小噺:メタ発言あるいはif
こーゆー話を書きたくなりまして…。
日向「こう言う形式って、初じゃないか?」
風見「そうね…。ネタ切れかしら?」
ルカ「どうやら、この間の小噺が微妙だからと急遽書いたらしい」
日向「マジか…。むしろ悪化すると思うんだけど」
ルカ「あと、書きたかった内容でもあるらしい」
風見「と、言うと?」
ルカ「"この世界に苗字と言う概念があった場合"の話をやりたいと」
日向・風見「苗字!?」
ルカ「あぁ…ナギの名前ネタは以前小噺でやったが、それ以外でif話をしたいと」
日向「まぁ…ファータ王家とか出てきているにも関わらず、苗字が存在しない、なんて世界設定だしなぁ」
風見「無理に作ってもいいけど、私や日向みたいにもともと名前が苗字寄りの場合はどうするのよ?」
日向「それなー…。なんでそうしたんだろうな」
ルカ「それが、誰が先進、発展、栄光の世界なのか作者自身が覚え易くする為に決めたらしい」
風見「なにそれ!?初耳なんだけどっ!」
ルカ「あと、苗字がない理由は"登場人物多いし、読者も名前と苗字両方覚えるの大変でしょ"と言う事らしいぞ」
風見「あぁ…なるほど。苗字呼び、名前呼びとかあるしね」
ルカ「それに作者自身が"日本人寄りの名前ならまだ覚えられるけど、カタカナ系の名前は絶対に忘れる自信がある!"との事で、苗字と言う概念を消したくせに、苗字ネタをやりたいらしい」
「と言う事で、第一回もし苗字を付けるならどんな苗字にするか?大会を開催します」
と、俺は棒読みで宣言した。
参加メンバーは、風見、日向そして本編ではあり得ないフルメンやゲフリーレン、ヒュエトス。
そして
「まさか私たちも登場するとはね」
と、艶笑を浮かべて言ったのは、ナギの師匠であるミラだ。
「さすが小噺。本編ではあり得ない設定で行くと決めたら、とことん有り得ない存在も出すらしいな」
と、常盤。ミラ、常盤の側にいる霰は何も言わないが、静かに同意を示している。
ミラは意地の悪そうな笑みで俺を見た。
「貴方には色々と言いたい事があるけど、それは今は控えるわ」
「…ぜひそうしてくれ」
じゃなきゃ話が進まない。尺的に。
このメンバーをまとめながら、司会進行をしなきゃいけないのかよ…と、想像だけでドッと疲れる俺をよそに、参加者達は和気藹々と話していた。
「よくあるのは、自分の特徴を名前にする事よねー」とミラ。
「常盤や風見、日向はいっそ苗字にして、ファーストネームの方を考えてみたら?」と霰。
師匠勢に頭が上がらない風見、日向は珍しく言われっぱなしであたふたしている。
それとは別に、歳上勢は
「ゲフリーレンなんて、ドイツ語の氷結からきてるし…フリージングとかどうだ」
と、ヒュエトス。ヒュエトスの言葉にゲフリーレンは少しムッとして
「氷結=氷結になるだろうっ!それならお前はレインだな!!」
「ゲフリーレン…それでは同レベルだぞ」
と、嗜めるフルメンに
「それならお前はサンダーだっ!」
と、ミラが野次を飛ばす。
それを皮切りに、一斉に揶揄いの対象がフルメンとなり、場が荒れ始めた。
集団心理のせいなのか、まさかこのメンバーでこんな幼稚な事になるとは…!場を静める為、俺が動こうとした時ーーー
「ルカー、ちょっと相談なんだけどさぁ」
ガチャッと部屋に入ってきた人物に、みんな一斉に動きが止まった。
全員の視線に気付いたのか、ナギは「何やってんだ?」と首を傾げ、俺に説明を求める。かくかくしかじか話すと、ナギは「なるほどねー」と冷めた目をした。くだらないと、思っているのが明らかである。
そんな愛弟子に、ミラは尋ねた。
「ナギ、あんたならどんな苗字にする?」
「まず師匠がいる事に突っ込みたいですが…そうですね…」
と少し考え、
「ちなみにフルメンは?」
と問うた。ナギの質問に、みんな顔を見合わせニヤリとして
「サンダーよ」
と風見が答えた。あぁ、また先程の状態になるのか…と俺が内心溜息をつくのと同時に
「なら、私もサンダーと名乗るべきだろうな」
とナギが平然と宣った。
その言葉に皆、目を見開き唖然とする。
間抜けな面をする一同に、ナギは「だってそうだろう?」とはにかみながら言ったのだった。
「だって苗字だろう?私の育て親はフルメンだ。なら、同じになるのが筋だろう?」
もう少しマシな名前がいいけどね、と付け加えると、ナギはそそくさとその場を後にした。
「……」
残られた者たちの胸の内は、笑いではなく
「親とは…いやはや、これはなかなか堪えるねぇ」と常盤。
「私の方が付き合い長いのに…」とミラ。
俺含めその他のメンバーはジッとフルメンを見つめ、当の本人は
「全く、彼奴は…」
と、嬉しさを噛み締めつつ、必死に平静を装おうとしたのだった。
ナギがルカや風見以外にデレる話を書きたくなりまして。 あと、ナギにとってフルメンは上司であり、養父だと。
なんだかんだ感謝しているって事を書きたくなりました…。