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王都編 第11説

互いの力の証明も終わり紅竜王とガロンは転移で戻ってくる。

そして周囲を見渡し2人の姿を探そうと思ったが2人はすぐに見つかった。手に持っていたバケットには花が溢れんばかりに入れられている。


「少し採りすぎたかもしれん」


とシャルノは口に出すがこの蜜を使ったお菓子を想像したのか笑顔だった。同じくアリーシャの顔を見るとやはり笑顔でごめんなさい。と言って来た


「紅竜王、摘み過ぎただろうから大地に返したいのだが」


俺の提言に2人はこの世の終わりのような顔をしていたが無視しよう。何事も分別はつけないといけない。


「しばらくシテあげないからあと、膝枕も」


そんな声が聞こえてきて今度はガロンがこの世の終わりのような顔をして2人を見つめる。が、2人はぷいっと顔を逸らして反抗する。

そんな光景を紅竜王は眺めつつ


「この程度なら問題などありはせぬよ。どうせこの後、この山の龍脈と地脈を調整したら我も主様達と合流するのだ。何も問題はいらぬ」


それを聞き2人は満面の笑みを浮かべ、その横で俺は胸を撫で下ろす。


「「アナタは一週間はお預けよ(だ)」」


ジーザス!

打ちひしがれてる俺を横目に紅竜王は苦笑をしながらこれからの予定について聞いてくる


「とりあえず下山して王都から貸して頂いた馬車を使うことにしようと思います。ただ、召喚された勇者のこともあるので馬車を回収したら馬車ごと転移するつもりです」


「ふむ。ではこちらも調整を急ぐか。主達は先に降りてくだされ。主の匂いは覚えましたのですぐに追いつきますゆえ」


そう言って紅竜王は魔力を集中させ始める。それにしても匂いって・・・まぁいいかと思い直し

俺たちは邪魔をするわけにも行かないために下山することに決めた。ゆっくり飛んで戻っていればすぐに来るだろう。そしてそれから体感にして3時間ほどだろうか、後ろから大きな竜が飛んでくるのが分かった。もちろん紅竜王だ。


『お待たせした。して主よ、山の入り口まで我に乗って行くか?』


どうするかとアリーシャとシャルノに目を向けるとそれぞれ、恐れ多いようなでも乗りたいようなといった感じの顔をしている。

そんな微妙な空気になっていると紅竜王から


『我ら竜族にとって背に乗せるというのは忠誠の証でもあり自らが認めた主を乗せるのは最高の誉れでもあるのだ』


その言葉にガロンは断れることもなくそのままガロン、アリーシャ、シャルノの3人は紅竜王の背に乗り一同は山の入り口付近まで近づく。

そして紅竜王は人型へとなり、待機させていた馬車を回収し、商業ギルドの人にお世話になったことを告げその足で4人は王都へと一路邁進するのであった。




※ここから視点と時系列が少し変わります


▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△


「はぁ~・・・今日も学校なんだよね・・・」


溜息を吐きながらもベッドから這い出てくる少年。

彼の名前は下山恋(しもやま れん)高校2年生である。容姿は童顔で華奢な身体付き。髪は黒髪のセミロングで一見すると名前のこともあり女性に見間違えられることも多い人生である。

性格も積極的ではないのも拍車が掛かっており彼の通う学校の一部ではファンクラブが密かに立ち上げられているほどだ。

憂う気持ちを抑えながらお気に入りの猫パジャマと猫スリッパを履いて立ち上がる。そしてチラリと時計を見ると午前6時を時計は指している。現在、彼は寮暮らしではあるがすべて自活しておりそのため朝はなるべく早く起きて朝食と弁当を作らないといけない。

彼の両親は既に他界してしまっており本来なら親戚などの血縁者の下で暮らすべきではあるのだが親戚とは折り合いが悪く。また、彼の学校から親戚の住んでる場所は遠くとても通えないと言うことで親戚は保護者代理となってもらい彼は学校が運営する寮に入寮することになった。

