旅行と違和感 前編
7月
「さて、明日から夏休みだがハメを外しすぎないようにな。じゃ、解散」
ガヤガヤ…
今日は終業式。待望の夏休みだ
「じゃあ部室行くか桜」
「うん」
俺と桜は部室に向かった
テクテク
「やっと夏休みだなぁ…」
「今年は撮影旅行だよね?」
そう、今年は文化祭に向けて前に桜と行った乙府での撮影旅行を予定してたのだ
「あぁ、しかも泊まりがけだからな。今年はいい作品が出来そうだよ」
「そ、そうだね…」
け、謙人君とお泊まりか………なんだか緊張するなぁ///
「桜?どうかした?」
「にゃっ!?なんでもない…///」
「?」
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俺達は部室に着くと早速、撮影旅行の打ち合わせを始めた
「じゃ、打ち合わせやるか」
「あれ?堀屋先生は?」
よく見ると堀屋先生がいない
「また用具庫で寝てるじゃにゃいんですか?」
俺は用具庫の扉を開けると
「すー…すー…」
案の定、先生は用具庫の布団でグッスリ寝ていた
「堀屋先生!今から旅行の打ち合わせやるんですから、起きてくださいよ」
「うにゅ~…眠いんだけど…」
「一番行きたがってたじゃないですか…(汗)」
「う~…けん君達だけで決めていいよ。私は遊べれば何でも…」
「だから遊びに行くんじゃ………」
Zzz…
「寝ちゃったし…(汗)」
「仕方ない。先生抜きでやるか…」
「ところで行くところはどこですかにゃん?」
「前ロケハンに行った乙府だよ。あそこを舞台にしようと思うんだ」
「あぁ、あの城跡ですね」
「うん。2泊3日で行こうと思うんだ。」
「どこに泊まるんですか?まさか…キャンプ場///」
「なぜ赤くなる?」
「いいえ…キャンプ場ならあんなことやこんなことを…///」
「……………」
咲川さんはたまに何を考えているから分からないんだよなぁ
「でも、本当にどこに泊まるんですか?」
武蔵田君が聞いてくる
「近くに俺の叔母がやってる旅館に泊めてもらう事にした」
「それは…ラブホですか?///」
「違うよ?うちはそんないかがわしい店経営してないからね?」
「違うんですか…」
なぜ、残念そうにする。
「でも、いいのかな?泊めてもらって…」
桜が少し申し訳なさそうに言う
「大丈夫だって。今回のこと話したら、快く引き受けてくれたしな」
「じゃあお邪魔しようかな…」
「それじゃ、当日駅で集合な」
そうして決まった撮影旅行。でも………謙人君の叔母さんってどんな人なんだろ?
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当日
ガタンガタン…
「いやぁ…快適だなぁ」
俺達は特急列車で一路乙府に向かっていた
「特急で行くなんて豪勢ですね」
「前は各駅で行ったけど、かなり時間掛かったからな」
そうして4人掛けのシートで俺と桜、咲川さんと先生…
あれ?1人いないような…
「えーと…武蔵田君?」
「………なんですか?」
「悪いな、席で1人に座ってもらって」
「いえ…大丈夫です」
4人掛けのせいで武蔵田君だけ1人になった。
しかし、夏休みということで自由席は満席。そして隣に座ってたのは…
「あらまぁ、あなたどこに行くのかしらん?」
「……………」
「あら、寡黙なお兄さんね。たまらないわん」
「……………(汗)」
「ねぇ、お兄さん。暇なら一緒に行かない?ラ・ブ・ホ」
………武蔵田君は偶然隣に座ったオカマに絡まれていた。
うわぁ…武蔵田君顔が真っ青だ…(汗)
すまん…武蔵田君。後で飲み物おごってやる…
だから我慢してくれ
間違ってもそっちの道に行かないでくれよ…
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ブロロロロ…
俺達は乙府からバスで旅館に向かった
「はぁ………」
「大丈夫か?さっきのオカマに何かされたのか?」
「えぇ…ち●こを触られたり、耳に息を吹きかけられたり…」
「あぁ…(汗)」
「俺は、オカマの脅威を思い知らされましたよ」
「オカマの脅威って…」
知らぬ間にそんな事が…武蔵田君はどこでも不憫だなぁ
~~~~~~~~~~~
ブロロロロ…
「えっと…叔母さんの旅館は、あぁ…あった」
バスの停留所から少し歩いた所にあるのが叔母の旅館だった。
「龍水荘…ここが東崎先輩の叔母さんの旅館ですかにゃ」
「うん。昔はよくここに来たんだよ」
「家族で来てたの?」
「いや、よく友達…を連れて来てたんだよ」
「友達………?」
謙人君は妙に含みのある言い方をした。
………気のせいかな?
