アキ
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〜アキ〜
「アキ!熱は下がったのか?」
青白い顔をして
校門をくぐろうとした
アキと呼ばれた少年は
ふり返ると、作り笑いを
顔に浮かべた。
「ああ、だいぶましになった。
大丈夫だよ。
それより和人!
俺が寝込んでる間
合コンやったらしいじゃないか!」
アキの友人、和人は
頭をかきながらすまなさそうな表情。
「悪いな!
急に決まったもんだから、、、
それにお前いつも言ってるじゃないか。
合コンのチャンスを逃す奴なんか、、、」
和人がそう言うと
アキはにやりと笑い
2人は声をそろえて
叫んだ。
「大学生辞めちまええええ!!」
笑い転げるアキと和人。
キャンパスの青々とした芝生。
頭の上には秋のうろこ雲が浮かぶ
気持ちの良い一日。
そんな中
親友の2人は
いつまでも笑い続けていた。
笑い疲れた和人が
ふと真顔に戻りアキの顔を見つめる。
そしてぽつりと一言。
「それにしても、、、痩せたな
アキ」
少し心配げな和人はなおも言葉を続ける。
「顔色も、なんだか青白いし
本当に大丈夫なのか?」
アキは笑ってうなずく。
「大丈夫だよ。食欲もあるし
見た目より俺は元気だよ。
でも、痩せた?俺。
自覚ないんだけど」
「うーん、まあ痩せたって言うより、、、」
和人が口を開く。
「ほっそりしたって言った方がいいのかなあ、、、
肉が落ちたって言うより
骨格が華奢になったって言うか、、、」
アキはちょっと不思議顔。
「なんじゃそれ?
意味わかんね、、、
まあいいや。
心配なし、ノープロブレムだから俺。
じゃあ行くわ。
また合コン誘ってくれよ!!」
手をあげながら
去っていくアキの後ろ姿。
和人は
何故かその後ろ姿を
ずっと見つめ続けていた。




