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異世界馬車の旅。食料の準備……忘れてた

 冒険者ギルドで教えられた馬車に乗り馬に揺られること数時間。


 最初はゴツゴツした道に慣れず、こんなところで寝れるわけがないと思っていたが、いつのまにかウトウトしてしまい、気が付けば今日の野営場所についたという。


 あっ……時間がないと言われそのまま馬車に乗ってしまったため食料など何も準備をしていなかった。


 馬車の御者の人に次の出発する時間を聞くと夜はここで泊まるため明日の朝出発するとのことだった。


 寝るのは馬車の中でも、馬車の横で火を焚いているので、そこの近くでもいいと言われる。

 テントを持っている人は自分たちでテントをはり寝るそうだ。


 そりゃそうだ。まだ朝晩寒いとタニア姫も言っていた。

 長期間の移動にはそれなりの準備が必要だろう。


 食料について聞いてみると、食料はやっぱり自分で持参するのが普通だという。


 次の街まではまだ3日もあり、わけてはやりたいが予備の飯はあまりないので、この辺りなら近くに木の実と川があるからそこへ行って探してみるといいと言われてしまった。

 

 食料のことなどすっかり頭の中から消えてしまっていた。

 本来なら一番初めに気がつかなければいけないのに。

 

 俺はタニア姫からもらった袋の中身を確認してみる。袋の中には干し肉、ロープ、手袋、寝袋、簡易の鍋、ポーションなど旅で必要そうな物が入っていた。

 ポーションなどは瓶に入っていたので、近くにいた人に聞いたら教えてくれた。


 干し肉とか非常にありがたい。

 

 馬車の止まった場所は森の中の開けた場所で近くに川も流れている。一緒に乗ってきた人たちはそれぞれ野営の準備をしている。当たり前だがみんな旅慣れしているようだ。


 テントを張ったりする時間も考えられてか、まわりはまだ明るい。

 馬車から少し森の中に入ると、俺らが通っている道とは別にどうやら獣道があるようだった。猪のような足跡が数多く見つけられることができた。


 うーん。異世界の猪って食べられるのだろうか。

 御者の人ならどんな魔物がでるのか、食べられるのかも知っているに違いない。

 俺は御者の人のところに行き聞いてみる。


「すみません。この辺りってどんな魔物がでるんですか?」


「この辺りは、三角ラビット、ポロンボア、ビッグアントが多いな。それほど強くはないけど駆け出し冒険者一人で戦うには厳しいからあまり遠くへはいかないようにな。あと凶暴な魔物も少ないけど、いないわけではないからな」


 凶暴な魔物もいるのか。ただ滅多に出会わないなら俺も大丈夫だろう。

 なんとなくそんな気がする。

「倒せないことはないってことですかね?」


「そうだな。一方的に攻撃できる状況なら一般人でも何回も倒せるだろうけどな。そんな状況になるのが難しいからな」


 なるほど、一方的にボコボコにできる環境にすればいいってことだな。

 それならいい方法がある。


 こんなところまできて、なんでも屋の知識が役に立つとは思わなかった。俺はさっそくくくり罠を作成して獣道に仕掛けることにした。


 タニア姫様、本当に色々準備してくれてありがとう。

 干し肉を食べてもいいが、どう見ても固くて美味しそうにない。

 どうせ食べるなら異世界のお肉も味わってみたい。


 これだけの人が野営する場所だから何かあったら助けてもらえるだろうし。


 俺はすぐに罠を作った。意外と単純なものだが、これが不思議と効果あるのだ。

 先人たちの知恵恐るべし。

 後は魔物がかかるのを待つばかりだ。

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