思い出の公園
外を出て歩きだしたアキと女の子。
隣を歩く女の子をちらっと見るアキ。
相変わらず女の子はにこにこしながら
アキの隣を歩いている。
、、、ん?
アキは少し疑問に思う。
この子は実体がない幽霊みたいなもんだよなあ。
他の人には女の子は見えているんだろうか。
周りを歩く人々に目をやるアキ。
するとバス停で暇そうに立っているサラリーマンがいる。
思い切って聞いてみるアキ。
「あのう、、俺の隣にいる女の子なんですけど
あなたは見えますか?」
突然わけのわからない質問をされた
サラリーマンは怯えた顔をして
走り去っていく。
その姿を見送りながら
ため息をつくアキ。
「お兄ちゃん、、、
何やってんの?
私はお兄ちゃんにしか見えないよ。
ふふふ」
女の子は笑いだす。
「笑うな、、おまえ、、、
そうだ
所でおまえ名前なんて言うんだ?
幽霊でも名前ぐらいあんだろ?」
「そうねえ、、、」
女の子は少し考え込んだ。
「私、幽霊みたいだから
ユウってどうかな?かわいくない?
きゃははは」
笑い転げる女の子
いや
ユウはアキの顔をまたじっと見つめる。
どうやら
ユウは顔をじっと見つめて話すのが癖らしい。
「さあ、お兄ちゃんの自分探しの旅
最初の場所についたよ!
わあ
何も変わってない!
懐かしいなあ」
アキとユウは大きな木の立ち並ぶ
落ち着いた空気の公園についた。
時折吹く風が木の葉を揺らし
誰ものっていないブランコが静かにたたずんでいる。
「懐かしい?ユウは
ここに来たことがあるのか?」
アキはユウに聞く。
静かにうなずくユウ。
「ええ、何度もね。
小さいとき日が暮れるまで
ここで遊んでた。
ブランコに乗って靴を飛ばし
滑り台の上で空を眺めたり
砂場でお山を作ったりした。
ここには楽しい思い出しかない、、、」
ユウは昔を思い出したように
滑り台の上に登って上を眺め出した。
ユウの頭の上に広がる
雲ひとつない青空。
「おい、、、ユウ
俺が聞きたかったのはなあ」
滑り台の上で子供のようにはしゃぐユウ
にアキは憮然と質問する。
「お前の思い出話じゃないんだよ。
俺が何故こうなったか聞きたいんだよ!
早く教えてくれ!」
その言葉を聞いたユウは
ふとさびしげな表情をした。
「やっぱり、、覚えてないんだ」
一体何を言っているんだろうユウは?
アキは思う。
「お兄ちゃんもいたよ。この公園に、、、
やっぱり覚えていないんだ」
またユウは青空を見上げる。
「この公園で遊んでいた私の隣には
いつもお兄ちゃんがいたのよ」
ユウの言葉に不信がるアキ。
だってそうだ。
俺はこんな公園はこれっぽちも覚えていない。
絶対はじめてきたんだ。
なぜユウはいきなりそんなことを
言い出すのか、、、、
相変わらずユウはさびしげな表情で
アキを見ている。
「覚えてないか、、、」
そうつぶやくユウの姿は
公園の風景の一部分のように
溶け込んでいた。




