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交錯編: ナギの努力だと…?

 城に忍び込んでいる俺は、再び捜索を開始した。まずはシルフィードを見つける。

そこにナギがいれば事情を話して指示を仰げばいいし、いなくてもシルフィードを通してアルカナが国中に指示を出せば魔法陣の発動も防げる筈だ。

そう思った時、とある疑問を抱く。本当に?

いや、だが、現状それが一番だ。前提が崩れる筈がない。だって、それは自分で自分の首を絞めるのと同じ筈。

そんな考え事をしていたせいか、俺は油断した。


「…っ!!」


後ろから殴られる。幸いな事に致命傷にはならなかったがーー俺は意識を失い、倒れたのだった。



 目を覚まして、はじめに目にしたのは床に描かれた魔法陣だった。手足を縛られ、床に転がされていたようである。


「う…っ」


「目が覚めましたか?ルカ」


呻き声を上げた俺に、気遣うように声をかけてきたのは、なんと捜していたシルフィードだった。俺は混濁した意識を急いで覚醒させる。


「シルフィード!!一体これは…」


「遠隔魔法の、魔力供給用魔法陣です」


シルフィードは苦々しく答えた。俺は日向が言っていた事を思い出す。

城の何処かにある筈と言っていたが、まさか自分が連れて来られるとは…!!悪態を吐くが、同時に疑問に思う。


「何故シルフィードも魔法陣の中にいるんだ…?」


シルフィードはナギの双子の姉。ナギは人工能力者であり、つまり元は魔力を持たない人間だ。人工能力を植え付けられていないシルフィードは、当然、魔力を持っていない筈である。

その疑問にシルフィードは答えた。


「私たちは魔力を持っていない訳ではないんです。行使する器を持っていないだけで」


「どう言うことだ…?」


「ファータ王家の者は、精霊や妖精の名を冠する許可を貰っているのには理由がありますーー私達の血には、魔力が宿っているんです」


「!!」


「行使する器がないため、ただ持っているだけですがーー自力で取り出せないだけで、魔力は保有しています」


「だから魔法陣の中に捕まっているのか…!!」


俺の言葉にシルフィードは頷く。俺は急いで周囲を見回しーー安堵した。

良かった…ナギはいない。


 そんな俺の様子に、シルフィードは人知れず呟いた。しかし残念な事に、俺はその事に気付かず


「飛んで火に入る夏の虫だな」


「ウンブリエル…」


ゆっくりとした足取りで姿を現したウンブリエルに、俺は睨む。

しかしウンブリエルはニヤリと笑い「そんな芋虫状態で睨まれても、怖くもなんともないわ」と鼻で笑った。


「自ら燃料になりに出向くとは、ナギがの努力を無駄にしてくれて、こちらとしては有り難い」


「ナギの努力だと…?」


「気づいていると思うが、アルカナ内部にお前達の裏切り者がいる」

「!!」


やっぱりそうか…と臍を噛む。空からばら撒かれたチャフがその決め手である。


「チャフの種類にもよるが…今回ばら撒かれたのは単なるアルミだーーそう、アルカナが保有していた大量のな」


すみません…諸事情により来年の2月まで更新出来ません…。

お願いです。見捨てないでください(>人<;)

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