ヤキモチと言葉の意味
次の日
テクテク…
「あれ」
いつも角にいる桜がいない…
いつもなら角で偶然会うのが日課だが、今日は休みなのか?
「おはよー、謙人」
「ん?あぁ、明石か」
「あれ、今日は倉見と一緒じゃないのか」
「そうなんだよ。いつもそこの角にいるはずなのに…」
「………謙人はいつも角に倉見がいるのに疑問を感じないのか?」
「え、別に?」
「謙人………お前は本当に鈍チンだよな」
「え?」
教室
ガラガラ…
「おはよー、おがさん」
「よ。東崎、明石」
俺はすぐ桜の席を見るが、姿はなかった
「なぁ、桜はまだ来てないのか?」
「あらまぁww倉見が心配なのでちゅか?ww」
「なんかムカつくから止めろ」
「倉見なら今日休みだぜ」
「あ、そうなのか…」
もしかして昨日、調子悪かったのかな?
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放課後
「倉見先輩休みにゃんですか…」
「あぁ、昨日はなんか調子悪そうだったからな」
「そうかもですね～」
「それはどうかな?」
「うわぁ!いつの間に…」
後ろを見るとパジャマ姿の堀屋先生が立っていた
「それはどうって、どういうことすか?」
「まず、けん君は乙女心を分かってないよね。」
「堀屋先生にそう言われても説得力ないなぁ」
「失礼だよ!!」
「でも、俺が乙女心を分かってないとは?」
「昨日、ねこちゃんと一緒に学校廻ったでしょ」
「え、まぁそうですが…」
「その時、ふたりで歩いてたところをさーちゃんが目撃してしまった。」
「え」
「つまり…それを見てさーちゃんはヤキモチを妬いてしまったんだよ!!」
……………
……………
「え、なんでヤキモチを妬いてんですか?」
ズルッ!
東崎先輩…鈍すぎる…（汗）
「と、とにかくさーちゃんが休んでる理由がヤキモチなんだよ」
「ヤキモチ妬いて普通休みます?」
「うー…乙女心は繊細なんだってば!!」
これは…かなり重傷だな…
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次の日
ガラガラ…
「おはーおがさん」
「おはー東崎。今日も倉見休みらしいぞ」
「今日もか…」
ガラガラ…
「おらー、お前ら席に着け!」
後ろを見ると担任の荒津が教室に入ってきた
「東崎。5秒以内に席に着かないと欠席扱いにすんぞ」
「それは勘弁してください（汗）」
俺は慌てて自分の席に戻ると
「昨日から休んでいる倉見だが、どうも風邪を引いたと連絡が入った」
桜…風邪を引いてたのか。
「東崎。お前、今日倉見の家にプリントを渡しに行ってこい」
「は?」
「倉見に2日分のプリント届けるんだよ。お前は倉見ん家近いだろ?だからお前が行くんだ。というか行け」
「いいですけど…」
「じゃあ任せた」
渡されたのは、桜が休んでいた2日分のプリントだった
「よかったなぁ～ww東崎」
「何が?」
「倉見の家に行って、倉見のパジャマ姿を拝めるんだからな」
「別に拝みにいくんじゃねぇから」
「ま。とにかく頑張ってきなww」
「何を頑張れと?」
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放課後
俺は倉見の家の前に立っていた
「ここか…」
俺は中に入って、インターホンを押した
ピンポーン
トントントン…
ガチャ…
「どなた…」
バタンッ!!
「えぇ!?」
え…ええええええぇぇぇ!!!?
なんで謙人君が私の家に来てるの!?///
もしかしてお見舞いに来てくれたのかな…と、とにかく謙人君待ってるし、中に入れないと…
ガチャ…
「ど、どうした?いきなりドア閉めて」
「ちょっとビックリしちゃって…謙人君どうしたの?」
「休んでるって聞いて、プリント届けに来たんだ」
「そうなんだ…じゃあ中に入っ…」
カァァ…///
「入っちゃダメぇ!!」
バタンッ!
「どっちだよ!」
ガチャ
俺は2階にある桜の部屋に入った
「今、桜一人なのか?」
「うん。今お母さんが買い物に出掛けてるから」
「なるほど」
「何か飲み物出そうか?」
「何言ってんだ。桜は病人なんだし、大人しく寝てろって」
「う、うん…///」
「それにしても桜が風邪引くなんてな」
「ちょっと外居たら冷えちゃって…」
「この時期は、暑かったり寒かったりするから気を付けろよ」
「うん…」
……………
……………
「ねぇ…謙人君」
「ん?」
「この前…謙人君と咲川さん、一緒に歩いてるの見たんだけど…」
「あぁ、あれか?」
「うん…あの時、謙人君が咲川さんの頭を撫でてたの…あれ、どういうことかな…?」
「あれか?まぁ…咲川さんが優しい事言ってくれて、つい頭を撫でてしまってな。別に深い意味はないよ」
「そ、そうなんだ…」
咲川さんとはそういう関係じゃないんだ
「なら、よかった…」
「え?」
「にゃ!?う、うぅん何でもないの…」
「でも…謙人君は本当に女の子に興味ないんだよね」
「え?」
いきなり桜がこんな事を聞いてきた
「昔から、謙人君は女の子に興味ないの?」
「たぶんそうかも………しれないな」
「かも?」
「中学の時に俺は何か抜けているような記憶がある気がするんだよ」
何かが抜けている…?
その言葉が私は少しばかり気になった。
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「じゃあそろそろ帰るな」
「うん…明日、学校で」
「……………」
ポフっ
「にゃあ!?///」
いきなり謙人君に頭を撫でられた
「明日、一緒に学校行くか?」
「わ………分かった///」
その時、私は謙人君の言葉がどんな意味を持つか、まだ分からなかった。
