第20話 初夜とはなんぞやbyお嬢様
「あー、表情筋がつりそう!顔ってマッサージできるの?サラ?」
「できると思いますが、今は化粧をしていますし無理がありますね」
「そんなぁ~」
「慣れればこのくらい平気だぞ?披露宴でも表情筋に活躍してもらわないとな」
「まだあるの~?」
王子妃教育や王妃教育では音をあげなかったお嬢様ですが、この仕事は辛いようで……。
マーク様曰く、慣れれば平気らしいですね。お嬢様はどちらかというと、表情をあまり出さないで生活をしてきたのでこのように表情筋を使うのは疲れるようです。
披露宴には騎士団のメンバーもそうですが、壁際に立っているのは護衛騎士でお嬢様と共に生活をなさった方々です。
学園ではあまり人脈が広く持てなかったようですが、騎士としての交流はそれなりにあったようです。
「まさかあのピエトロがステフ嬢だとは思わないよな。ただの美形双子だと思ってたらこれだよ~。とにかく、おめでとう!」
お嬢様は飾らないこういう挨拶の方が好ましいようで、高位貴族の腹の探り合いのような挨拶は好きじゃないようです。どちらかというと、その場で切り捨てたいような…。
「お嬢様、分っておりますか?このあとはマーク様との初夜ですよ?」
途端にお嬢様が赤面しました。全く分かっていなかったようです。
「初夜ってアレよね?一つのベッドで二人の男女が……」
「まぁそうですね。お励みあそばせ。今日から3日3晩はお二人の部屋には立ち入り禁止ですので。オホホ」
お嬢様が初夜のなんたるかを分かっていなかったことに気づいたのはずいぶん後のことでした。
~ステフ視点
一つのベッドで二人の男女が何するんだろう?
なんか侍女たちは生温かいように微笑んでくるし、3日3晩もマークと2人っきりなの?暇じゃない?
チェスでもして過ごそうかしら、ベッドでチェスなんかしたら不安定よね。初夜って謎だわ。
侍女達は微笑んでこんなスケスケの夜着を着せてきたし、どういう事だろう?
~マーク視点
恐らくなんだが、恐らく…なんだが!ステフが初夜の事を理解していないように思うのは気のせいだろうか?
先ほどサラに表情筋のマッサージの話をしていたあたりから気になっていた。
この場合、俺はどうすればいいのだろうか?
変にガッついてはいけない気がする。組み伏せたが最後、普通の婦女子の反応とは違うだろう。おそらく、組手の鍛錬に早変わりするのではないだろうか?
今更、「この後にどうしますよ~」とか宣言するのもなんだかなぁ。しかし、言わないと先に進めないのではないだろうか?悩ましい問題だ。
ステフちゃんも難儀な子に育ったもんだね~。マークも大変だよ…。