ちなみにこの寮は自立自活をモットーにしているため基本的には手狭ながらも1人1室が与えられており、そこで、生活することになっている。もちろん希望があれば1階の受付にある朝食用紙に記入し前日の夜までに出していれば翌日は朝食が用意されていたりする。そのため前日の夜は入寮者が列を作るのももはや風物詩である。

話を戻そう。


「んー・・・今日は、何作ろうかなぁ~」


保存されている食料を眺めつつ彼は朝食と弁当の献立を考える。昨日の残りモノが少しあるためそれは朝食に回し、その他に何か一品作る予定ではあるがその一品が中々に決まらない。

そして弁当に入れるモノも決めないといけない。そう思うものの中々いいアイデアが浮かばないで数分冷蔵庫の冷気を浴びてたためか


「へくちっ!」


どうやら体が冷えてしまったようでくしゃみをしてしまう。このままでは風邪を引いてしまうために早めに頭の中にあるレシピをチョイスしていく

だが、一度冷えた体のせいでこれまた中々纏まらない。


「あーもー!今日は野菜炒めにする!」


彼はそう決めて寒い寒いと言いながら浴場に入っていく。

数十分後シャワーで温まった体としっとりとした艶めかしい髪をタオルで巻きつけて寝室に吊るしてあった制服に袖を通す。そしてリビングに戻り鏡とドライヤーで自分の髪を乾かしていく。途中で口に咥えていたゴムで後ろ髪を結わえる。

その手つきは慣れたものでその様はまるでOLが朝の支度をしているかのように堂に入っていた。朝の支度が終わり朝食と弁当をテキパキと終えていきモノの20分程度で完成する。

チラリと時計を見ると7時を少し回った程度である。彼の住んでいる寮からは歩いても5分以内につくため始業のチャイムまではまだまだ余裕があった。


「ではーいただきまーす」


手を合わせ一人朝食を済ませていく。1人で食べるのは慣れたとは言えやはり、行儀が些か悪いが、寂しいものは寂しいのだろう。彼は、無意識にテレビの電源を付けテレビ番組を流しながら食事をする。

テレビからは何気ない日常のニュースや世界の情勢なんかを読み上げている。食事は終わり食器を洗っていると彼のお気に入りのコーナーが始まった。

「世界のワンニャンの日常」と名打たれたコーナーに変わりそこには飼い主とペットの投稿された動画が映っている。今日は猫の日のようで彼は食い入る様に眺めている。

時々、「いいなぁ」や「はぁ~可愛いなぁ」とウットリしながら癒されている。そしてその番組も終わった頃にトリップしていた世界から戻り、いそいそと残りの作業を終え玄関まで行く。


「じゃー行ってきます」


誰に言うわけでも返事が返ってくるわけでもないがこれは彼の習慣である。

そして綺麗に並べられた靴を履き玄関を閉めて彼は登校する。いつもと何も変わらない日常。

彼は腕にしている時計に目を配る。時間は7時50分これならば全然に間に合うと思い急ぎ足で向かっていた速度を少し緩める。息が少し切れているため整えるために空を見上げるとあの蝉の合唱もなくなり秋空が広がっている。僅かだが傍に咲いている葉もこれからの紅葉の到来を告げるように色が少し変わっている。

そんな季節を変わり目を身体で感じながら進んで行くと少し大きめな門が見え始める。そこに漫ろではあるものの何人かの生徒たちが中へと入っていく様が見える。

少しゆっくりしすぎたかと考え彼は早足で門へと近づいていく。校門の前には生活指導の先生が立っており校舎に備え付けられている時計と生徒たちを交互に見ている。


「後5分だぞー!まだの生徒は走れー」


彼が丁度校門をくぐると同時に張り上げられる声。それを聞いて何人かのまだ入ってきていない生徒は走って校門に向かってくる。このまま、ここに立っているとぶつかりそうだったために彼はそのまま昇降口に入り自分の下駄箱へ向かい靴を入れる。

そして代わりに学校用のシューズへと履き替える。クラスまではまだ少し距離があるため階段を駆け足で登っていく。そしてクラスルームの扉が目の前にくる所まできた。しかし、彼は一向に入ろうとする気配がない。

