幽霊からのありがとう
「おまえ、、、」
アキが静寂を破って
女の子に質問をする。
「何か知っているのか?
俺がこうなってしまったことに。
いや
知ってるんだよなあ?
まさか
お前がやったことなのか?
お前が何者なのかは
この際どうでもいい。
教えろ!!」
アキは勢い込んで
女の子の肩を掴んで
詰め寄ろうとした。
が
アキの掴もうとしたその手は
女の子を素通りした。
女の子には実体がなかったのだ。
微笑む女の子。
腕を組むアキ。
「おまえ、、、
幽霊なのか?
それとも
頭がおかしくなった俺が
作り出した幻覚か?」
女の子はアキに近づいていく。
少し後ずさりするアキ。
「うーん
そのどっちでもあるかも、、、
それから
お兄ちゃんがなぜ
こうなってしまったか
知りたいでしょ?」
「だ、だからさっきから聞いてるだろ!」
さらに近づく女の子。
「じゃあ、、私についてきて。
ここはもうお兄ちゃんのいる所じゃないの。
この部屋を出て
外に飛び出そうよ!」
女の子の顔が
アキの顔の目の前
10センチほどの所にある。
もし幽霊でなければ
かなりドキドキするだろうと思うアキ。
「それから、、、」
女の子はくるりと後ろを向いて
アキに語りかけた。
「これだけは言っておきたいの」
下を向いて顔を赤くした女の子が
再びあきの方を向く。
「お兄ちゃんは世界で一番大切な人だよ。
ありがとう」
アキは不思議な気分だった。
幽霊に感謝される覚えなどないのだが
とにかくその言葉はアキの心に響いて行った。




