ようこそ!ワンダーランドへ♪
私が作ったダンジョンが世界最強......?
みんなで遊べるダンジョンを
作っただけなんだけどね......?
「ここが噂のダンジョンか…!」
剣士ローランド率いる
冒険者パーティは
街で今1番勢いのあるパーティだ。
今回は最近出来たと噂の新しいダンジョンへ。
天才剣士と名高いローランドは
街でも大人気の冒険者。
そして相棒の盾役バーディーは
屈強な大男で鉄壁の防御力を誇る。
魔法使いのエミリアは
多様な魔法を使えるだけでなく、
ギルドの冒険者新聞で
自分たちの冒険譚を連載する
人気のインフルエンサーだ。
今回は国の外れにできたという
ダンジョンを攻略して、
またその内容をエミリアが記事にする
という予定で3人はここまでやってきた。
山の麓にあるこのダンジョンは
見た目は至って普通のダンジョンであった。
「かなりの高難易度だと噂だ。」
「油断しないように。」
「面白い記事が書けるといいな〜♪」
中に入ると整備がキチンとされていて
明るい魔道具の照明が並んでいた。
そこには拍子抜けするほど
明るい受付嬢がいた。
「いらっしゃいませ〜♪
ようこそワンダーランドへ♪」
青髪のロングツインテールにメイド服を着飾った
ニコニコととても可愛らしいその受付嬢は
入場料を受け取るとその対価として
転移魔道具を人数分渡してきた。
「これを使うとダンジョン内から
この入口へ1度だけ転移できます♪」
「随分良心的だな?」
「ヤバいと思ったら無理せず使って
避難してくださいね〜♪」
「俺たちも数々のダンジョンを
クリアしてきたんだ。
そう簡単にはリタイヤしないぞ?」
「それはそれは♪第1層には魔物もいませんので
ご安心を〜♪ぜひ楽しんでくださいね〜♪」
「魔物もいないだと?楽勝じゃないか?」
「楽しむとはお気楽だね。ははは。」
「記事になるのかしら?クスクス♪」
「ではいってらっしゃいませ〜♪」
受付嬢に見送られたローランド達は
すっかり余裕でダンジョン内に入る。
「いやしかし今の受付嬢、只者じゃないな?」
ローランドは受付嬢が
相当な手練なのを見抜いていた。
「まぁ俺はやりあって負けはせんだろうが、
その辺の冒険者よりよほど強いと思うがな?」
「たしかに、何か変な雰囲気はしてたね?
なんというか、魔力を直接感じるような…」
「人間のフリしてるけど多分アレは魔物だね?」
ローランド達はA級冒険者。
国の中でも指折りの冒険者だ。
「まぁダンジョンなんだから
そりゃ魔物がいるだろうが......
この転移魔道具も本物のようだし
......大丈夫だろう」
「まぁ進んでみますか〜」
先へ進む3人。
いきなり3方向への分かれ道。
「魔物がいないってことは
トラップ型ダンジョンだろう」
「みんな、離れないように」
「あっ!」
「エミリア?」
いきなりエミリアの姿が消えた。
「……おい!エミリア!?マジか!」
床が斜めになり、
分かれ道のひとつに吸い込まれたエミリア。
「きゃぁぁぁ!!」
吸い込まれた?いきなり罠か!?
そのまま道は上空高く続き、エミリアの体は
上へ上へと運ばれていく。
「うそうそうそ!?」
エミリアは実は高所恐怖症。
風魔法を使っての空中浮遊も苦手。
「ムリムリムリ!!いやぁぁ!!」
追いかけようとしたバーディーは別の分かれ道に吸い込まれる。
「しまった!」
ローランドは二手に別れてしまった仲間の
どちらを追うか一瞬悩んだが、
盾役のバーディーは自分でなんとか
耐えてくれることを祈り
エミリアの後を追うことに。
はるか上空からエミリアの悲鳴が聞こえる。
「上だと!?く、どうやって行けば…!?」
追うことが出来ないと知ったローランドは
諦めて再度バーディーを追うことに。
「く!バーディー!!」
バーディーの後を追ったローランド。
だが自分の足元に床がないことに気づいた時には
もう落下が始まっていた。
「うわぁぁぁ!!!」
真っ逆さまに落下するローランド。
バーディーも落ちたのか!?
まずい!
壁に剣を突き立てて
なんとか落下速度を落とそうとする。
【......壁を傷つけないでね〜♪】
は?
壁から何か声が聞こえた。その瞬間ーーー
どごおおおん!!
