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ダンジョンルーラー!  作者: 妄想青年
6/6

侵略

「じゃあマスター武器と防具頂戴」


リルとまったりDPが溜まるのを待っているといきなりそう言われた。


「確かにリルには最高の装備を渡しといたほうがいいな」


リルはネームドモンスターで俺のダンジョンにおける最高戦力である。それが装備も何もつけないのはまずい。


と言うわけで、現状作れる最高の装備をリルに渡す。少しずつ回復していたDPは空になったが………


「行ってくる!」


装備を渡すといきなりそう言ってダンジョンから出ていこうとする。


「ちょっと待て!?」


どこに行くつもりだ?


「マスター、戦いは既に始まっている」


何を言い出すんだこの子は??戦いは始まっている?


「マスターはこの三日間を準備期間だと思っているけどそれは違う。確かに人類が攻めてくるのは3日後だけど、他の支配者を攻撃してはいけないなんてルールはない」


言われた気づく、そういえば他の支配者とも敵対関係であるならばそれもありなのか………


「多分他の支配者も気づいた人は行動してる」


「なるほど………わかった。ただリル一人で行くのは無しだ。せめてオーガは連れて行ってくれ」


流石にこの仕様に気づいた他の支配者が、俺を攻めた時の防衛としてカーバンクルは行かせられないが、オーガでも何体かいればましにはなるだろう。


「わかった!」


今いるオーガ5体にリルの護衛を頼む。


「じゃあ改めて、行ってくる!」


そう言うとダンジョンから出ていく。


少し心配ではあるがリルならやってくれるだろう。


なんて他人ごとに考えて居たがどうやらダンジョンの外に出た配下の視点は俺にも共有されるらしい、おまけに意思疎通もできる。


オーガやリルに周囲を見渡してもらい外の状況を把握する。


「あれはダンジョンか?」


リルの視界に一瞬映った塔らしき建造物。距離は3キロ以上離れている。


と言うか異質な建物があちらこちらに見える。果たして何人が支配者になったのだろうか?この規模なら多分3万人くらいは支配者になっていてもおかしくない。


とりあえず一番最初に目に映った塔に向かってもらう。


ステータスが高いというのはすごいな。リルの視点を見ると自動車より遥かに速い速度で走っている。


「マスター着いた」


「よし、罠に注意しながら進んでくれ」


リルの視界に映るダンジョンは、まだ改装中なのか所々壁がなかったり天井に穴が開いていたりする。


「ん、モンスター!」


オークやオーガが主体のダンジョンらしい、数を数えてみるとかなりの数がいることから現在手に入るDPのほぼ全てをオーガやオークの費やしているものだと思われる。


「行く!」


リルが大剣を片手で振り回しオーガに襲いかかる。


ぶんっと振るわれる度にオーガやオークが真っ二つに割れる。


「ゔっ、中々に刺激が強いな」


殺し合いなんて、現代日本にいたらまず見ることのない景色を見て少し吐き気を催す。


「マスター大丈夫?」


「大丈夫だ」


リルが心配そうに声を掛けて来る。でも多分今この状況にじゃないだろうな。リルが心配しているのは同じ人間を殺す瞬間を見れるか?と言う事だろう。


「分かった」


あらかたオーガやオークを倒し終わったのでリルにダンジョンの奥に進むように頼む。


道中矢が降って来たり、落とし穴があったりといくつか罠があったが大した脅威ではなくあっさり突破する。


そうして到達したダンジョンコアがある部屋の前には通常のオーガより一回り大きなオーガがいた。おまけに装備も現状作れる最高装備を付けている。まず間違いなくここの支配者のネームドモンスターだろう。


「なんなんだ!お前たちは!!」


高校生らしき男が怒り狂いながらオーガの後ろに立っている。


「私はマスターであるユズルの配下のリル!お前にはマスターの成長の糧になってもらう」


「ふざけるな!!行け!オーガ!!」


ネームドモンスターと言うこともあり通常のオーガよりも早い速度で迫ってくる。


敵のオーガはリルを無視し、護衛のオーガに切りかかってくる。護衛のオーガはガードをしていたがぶっ飛ばされ壁に叩きつけられる。


流石にリルじゃあるまいし、一撃で殺されるということは無いようだ。


「がら空き!」


後ろからリルが切りかかる。


しかし敵のオーガが剣で受け止める。流石ネームドモンスター一筋縄ではいかないらしい。


「どこを見ている!!」


相手の支配者も剣を持って護衛のオーガに襲いかかってくる。


そこそこの速さで尚且つオーガに傷をつけたことから、相手のステータスは力と素早さに振っていることが分かる。


「オーガは相手の支配者の動きを封じてくれ、リルは相手のネームドの相手だ!」


指示通りオーガ達は囲むようにして相手の支配者を追い詰める。


リルは当たり前のようにステータスの暴力で相手のオーガを攻撃し続けている。相手のオーガは防御するしかなく、その防御も徐々に崩れている。


「ふん!」


リルの渾身の攻撃が相手のオーガの脇腹に突き刺さる。


一応息はあるみたいだが、どうやら動けないらしく相手のネームドモンスターは戦闘不能である。


「じゃあリル頼んだ………」


オーガに囲まれ身動きが取れない相手の支配者にリルがゆっくりと近づく


「や、やめろ!俺はまだこんなところで終わりたくない!!やめろ!!」


無様な命乞いをしている相手にリルが剣を振り下ろす。


《レベルが上がりました》


この音声が改めて俺に同じ人間だった支配者を殺したことを実感させるのだった。






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