が、そんなことをしていても時間が刻一刻と過ぎていくだけなため小さく息を吐き意を決して扉を開ける。

と同時に彼は入らずにそのまま横に身体を動かす。事情を知らぬ者が見たならば理解できないだろう彼の動きではあるがその理由はこれから訪れることを見たならば理解できるであろう。

だが、彼は横にずれたは良いが何も起こらないことを不思議に思う。扉越しに隠れていると思ったのか覗いてみても居らずクラスを見渡しても見当たらない。遅刻なのかと思い安堵する。いや、級友が遅刻なのだから心配をするべきだろうが心配半分安堵半分といったところだ。

だが、その安堵も後悔に変わる。その油断を待っていたかのように後ろから1人の人物がやってきて後ろから抱き着いてくる。


「はぁ~~~~おはよう恋ちゃああああん。1日ぶりで私寂しかったよぉ~~~」

「やぁぁぁ!んっ・・・んぅ。おは、おはよう・・・大聖寺さ・・・や・・・やぁ・・・・」


彼は後ろから少女に抱きしめられ在ろうことか公衆の面前で艶かしい声をあげてしまう。

それが自分でも恥ずかしかったのか今度は自分の指を噛むが、吐息だけが漏れる。結果として頬を赤らめ目元には少し涙が溜まりはぁはぁと声を細かく刻むという状況が出来上がった。

そんなピンクな空間に当てられた男子は全員が前かがみになり女子は頬を真っ赤に染めていたり抱きしめている女子にリクエストを投げたりとカオスな空間が出来上がっていた。

そして時間にして3分くらいだろうか堪能した少女は彼を離した。


「改めておはよう恋ちゃん!今日も可愛いよ。」


「・・・・おはよう。大聖寺さん。いい加減やめてよぉ・・それに僕は男なんだからちゃんはやだよぉ」


大聖寺を呼ばれた少女は栗色のショートヘアーを左右に振りながら「それは出来ない相談だなぁ。だって楽しみがなくなっちゃうじゃん!」とどこぞのスケベ親父よろしくガッハッハと笑いながら笑顔で断る。

困ったものだと彼は思うが彼自身も本気で嫌がっているわけではない。こうしてクラスメイトと過ごせる日常がある。朝に感じた少しの寂しさもこの時ばかりは忘れられる時間なのである。

そうこうしている間に予鈴が鳴り響く。時計を見ると8時10分を指しており、もうすぐ担任がやってくるだろう。

席を離れ談笑していたクラスメイト達も決められた席へと戻り騒がしかったクラス内も今は鳴りを潜めている。それから程なくして扉が開かれ担任の男が入室してくる。


「お前らーちゃんと席についてるかー?着いてるなー?よーし」


碌に確認もせずに矢継ぎ早にクラスメイトが全員出席扱いになってしまう。もし誰かが遅刻でもしていたらどうするのだろうと初めてこの男が担任になった時には思ったものだが今では特に何も思わなくなっていた。

往来にして環境に慣れるのは動物だけではないのだ。そして今日もなんともない平和は1日が続くとこの時、彼は思っていた。

が、突如にして彼と担任とクラスメイトは謎の浮遊感に襲われる。そして、この日彼を含むクラスの人間が忽然と世界から消える事件が起こることを彼は知らない。

そして彼と担任とクラスメイトは日常とは常軌を逸した世界へと身を投じることになる。


★☆★


謎の浮遊感に襲われたあと、気が付くと目の前には大きな祭壇があった。

何かの冗談かとも思ったり夢でも見ているのかと疑いたくなるがそんな思考も出来ないくらいに彼、そして周りのクラスメイトたちはパニックに陥っていた。

周りからそれぞれ「なんだこれ・・・」「どこだよここ!?」「嘘!?携帯繋がんない!」と口にしている。

当然、彼も現状で何が起こったのかなんて皆目検討もつかないでいる。そんな時に


「なぁこれって異世界召喚ってやつじゃね?」


その言葉に皆が一斉に静まりその発言をした男へと視線が向けられる。男は一斉に見られたのに気が付き動揺する。


「な、なんだよ」


男はしどろもどろになりながらも今の状況が自分のよく読んでいるライトノベルやWeb小説に酷似していると答えた。普段なら何を馬鹿なと切り捨てることかも知れないが現実問題として自分たちが今まで学校に居たことや目の前には見たこともない祭壇や像があることが腑に落ちないため否定できないでいる。

