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「ねえ!そこの彼女?



今度そこにさ、

新しいクラブがオープンしちゃったんだけど



遊びに来ない?」




喧噪の街の中

若い男に呼び止められた女は



歩くのをやめ男の方に振り向いた。




「彼女?」



女がそう言うと



男はにやにやしながら

手にしたチラシを女に押し付ける。




「な!来いよ!いい感じ醸し出してんぜ?

この店。



来いよ!」




男は強引に連れて行こうとするが

女は動かない。



意志の強そうな大きな瞳が

男をじっとロックオンしている。




女はゆっくりと男の手を払い

落ち着いた口調で男に言う。




「私はクラブになんて行きません。



それに私は女ではありません」




男は驚いた顔をして

女を見つめる。



「うっそ。おねえ系?

見えないよ!



マジ女かと思ったよ」




女はため息をついた。




「それも違います。



私は性別は現在女です」




男はますます不思議顔。




「え?じゃあお鍋ってこと?

わけわかんね、、、」




首を振る女。




「あ!わかった!

モロッコ系でしょ!!



なるほど!」





首をひねりっぱなしの男を

置き去りにして



女はまた歩き出す。



すれ違う男たちが

チラチラと女を盗み見している中を



胸を張って歩く姿を

いつまでも男は見つめていた。




「変なやつ、、、



でも、あれは絶対作りものじゃない

本物の女だぜ、、、




この俺が間違うわけがない、、、」




男はつぶやきを消すように

煙草をくわえ



天に向かって煙を吐きだした。




「それにしても、、、、




いい女」






男のつぶやきは

喧噪の町の中へ



たばこの煙とともに

立ち上って言った。










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