまで理性が自分を落ち着かせていたように、恐れが見えていたが集中していた織田水軍だが、一瞬で恐れが――例えるならば蛇に睨まれた蛙――見えた。


「進め!撃ち方用意……、放てえええぇぇ!!!」

「「「おおおお!!!」」」

「引きつけろ!織田の名を、貶めぬようになあ!」

「「「お、おおお!!」」」


 元々の士気が違う。指揮官は有能なんだろうが、焦りが味方に伝わってしまって、うまく機能していない。……どんだけ南郷の気迫はどんだけやばいんだ。特にその気迫がやばいのは島宗近(しまむねちか)殿で、その気迫をこちらに向けられたら本当に怖い。しかも南郷の頭目で、毎回先陣を切ったり私との会話の時も代表して行って来たりするから、本当に南郷との会話は怖い。今回も先鋒の先に立って沈黙の威圧をしている。やばい、怖い。だけど、彼は味方ならば物凄く心強い。仲間でよかったぁ……。


「一撃で決めるよ。私の流儀に賭けて」


◇   ◇   ◇

(side:小早川隆景)


「……戦は士気が命。……そういったのは兄上だったっけ。……謀は父上か。……無策だけど、気迫のある人で相手を威嚇して戦闘状態に持ち込ませない。……兄上の言葉を体現しているよう……。」

「その言葉を隆景から聞くとはな。お前はどちらかというと『謀多くは勝ち少なきは負け』を体現しているように思うけどな」


 そういって、武吉は笑う。父上の言葉には賛同しかないが、こういった無策の突撃で押している様を見ると少し信じられなくなってしまう。雑賀衆は、昔からこの無策の突撃(戦法)で戦って来たらしく、それが様になっている。陸戦に比べると、やはり機動力が足りないように見えるが。


「……これが、陸戦となると本当に怖い。……あの気迫の島何某と言った人が多くの軍勢を引き連れてくる。……想像するだけで恐ろしい。……そう考えると、あの荒くれ者を纏める彼は凄いな……」

「あいつぁ、俺とは違うな。海の住人じゃねえ。だけど陸になったら本当にやばいな。あいつの統率力は半端じゃねぇ」

「……知ってる」

「だろうな。お前の相手を見る力は舐めちゃいねえさ」


 彼は自身の才能に気付いていないんだろうか。彼は人を惹きつけるのだろうか。それとも、あの二人の間にある絆というもので繋がっているのだろうか……。そこは、気になるけど、戦うことに関しては物凄く慣れている。傭兵として駆り出されていたから、ということでいいのか……?

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