当然、彼も暇な時や家ではライトノベルを読んでいるためこんな展開もあったと今更ながらに思い至った。続け様に男は「ここは王城だとしたら召喚された俺たちはチート持ちかもしれない!ステータスオープン!」と興奮したまま大声で喋っている。

そんな男に触発されたのか周りの男の友人であろう何人かと同じ考えに至っていたであろう数名の女生徒や男子生徒がステータスと呟いている。

状況だけを見たならばなんとカオスなことだろうか。だが、現状で何も情報がないのだから男の言うとおりである可能性が尤も高いのも確かである。チラリと担任を見ると呆然としながら監督責任がなど緊急手当てなどとうわ言のように呟いている。

そしてそんなことは知らぬとばかりに男はヒートアップしていき


「くそっ!何だよ!ステータスって言っても何も出てこないじゃないか!えーと・・・もしかして鑑定スキルが足りないのか!?そうだ魔法!ファイアー!」


男が叫んだ瞬間後方で閉じられていた扉が勢い良く開いた。突然開かれた扉の方へ視線を向けるとそこには中世の甲冑のようなものを着込んだ複数人とその後ろにチラリと見える神官のような人物が複数人が居た。

叫んだ男も扉の方へ視線を向ける。ちなみにファイアーと叫んだ男の魔法は不発に終わっている。これは城内にアンチマジックが張られているためである。もし平原でこの男が魔法を発現していたらクラスメイトの何人かは焼却されてしまっていた。

呆然とクラスメイトたちが騎士や神官を見ているとその騎士たちの後ろから聞こえてくる声がする


「この者たちが、神言によって遣わされた者たちか・・・」


そこには、煌びやかなマントをし嫌味にならない装飾を身につけ威厳と存在感で他者を圧倒させる男の姿があり、その後ろには若輩ながらも威厳がある顔立ちの者や顔の整った美女などが揃っていた。

クラスメイトたちはそれを見てある者は感嘆の息を漏らし、ある者はイケメンだのすっげー美人と呟き、ある者はあの美女は俺のチートハーレムの一員だなどと妄言を吐いていたりしている。

当然、彼もその者達を見ながら感嘆の息を漏らし綺麗と言っている組みの一人だった。

そんなことを他所に王は召喚された者たち一同を見つめた後に


「召喚された勇者様たちよ。遠路遥々おいで下さいまして感謝致します。」


そう言って王は自ら感謝を述べる。それを聞いて先ほどまで騒いでいた男がやっぱり!と言っていたがこの場では無視された。


「勇者様方は今この状況で混乱されていますでしょう。本日と明日はお休みして頂いて構いませんので、詳しい話はまた明後日の晩餐の時にでもお話しましょう。部屋は男性二部屋、女性二部屋の客間に分かれてご用意させて頂きます。食事などはお口に合うか判りませんがご用意させて頂きますのでお食事をしたい場合は部屋の外で待機させます警備の騎士にお伝え下さい。あと明後日までは申し訳ありませんが行動される場合は騎士の者かメイドか執事をお連れ下さい。でわ」


そういい残し騎士と神官を残して来た道を帰っていく。そしてそれと入れ替わるように一見するだけでも判るくらいに鍛えられた騎士が現れる。


「私の名前はライルド・ハワードと申します。この王都では第一騎士団長を務めております。それでは、国王陛下よりご用意されました客間へとご案内させて頂きます。最後尾と横に我が騎士団が付きます。些か肩身が狭いかも知れませんがご容赦頂きたい。」


騎士団長と名乗る人を先導に担任が続きその後ろを順々に着いていく形になった。そして通された客間は見事な調度品が並べられており旅館で言う所の大部屋ような場所だった。

ちなみにこの時、彼こと下山恋は女性と間違えられ女性部屋へと連れて行かれそうになったが、男であることを告げると驚かれたことで異世界でもやっぱ女性に見えるんだともはや悟りの境地に至りそうだったことは言うまでもない。


