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【第33話】閉会式




「これより! 閉会式及び、2つ名の授与を行う!

 当事者である者達は前へ!」



 モネさんはこういう口調だと、ちゃんと隊長感がある。


 僕とルーナ、対戦相手だったレヴィアさんは辛うじて無事だった舞台の1部に横に並ぶ。

 ロイドがいないという事は、まだ意識が戻っていないのだろうか?



「まず、決闘の勝者はナツメ、ルーナの図書館組である事をここに宣言する!

 異議がある者は挙手を!」



 その問い掛けに手を挙げる者は1人もいなかった

 でも、ロイドがいたら意気揚々と挙手しそうだな……



「よし、誰もいないな!

 決闘にて見事勝利を果たした2人に盛大な拍手を!」



 僕達に割れんばかりの拍手が贈られる。

 ルーナはともかく、僕はほとんど何も出来てないから何て言うか、少しむず痒い。



「なんか、恥ずかしいね?

 わたし暴れてただけらしいし……」


「だね。でも、僕に至っては何もしてないからね?

 まぁ、今だけは素直に喜んでよっか」



 拍手が落ち着くと、モネさんが話を続ける。



「……と、言うわけでルーナ騎士候補生はこれより、図書館の陣営に名を連ねる事になる

 騎士候補生ではなくなるが、これからも努力を積み重ね、高みを目指して欲しい」


「はい! 向こうでも頑張ります!」


「うんうん、頑張ってね!」



 さっきまで隊長の顔してたのに、急に素が出たな。

 でも、その方がモネさんっぽい。

 モネさんも自分が素に戻っている事に気付き、咳払いをして誤魔化す。



「では、ここからは2つ名の授与を行う!

 今回の決闘にて、皆が見た通り目覚しい活躍を見せたルーナ騎士候補生に2つ名を贈る事となった。

 是非、この栄誉を受け取って欲しい」


「は、ひゃい!!」



 緊張からか、盛大に声が裏返る。

 ルーナは姿勢を正し、自分が貰う2つ名に期待を膨らませ、瞳をキラキラと輝かせている。



「ルーナ候補生には『怒槌(イカヅチ)』の2つ名を贈る!

 その名に恥じぬ活躍を期待したい!」


「はい!!」



 かなり嬉しかったのだろう、ルーナは僕の服の裾をちょいちょいと引っ張り、満面の笑顔で話しかけてくる。



「ナツメ君! 『(イカヅチ)』だって!

 ね、ね! かっこいいよね?」


「うん、良かったね!」



 実は怒れる槌で『怒槌』であるという事は伏せておいた方がいいかな。

 だって、こんなに満面の笑顔なんだもの……

 今は精一杯喜ばせてあげよう。


 ひとまずこれで閉会式も終わって、ようやく一段落と言った所かな。



「では、聖天騎士隊からはここまでとする。

 ここからは図書館に引き継ぐ!

 オラシア様、後はお願いします」


「はぁい、任されました!」



 呼ばれて舞い出るは神界の女神であるオラシアさん。

 ようやく出番が廻って来たと言わんばかりに、ウキウキとした足取りで舞台に上がって来る。



「では! 神界及び、図書館メンバーを代表して、わたしからはこれを贈っちゃいます!」



 そう言ってルーナが手渡されたのは小さな箱だ。

 僕も見覚えのある箱。

 図書館の一員である証が入った箱。

 そう、僕が胸元に付けているバッジが入った箱だ。



「ありがとうございます!」


「ほら、開けて見てルーナちゃん!」


「は、はい。

 ……わぁ! 綺麗……

 ほら、見てナツメ君!」



 ルーナは箱から取り出したバッジを誇らしげに僕に見せつけてくる。

 バッジの絵柄は……本と翼?

 確かメイレールさんの絵柄と一緒だった気が……



「恐らくナツメさんが思っている通りですよ」


「うわぁ!?」



 いつの間にか背後に立っていたメイレールさんに耳元で囁かれ、心臓が飛び出るかと思った。


 そりゃ、オラシアさんが居るならメイレールさんもいるよな、実質あの女神様の手綱を握っている人だし。


 で、メイレールさんの発言通りだと……



「もしかして、リオ爺の?」


「はい。ほんの少し、昔の話になりますが……

 今はルーナさんを構ってあげてください、ほら」



 メイレールさんが示した指の先を見やると、少し頬をむくれさせたルーナが……



「わわっ! ごめんルーナ!

 メイレールさんと絵柄が一緒だったからつい!」


「え、そうなの?

 じゃあメイレールさんも……」


「はい。私は長年、リオテークと共闘していました。

 今ではほとんど駄女神のお守りですがね。


 それはさておき、そのバッジを受け取ったという事は、ルーナさんは図書館の人員の1人と言う事です。

 今更ではありますが、ようこそ神域の図書館へ。

 私達は貴女を心から歓迎します」


「あ、あの、よろしくです!」



 メイレールさんのお手本の様な綺麗なお辞儀にルーナはタジタジだ。

 そんな微笑ましい光景に対して、迫力こそ無いが頬を膨らまして怒り心頭の女神様が……



「むぅ! メルちゃん、なんで先に言っちゃうの!?

 それはわたしの台詞だったはずなのにぃ!」


「あ、すいません、つい。

 昨晩、オラシア様が何回も練習してたので頭にこびり付いていたんですよね。

 これはアレです。てへぺろ案件です」


「うぅ……見られてましたぁ……

 それと、てへぺろするならもっと可愛く!

 もぅ…久しぶりの見せ場だったのに……」



 赤面したり、怒ったり、落ち込んだりと忙しい人だ。

 図書館陣営、最後まで締まらないなぁ……






 色々とあったが無事に決闘も終わり、図書館に戻った僕とルーナはようやくお弁当に有り付けた。

 今日食べたお弁当は不思議な事に、いつも食べている料理より格段に美味しく感じた。


 リオ爺から明日は休みと言われたし、今晩は何も考えずに眠ろう。


 しかし、翌日に真実を知ってしまったルーナに叩き起される事になるとは思っていなかった……




作者からお願いなのです!


「面白い」「続きが気になる」と思っていただけた方は広告の下の評価★★★★★や、ブックマーク、感想やアドバイス等をくださると嬉しいです!


どうかよろしくお願いします。


これからも読者の皆様の応援に応えられるように、一所懸命頑張ります!


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― 新着の感想 ―
[良い点] やはりルーナは神域図書館に。頼もしい仲間が入りましたね! 「雷」じゃなくて「怒槌」だと気づくのはいつになるのやら。そっちの方も密かに楽しみです。 [一言] ナツメ君が無双しないところも好き…
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