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テイマー忍者 〜ソロ忍者は従魔と共に駆け回る〜  作者: 花屋敷


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雪だるま

 翌日、ログインをして畑の見回りをするとランとリーファに留守番を頼んで俺たちは岩盤の街に飛んだ。今日はソリと雪合戦だ。


 岩盤の街の別宅に飛ぶと待ちきれないと言った様子でタロウが身体をグイグイと押し付けてくる。


「分かってるって。今から行くぞ」


「ガウ!」


「レッツゴーなのです」


 確か北と東はレベル120のスノウオークだが単体。南と西は119のスノウオークが複数体だった。こっちはレベル115だから120の単体でいいだろう。実際は115よりも上のレベルだろうし。


 俺たちは東の転送盤に乗って街から外に出た。ソリと胴衣を取り出すと、タロウのお腹に皮の胴衣を巻いてロープを通した。準備完了だ。リンネは前足をソリに乗せて後ろ足で立ち、クルミはその横でリンネと同じ様に前足でソリを掴んだ。


「タロウ。好きに走っていいぞ。途中で敵がいたらやっつけろ」


「ガウ!」


「リンネもやっつけてやるのです」


「頼むぞ」


 タロウが雪の上を走り出した。よっぽど嬉しいのかいつもよりもソリのスピードが早い。ソリは雪の上を滑る様に走る。従魔達の体毛が後ろに靡いていて気持ちよさそうだ。


 タロウが大きく右に回って速度を落とした。ソリが止まるとすぐにタロウの胴衣からロープを外す。そのタイミングで120のスノウオークがこちらに向かってやってきた。クルミの魔法、リンネの魔法、そしてタロウの攻撃と俺の攻撃。120の単体なら正直危ない場面がない。相手が物理攻撃しかしてこないというのもあるんだろうけど、それでも余裕だ。


 スノウオークが倒れると再び胴衣にロープを引っ掛けて雪の中を走る。好きに走っていいぞと言ったので時に右に、時に左にとタロウが進みたい方向にソリを走らせていた。途中で魔獣を見つけるとソリが止まって戦闘をする。


 タロウとリンネの気配感知があるので不意打ちをくらうことがない。もっともこっちはソリなので襲ってきても十分に距離を取れるんだけどね。倒したら経験値は入るし、時々神魂石や印章をゲットできる。


「タロウ、大丈夫か?疲れていないかい?」


「ガウガウ」


「問題ないと言っているのです。主を乗せて走るのが楽しいのです」


「それならいいんだ」


 それからも雪原を走り回り、魔獣を倒した俺たちは岩盤の街の東に戻ってきた。街に飛ぶ転送盤から少し離れた場所でソリと胴衣を収納する。これからは雪合戦だ。


 まずはタロウとクルミチームと俺とリンネチーム。と言っても俺以外の3体の従魔は雪を後ろ足で蹴ってくるんだよ。これが結構広範囲に広がって雪を被ってしまう。クルミも小さい身体で一生懸命蹴ってくるんだよな。


「主、頑張るのです」


「おう」


 リンネにハッパをかけられた俺。リンネが後ろ足で雪を蹴りまくっている横で俺は雪を固めてタロウとクルミに投げる。時に躱したり、時に口にくわたりするタロウとクルミ。それがが楽しいのかもっと投げろと言ってくる。


 途中でチームを交代し、俺とクルミ、タロウとリンネ。それで雪合戦をして、またチームを変えて俺とタロウ、リンネとクルミ。雪を蹴ったり投げたりと雪原の上で遊びまくったよ。


 休憩しようと街が乗っている岩の近くで休んでいる時、俺が雪を集めて雪だるまを作っていると3体の従魔がじっと見つめてくる。


「主、それは何なのです?」


「これは雪だるまだよ。こうやって雪を転がして大きなボールにするだろう。それを2つ作って上にこうやって乗せるんだ。上に乗せる雪のボールは下のボールよりも少し小さくするんだ。ほらっ、お人形さんみたいだろう?」