・

・

・


「さて、これからどうするか」


客間に通されてから、そう切り出したのはクラスの男子委員長の乾だった。顔も整っていてメガネだ。インテリメガネイケメンである。

彼を皮切りに明後日までの行動について話し合う。明後日まではここで過ごすことになるだろうということでこの世界の情勢を知りたいと言う最初にチートだ異世界だと騒いでいたグループ。彼らは国王と呼ばれた人の「勇者」という言葉にも過剰に反応していたことから自分たちに能力があることを疑っていないようだ。

それとは反対に明後日には色々聞けるということで大人しくここで待機でいいじゃないかと言う反対意見も出る。担任はこの部屋には居らずもう一つの男子の客間のようで話は一向に纏まりそうになかった。

結局は、自分たちだけで決めても仕方ないということで4つの客間に分けられたクラスメイト全員の意見を改めて聞くという所でその日は落ち着いた。

余談ではあるが、この日大部屋で毛布を敷き雑魚寝することになった恋は寝言で自分が猫パジャマ着ていることを暴露してそれを聞いていた他の男子生徒数名を萌えさせていたことを彼は知らない。


そして次の日、眠気眼で起きた彼はふぁぁと軽く背伸びをして目覚まし時計を探すが見当たらず一定間隔で毛布が敷かれそこで寝ている生徒たちを見てあぁ、異世界だったと思い出した。

それから数分して意識も覚醒した彼は扉の前に近づいて騎士に用を足したいことと身体を洗う場所がないかと話かける。

少しして1人の執事に連れられ用を足し客人たちが使う浴場へと案内された。


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※王城では、王族が使う浴場。客人が使う浴場。使用人たちが使う浴場と分かれている。

城下の人たちも家に程度の差はあるが浴場がある。ない場合でも大浴場があるか宿で銅貨数枚を払えば利用できる。

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しかしこの時、彼は気が付くべきだった。いや、浴場に騎士がいる時点で分かっていたのだから注意すべきだったのだ。

客間でクラスメイトたちと一緒に泊まっていたことを

服を脱ぎ、まるで高級ホテルで使われるような羽毛のタオルで軽く身体を隠し鼻歌交じりに浴場へ入る。そこで

見てしまったのだ

・

・

クラスのインテリメガネのイケメン乾君と将来はボディービルを目指す加藤君を筆頭に運動部の数名が互いにサイドチェストやらダブルバイセプスを一糸纏わぬ姿でポージングしているところを


「・・・はぅ」


刺激が強すぎたのか、はたまた、異様な光景に恐れ戦いたのか彼はダッシュで来た道を引き返す。去り際にごめんなさぁいと涙目になりながら走っていくのであった。

それからいそいそ服を着て傍で待機していた騎士に涙目で


「彼らが出たら執事さんに教えて下さい。あと、また後で来ますので誰か入っていたら教えてください」


とお願いするのだった。涙目で。

出ると執事さんが待っていたのでそこへ戻り今、使用中だったからあとでまた入ることを伝えて執事さんと客間に戻る。

戻っている最中に彼はうわ言のように筋肉いっぱい筋肉祭りとか謎の言葉を発しているのを執事は聞いていた。


それから10分後。爽やかな笑顔で戻ってきた乾を恋は涙目になりながら威嚇していた。なぜ自分が威嚇されないといけないのか皆目見当も付かない乾は困惑するしかなかった。

だが、そんな威嚇も風呂から出てきたら何処へやら。上機嫌な恋であった。そんな風呂上りの恋の姿が艶っぽくなっており昨日よりも盛大に前かがみになる男子生徒たちがいた。

そんな彼らはこの日4グループに分かれていたクラスメイトと担任を交えて今日は大人しくしていようと言うことに落ち着いた。不満を持つ生徒も少なからずいたが明日までの辛抱だと説得され渋々と言った感じに了承した。


そしてその次の日。

彼らは謁見の間に通されそこで、彼らのこれからが決まることになろうとは露にも思っていなかった


王都編 第11説「勇者召喚」

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