壁が爆発。
ローランドは為す術なくそのまま落ちる。
「うわぁぁぁ!!!」
ヒューーン…
パシャアアアン!!
水!?
落ちた先は水?池か?
すごい水流に巻き込まれ
そのまま流されてしまう。
すぽーんっ!
......ドサッ!!
水流で運ばれた先には地面。
「......ゲホッゲホッ!助かった·····?」
目の前で倒れているバーディーを発見。
「バーディー!しっかりしろ!」
かなり水を飲んでいたらしい。
なんとか吐き出させることに成功した。
「オエエ!ゲホッ!·····ぁあ…うわぁ」
何とか生きているが完全に混乱している。
「…ああ!!·····うわぁぁ!!」
A級ランクの盾としてどんな魔物の攻撃にも
耐えてきたバーディーがこの一瞬で
もうグロッキーだと…?
ローランドは即撤退を決める。
「エミリアーー!!撤退だーーー!!」
動けないバーディーに先に転移魔道具を使う。
1人ひとつずつ渡されてた意味を理解する。
「·····クソ!」
後ろには引き返せそうにない。
エミリアを見つけなければ·····。
ローランドは仕方なく奥へ進む。
·····暗い!
さっきまでやたら照明がしっかりしていたのに
ここに来てほぼ暗闇になる。
「なんて嫌なダンジョンだ……!!」
人間の目の慣れさえも利用してくるこのダンジョン。
「エミリアーー!!」
返事はない。
自分の歩く速度が、ふとやたら速いことに気づく。
·····?
何だこの感覚?
暗くてよく見えない。
速い?
いや。
これは·····
床が動いている!!
自分の歩く方向へ床も同じく動いているのだ。
誘導されている!?
だめだ!
立ち止まろうとしたが当然床は動き続ける。
バランスを崩し倒れるローランド。
そこへ
ドボドボドボ·····
上から何やら粘着液が降ってくる。
スライム型の粘液!?いや?毒か!!
暗闇の中、何も見えない状況で
自動床でどこかへ誘導され
謎の液体まみれ·····
まさに完全に手も足も出ない
もう無理だーーー
ローランドは迷わず転移魔道具を使った。
「おかえり〜♪」
ダンジョンの入口で周りを見回すローランド。
「ローランド!!」
バーディーとエミリアがいる!
「無事だったか!!」
3人は無事を確認して抱き合うが
「うわ!ローランド?きも!ベタベタじゃん!」
「うわぁぁぁ!そうなんだよ〜·····」
「エミリアは俺が転移した時には
もう戻ってきていたよ。」
エミリアはすでに最初にリタイヤしていた。
「ごめん〜......」
「......いや、正しい判断だ。
とにかく無事で良かった......」
「ワンダーランドのご利用ありがとうございましたぁ♪またのチャレンジお待ちしてまーす♪」
明るく見送る受付嬢を尻目に
悔しそうに撤退するローランド達。
こうして噂の難攻不落のダンジョンの洗礼を
見事に浴びることになった·····。
受付嬢は裏のモニタールームに戻る。
そこで待ってたのは1人の女性。
「メグミ〜やった〜♪
めちゃくちゃビビって帰ったよ〜」
「ルーちゃん!完璧すぎて面白すぎる!」
ルーちゃんと呼ばれたその受付嬢と女性は
キャッキャウフフと飛び跳ねて喜ぶ。
「メグミの仕掛けは完璧ね♪」
「ルーちゃんの演出のおかげよ〜」
「頂上からの落下前に
女の子はリタイヤしちゃったね〜
あれはもう少し耐えて欲しかったな〜♪」
「水流アトラクションは大成功だったよっ」
「壁傷つけられたから
つい爆破しちゃった♪てへ♪」
「やっぱあの暗闇床移動アトラクションは
みんないい反応してくれるよねクスクス......」
「粘液まみれの時のあの顔っ!......あはは♪」
「フライングコースターまで行けなかった〜
残念〜」
第1層で見事に即リタイヤした冒険者達を見て
ダンジョンの演出や仕掛けを
二人はまた楽しそうに検討しだす·····
このダンジョンを作ったこの二人は
一体何者なのか·····!?
そしてこれ以降·····。
ローランド達による
エミリアの冒険譚
最強級ダンジョン発見の記事により
このダンジョンは
毎日、
冒険者の行列が出来ることになる·····。
読んでいただきありがとうございます!
もし少しでも面白いな、
続きが気になるなと
思っていただけましたら
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