 顔は指で雪を削って目と口をつけた。見ていたタロウもリンネもクルミも自分たちも作りたいと言う。


「じゃあ皆で雪だるまを作ろうか」


「だるまさんを作るのです」


「ガウ」


 クルミも雪の上でジャンプした。


 最初に俺が小さな雪の玉を作ってから従魔達に渡す。彼らはそれを前足で押しながら雪の玉を大きくする。タロウは鼻でボールを前に転がして大きくさせた。


 大きくなるとタロウが作った大きな雪のボールの上に俺の雪のボールを乗せて、リンネが作った雪のボールの上にクルミが作った雪のボールを乗せた。


 最初に作ったのを合わせて3体の雪だるまができた。


「主、もっと作るのです。今度はリンネとクルミも大きな雪だるまさんを作るのです」


「分かった」


 そうやって雪だるまを作っていると街の外で経験値稼ぎをしていたパーティが戻ってきて俺たちに気がついたのか近づいてきた。男性3人、女性2人のパーティだ。


「雪だるまを作ってるのかい?」


 近づいてきたパーティの1人が声をかけてきた。


「そうなんだよ」


「リンネとタロウとクルミも雪だるまを作ったのです。皆で見るのです」


「楽しそうだな」


「皆も主と一緒に雪だるまを沢山作るのです」


 リンネが言うとそれいいな。というリーダー。他のメンバーも楽しそうだし一緒にやろうという話になった。女性2人もやろうやろうと言っている。ここならまず魔獣がやってこない。まあ仮に来たとしてもタロウやリンネ、それにプレイヤーもいるし問題ない。


 俺たちは全員で新しい雪だるまを作る。1つ作ったことでタロウやリンネ、クルミも作り方を覚えたみたいで、何も言わなくても自分たちで雪を丸めては雪原を転がせてその玉を大きくしてくる。


 俺たちが雪だるまを作っていると向こうのメンバーの一人が転送盤に乗って街の中に戻っていった。しばらくして戻ってきた彼が収納から木片をいくつか取り出した。


「これで目と鼻と口ができるぞ」


「コウスケ、ナイスだ」


 彼らが雪だるまに木片を埋めていくと人の顔になった。タロウとリンネ、クルミはそれをみて大喜びだよ。


「お人形さんらしくなったのです」


「ガウガウ」


 作っていると外から戻ってきた別のパーティが俺たちに近づいてきた。タロウちゃんよ、とかリンネちゃんとか言ってる。女性ばかりのパーティだ。珍しいのかな?俺は他のパーティの事をよく知らないけど、女性だけでダンジョンボスを倒してエリアボスを倒してこのエリアに来て、この街に来ているんだから実力があるんだろうな。


 俺が一緒に雪だるまを作らないか。と言うと皆やるやるという。


「皆大きな雪だるまさんを作るのです」


「ガウガウ」


 うちの3体の従魔達も人が多く集まってきたので大喜びだ。みんなで雪を集めて大きな雪だるまを作り、木片を埋めて顔を作る。両手をつけた雪だるまも作った。


「戦闘以外でこうやって遊ぶのも楽しいね」


「全くだ」


「クルミちゃんも頑張ってるわね」


 彼ら、彼女らによると小さなカーバンクルのクルミが一生懸命雪を転がしてボールを作っているのが可愛いらしい。皆雪だるまを作りながらスクショを撮っているよ。もちろん俺も撮った。


 岩盤の街がある大きな岩の前に多数の雪だるまが並んだ。大きいのもあれば小さいのもある。表情もそれぞれ微妙に違っている。


「全員でこの雪だるまの前で記念写真を撮ろうよ」


 俺が言うと皆が賛成し雪だるまの前にしゃがみ込む。俺もしゃがみ込むとその前にタロウが横になりリンネがタロウの上に乗り、クルミは俺の肩に乗った。


 交代でスクショを撮りまくった俺たち。日が暮れてきたのでそろそろ街に戻ることにする。


「楽しかったー」


「タク、ありがとうな」


「こちらこそ」


 最初に話かけてきたリーダーっぽい彼が言うと皆が「「ありがとう、楽しかった」」と言っている。


「また雪だるまを作って皆と遊ぶのです。約束なのです」


「「分かった。またやろうね」」


 そう言ってその場で解散になった。


 自宅に戻るとタロウ、リンネ、クルミが庭でリラックスしている。沢山遊んだから皆満足気だよ。お留守番をしてくれていたランとリーファは俺の肩の上だ。


「楽しかったかい?」


「ガウガウ」


「タロウもクルミもリンネも楽しかったのです。主と沢山遊べたのです」


「うん、俺も楽しかったよ。またやろうな」


「はいなのです」


 この4日間、従魔は楽しんだみたいだけど、自分自身もたっぷりと楽しめたよ。ゲームだから攻略もいいんだけど、たまには寄り道するのも悪くないね。


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