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テイマー忍者 〜ソロ忍者は従魔と共に駆け回る〜  作者: 花屋敷


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ダンジョン発見?


 一旦街に戻ってコテージを借りた。いつもの通り大きなコテージの近くにある小さなコテージが俺のこの街での拠点になる。


 拠点を確保するとテイマーギルドに顔を出した。新しい街に来たらまずはテイマーギルドだよ。この街のテイマーギルドのNPCはタチアナさんとイリーナさん。猫族の女性だ。


「タロウちゃんもリンネちゃんもクルミちゃんも皆親密度がマックスですね」


「よかったです」


「ガウガウ」


「皆主が大好きなのです」


「そうだね。いい人にお仕えしてよかったね」


「はいなのです」


 二人にこの街に武器・防具屋とか強化屋があるかと聞いたら無いと言われたよ。今のところこのエリアで装備系を強化することはできないみたいだ。前のエリアで強化した装備で頑張れということなのか、それともまだこの先に街があるのか。


 プレイヤーズギルドでマップ作成クエストを受けているので歩いているだけでマップが作成されていく。テイマーギルドを出た俺たちは人が少ない通りをあちこち歩いてマップを作成していた。市内に入ってからポンチョを着ているのでクルミはそのフードの中、リンネは頭の上だよ。タロウは体を俺の右側に寄せて尻尾を振りながらゆっくりと歩いている。


 この滝の街には東西南北に門がある。西門がさっき外に出た門で目の前に草原そして滝と川が流れていた。見た限り魔獣の姿は見えなかった。川に近づいたらキラーフィッシュがいるのかも知れないな。


 他の3箇所の門はまだ外に出ていないので様子は分からない。外に出る前に街の中の探索を優先させている俺たち。ただ1日では回りきれないので夕方にはコテージから開拓者の街の自宅に戻ってきた。


 自宅でクールダウンしていると情報クランのクラリアとトミーがやってきた。


「新しい街を見つけた見たいね」


「そうなんだよ。霧の街のある場所、台地の下になるのかな。まだ街の中を少し歩いただけだけど、強化屋や装備関係の店は無いみたい」


 縁側に座った二人にお茶を出すと俺も同じ様に縁側に座る。するとクルミが庭を横切って縁側にあがって俺の膝の上に乗ってきた。お姉さんのリンネは精霊の木の枝でリラックスしているよ。タロウはその木の根元だ。膝に乗ったクルミの背中を撫でてやると尻尾をブンブン振って悦んでくれる。


 お茶を飲みながら聞いたら、情報クランは西の道をずっと進んで山裾まで到達したらしい。そこには洞窟があり、中にはセーフゾーンまであるそうだ。


「そう。洞窟の中に入ったところにセーフゾーンがある。そして中に進むと新しい魔獣が現れた」


 中にはケーブモールという魔獣がいるそうだ。日本語だと洞窟モグラになるのかな。


「レベル182?」


 トミーが言ったレベルを思わず聞き返したよ。


「そうなの。セーフゾーンから進んだ先にいるモグラはレベル182。しかも2体が固まっている。今の私たちでギリギリ倒せる敵よ」


 彼らは177に上がっている、そこに装備と加護で実質180くらいはあるだろう。それでも2体を相手にするとなると簡単じゃないな。


 彼らは入り口しか見ていないがひょっとしたらダンジョンかもしれないと言っている。うん、その可能性もあるよ。


「タクと従魔達ならもう少し奥まで進めるだろう。新しい街に着いたばかりで申し訳ないが奥を見てくれないか?」


 トミーが言うと膝の上に乗っているクルミがその場でジャンプしたよ。やる気満々だな。庭の精霊の木で休んでいるタロウとリンネも起き上がって、タロウは尻尾を振りながらガウガウと吠える。


