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クリスマス三日前の魔法  作者: タタラルカ
4/4

⇒双子エンド

この連載に殴り書きでない話があるわけがないッ(キリッ

文章荒くてごめんなさい


再度、舞花視点

 違和感はずっと前から意識の片隅に鎮座していた。

 それは時に狂ったように警告を叫びだす。


 いつからかと聞かれたら堪えられない。

 ふとした疑問だった。


 クリスマス・イブ、元旦、バレンタイン――と月を跨いで、今は六月。

 いろんなこともあったが、告白が成就して、隆之と舞花は恋人としてデートでいろんなところに行った。付き合って六か月ということもあり、デートだけではなく、他にもそれなりに進展もあった。

 理想だ。まさに理想だ、と舞花は有頂天になっていた。

 好きな人とデートして、好きなキスして……、だけど二人で過ごす時間が長ければ、新しく気付くこともある。

 一般的なら嫌なところが見えた、想像と違った、などというものだろう。

 しかし、舞花の場合その根から違うのだ。


 ふと思いついた疑問に、あっと思いついた回答。

 人が違う――――その事実に、舞花は六か月間も気付いていなかった。


 性格が変わった、という意味ではない。

 そのまま人が違って、回代わりでデートしているのだ。


 思い知らされるまで切っ掛けはいろいろあった。

 例えば二日連続で会った日があって、前日に怪我して残った指の小さな切り傷が、翌日には綺麗さっぱりなかったとか。

 例えば四日前に好きだと言った食べ物を、その日は嫌いだと言ったりだとか。

 他にも仕草や笑いかた、癖に趣味も違う。


 人は違うでも顔や背は同じなのだから、きっと隆之とその弟の隆弘が入れ替わっているんだろう。舞花は隆之経由で知り合った隆弘、その三人が初めて集まった日を思い出す。そういえば、揃った日など、たったの一日しかなかったはずだ。これは、おかしい。


 そう、それで……――――二人に話したのだ、どうしてそんなことをしているのかと。

 話して、俯いて舞花が返事を待っていれば――隆之が場にそぐわない柔やかな笑みを浮かべ(まるで幼児が微笑ましい質問をした時のような慈愛に包まれていて)、隆弘は片眉を上げてニヤリと笑い(その時の心境といえば野獣にロックオンされた生贄)、何を言う間もなく気付いたら二人と同居生活(という名の監禁)をしていた。


 ベッドの上で遠い目をしながら、舞花は現実逃避に臨む。

 そういえばあの笑顔、目が笑ってなかったなー、だとか。

 そもそもあの時の雰囲気が既に妖しかったよなあ、とか。


 言いたいことはたくさんあるけど。

 どうしてこうなった?


「舞花さん、どうしてこんなに早く気付いたんですか」


「あー、あー、もう少し遅かったら、また三人で集まって入れ替わってないって確信させようと思ってたのによー。見たら嫉妬するからとか言ってる暇なかったじゃんか」


「それでも納得して、隆弘が()をしている間、俺が隆弘を演じようって……」


「でももう、逃げられねえよな? 叔父さんが借りてるマンションだけど、滅多に帰ってこねえし」


「舞花さんが大学生でよかったです。お陰で俺たちと保護者一人で別居が認められたんですから。流石に高校生だけじゃ無理ですからね」


「まあ却ってよかったな。その姿、結構そそる」


 いつの通り無表情の隆之と、演じることをやめた隆弘が次々を言い募る。

 絶句している舞花今、真面に話すことができるはずがないのに、合意を求める。


 テレビでしか見たことのなかった手錠に、足枷。自由な時間は大学に行くときのみ。出て行けばいいのに、惚れた弱みか家から離れられないでいる。


 そして、今日も、冷たい感触を手首に、夜が明けていく――



一応これで完結ですが、隆弘エンドも執筆しています。

ただし諸事情ができて年越し後となります。すみません


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