そうして俺達は旅館に入る
「おーい、叔母さん。いる~?」
「は~い」
すると奥から声がして、叔母さんが現れ………
……………
……………
「きゃあああああ!!!??」
すると中から鬼のお面を付けた女性が出てきた
「いやあああああ!!!!!」
「落ち着け!あれは叔母さんだから!」
「ふぇ…?東崎先輩の叔母さんって、鬼なの………?きゃあああああ!!!」
「なんでまた叫ぶの!?」
いよいよ収拾がつかなくなってきた。
「あらあらごめんなさいね。驚かせちゃった?」
叔母さんはお面を外した
「叔母さん…来てそうそう驚かせないでくれよ」
「ごめんね謙人。久しぶりに来るって聞いて、叔母さん張り切っちゃって…」
「張り切る場所違うだろ(汗)」
「私が謙人の叔母の東崎井草です。」
叔母さんはその場で礼をする。
「え、えと…倉見桜です」
「聞いてますよ。映画部の皆さんでしょ?では、早速部屋に案内しますね」
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「いやぁ…綺麗だなぁ」
部屋からはすぐそばを流れる川と緑豊かな森が目の前を覆い尽くす
「じゃ、武蔵田君。早速、露天風呂行くか」
「はい。」
ザバァ…カコーン…
「ふぅ…気持ちいいなぁ」
「ですねぇ…」
露天風呂からは川が望める位置に立っていた。
「わー、広いお風呂だね!!」
すると隣から堀屋先生の声が聞こえた
「ちょっと先生、飛び込んじゃダメですよ!」
「危ないですにゃん(汗)」
桜や咲川の声も聞こえてきた
「わぁ…さーちゃん。おっぱいおっきいね!」
「な、なんですか?急に…」
「確かに倉見先輩は胸が大きいですにゃん。カップはどんぐらいですかにゃ?」
「そんなに大きくないよ(汗)」
「いやいや…これは巨乳の域ですよ。ちょっと揉んでいいですかにゃ?」
「だ、だめだよ!!恥ずかしい…///」
「減るもんじゃないですし、一回だけ」
「だめ!!///」
「うむむ…じゃあ強行手段に出ますにゃ!!」
バシャーン!
「きゃあ!?」
「おぉ…倉見先輩の胸柔らかいですにゃん…」
モミモミモミモミモミモミ
「にゃ…あっ………ぅん///」
「これはDカップですかにゃん?」
「し…知らな………ほにゃん!///」
「……………///」
な、何が起きてるんだ女風呂で…
「なんか…向こうは元気だなぁ…」
そして相変わらず興味のない東崎先輩だった。
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辺りは暗くなり、お楽しみの夕食になった
「お待たせしました」
「わぁ!!美味しそう」
運ばれてきた料理は山菜を使った創作料理。確かにこれは美味しそうだ
「いただきまーす」
パクパクモグモグ…
「それにしても、謙人が違う女の子を連れてくるなんて…」
「は?」
いきなり叔母さんがそんな事を言い出した
「昔はアカネちゃんと一緒に来てたのにね」
「叔母さん。ちょ…」
「謙人ったら、昔はアカネちゃんにベタベタだったんだから」
「え?」
「今日はアカネちゃんは来てないの?」
「ちょっと待ってくれよ。何の話だよ?」
「え?あんた中学の時にアカネちゃんと付き合ってたって言ってたじゃない」
「え?俺が?女の子と?」
「あれ?アカネちゃんと付き合ってたんじゃないの?」
「いや…そもそもアカネって誰?」
謙人君は本当に分からない顔している。
そして叔母さんも困惑した顔を浮かべた
「謙人。女の子の前で恥ずかしいのは分かるけど、嘘をついちゃダメよ」
「嘘はついてないって。俺にアカネなんて友達なんかいないよ」
「え…でも、付き合ってたって…」
「俺は女の子に興味ないし、女の子と付き合った記憶はない。叔母さんの記憶違いじゃね?」
「え………どういうこと?」
……………どういうことだろう?何か互いに正しい事言ってるのに意見が合わない…
そしてこの微妙な違和感のまま、話はうやむやに終わった。