「ここは主の出番なのです」


 リンネはそう言うとまた木の枝で横になった。タロウもしかりだ。


「分かった。どのみち西のルートも開通させたいし。洞窟に着いたら奥を探ってみるよ」


「頼む」


 情報クランは2、3日のうちに滝の街を目指すそうだ。北門から出るルートは距離は少し短いけど最後の池沿いにあるく数百メートルが結構厳しいと言っておいた。


「数時間の差なら東門から出てジャングルを移動しながらの方がいいかもね」


「まずは滝の街に行くことだからな」


 二人でそんな話をしている。


 その後彼らから教えてもらったけどようやくこの新しいエリアにプレイヤーが到着し始めたそうだ。エリアボスは一度倒すと次からレベルが10下がる。そして壁に登ってボスの攻撃を受けない場所からの遠隔攻撃が有効だという情報は公開しているのでその通りにやってきた連中がエリアボス戦をクリアして霧の街に到着したそうだ。


「ただこのエリアに飛んできた洞窟の先でのミニレイド戦はまだ挑戦していないみたい。でもあのNMを倒した時のドロップ品はいいものばかりでしょ? 転移の腕輪や透明な神魂石、それにバンダナに新しい魔法。ドロップ品についても公開しているから早晩多くのプレイヤーが挑戦すると思うわ」


 確かにドロップ品狙いで挑戦する価値があるよ。

 ただ毎回NMは湧かない。となるとあそこも混むのかな。


 縁側に座って話をしているとクラリアの端末が鳴った。リンネは何も言わないぞ。俺の端末の音を知ってるのか、それとも鳴った場所から俺のじゃないと分かったのか、相変わらず精霊の木の枝の上でリラックスしているよ。


「ちょっと待ってね」


 通話をしていたクラリアがそう言ってから俺を見る。


「マリアからなんだけどさ、スタンリーと二人でこれからタクの家にお邪魔してもいいかな?って」


「もちろん、問題ないよ」


「うん、タクがいいって。じゃあ待ってるわね」


 通話が聞こえていたのか、タロウが木の根元から立ち上がるとゆっくりと俺の方に近づいてきた。その背中にはリンネが乗っている。しばらくしてマリアとスタンリーが庭に入ってくるとタロウが尻尾をブンブンと振って歓迎の意を表しているよ。


「主のお友達はいつでも歓迎するのです」


「ありがとうな」


 そう言ったスタンリーが縁側に座った。タロウを撫でていたマリアもしばらくして縁側に腰を下ろした。タロウが縁側に上がってくると俺の背中側に座った。背枕してやるぞってことだな。リンネは頭の上に乗った。


 スタンリーとマリアは情報クランの二人から西のルートの先にあった洞窟の話を聞いている。


「滝の街の周辺の敵よりもレベルが高いぞ。でもタクなら奥までいけるんじゃないか?」


 攻略クランは滝の街の周辺を探索したそうだ。そこで出会ったのは茶色のオークでレベルは180だったと言っている。


「ダンジョンなら楽しそうね。奥にはボスがいるんじゃない?」


「二人もそう思うだろう?クラリアと俺もさっきタクにそう言ったんだよ」


「洞窟の奥にいる敵のレベルがわからないけど、行けるところまで行ってみるよ」


 俺が言うと是非やれと嗾けてくるが、正直面白そうだと感じている自分がいる。島のヌシがいたダンジョン以来の久しぶりのダンジョンになるな。俺がそう思っているとマリアの声がした。


「ところで、タクは滝の街の外に出てみた?」


「西門から外に出てみたよ。草原があって滝があって川が流れてたな」


「西門から出ただけ?」


「そうだよ。どうして?」


「さっきも言ったけど俺たちは滝の街の全ての門から外に出たんだよ。西の門以外の北南東のどの門から出ても前は草原、その先は森。そしてそのずっと先に雪を被っている山がある。同じ景色なんだ。そしてそこに道はない」


 霧はなくて遠くまで見えるんだけど、どの方角もほとんど変わらない風景だそうだ。草原にはオークがいてそのレベルが180だという二人。


「三方の先は山になっていて西側は滝と池と川ってこと?」


「そうそう。それで北南東で次に進むべき方向がわからないの。NPCに聞いても教えてくれない。でもそれはこちらのレベルがまだ低いからかもしれないけどね」


 レベルが足りないってのはあり得る。今までもこちらのレベルによってNPCの対応が変わることがあったし。


 攻略クランの連中も滝の街には来たけど急いで攻略を進めるつもりはなくて、まずは街の周辺でレベル上げをするそうだ。そうでなくてもここ最近はぶっちぎりで先頭を走っているのだからここらでペースダウンするのは賛成だよ。


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