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8話

8話 激闘の空

1991年2月1日

ペルシャ湾上空

空自戦闘機隊

俺、周義男空自中尉は第301飛行隊のある中隊の4番機としてある空域で愛機F-15DJの機上にあった。

何をしているかと言えば空中警戒任務(CAP)に就いておりイラク空軍の警戒をしていた。

それにしても何て空が蒼いんだ…………俺がそう思いつつ操縦桿を握っていると突如、友軍AWACSから『クラウド1より…………各国軍戦闘機部隊。本機レーダーが12、目標機種MiG-29及びMig-27!』と報告が入る。

すぐに隊長の『スカイソード1了解!』そう総隊長の川見信也少佐が言うと彼の機と彼の小隊僚機から3基の増槽(ドロップタンク)が投下され、俺と俺の2番機原少尉や3番機本瀬少尉の機からも切り離され、6羽のF-15J(鋼鉄の鷲)は1基で10tにも及ぶ比類なき推進力とあらゆる戦局に対応出来る強力な空戦機動力を生み出す2基のF-110エンジン(鋼鉄の鷲の心臓)によって一気に加速していく。

バレット(水戸原中尉)レーダー(AN/APG-63J)のご機嫌はどうだ?」俺がそう聞くと水戸原は「バレット(水戸原少尉)よりブロック(周中尉)非常にご機嫌(準備は万端)です!いつでも撃てますよ!」と伝えてきた。

第1小隊《川見小隊》は単座機(F-15J(CJ))に対して俺ら第2小隊(周小隊)複座機(F-15DJ)と言う違いがあるとは言え、任務に違いはない。そう敵からの制空権奪取とそれに伴う敵の戦意の喪失させることにある。

さて話を戻すとしよう。6機のF-15は空戦態勢に入ると照準装置(HUD)とレーダーが連動してMiG戦闘機の予想空域を示し、半自動(セミ・アクティブ)誘導(ホーミング)形式のAIM-7F(スパロー)空対空ミサイルの発射準備が整う。

しばらくすると無線から『ソード1………フォックス1!』と隊長が叫んだら俺も『ソード4………フォックス1!』と叫びミサイル発射ボタンを押す。

するとスパローミサイルが機体から切り離される。無論、他の機からの目標へ向けミサイルが放たれているので物凄い数のミサイルとその噴射雲が尾を引いて敵へと向かっていく。

敵もこちらの攻撃に気が付いたのか回避行動へ移ろうとしていた。格闘戦にでも持ち込もうとしているのだろう。しかし他の機が放ったスパローミサイルが最初に3機のMiG-27と1機のMiG-29を撃墜、すぐに俺の機が放ったスパローミサイルが別のMiG-29を仕留め、あっという間に敵に大打撃を与えたが、敵もこちらへミサイルを放つ。

無論、こちらもすぐにミサイル警報が鳴り響き、散会(ブレイク)する。しばらくすると警報は鳴り止み、再び合流する。

流石ベトナムで痛い目に会ったの教訓を活かしただけあるな。

俺はそう感心しつつも操縦桿を強く握り締め、次の機動に備える。無論、チャフ・フレア発射機(攻撃攪乱装置)は万一に備えて自動(オート)発射モードにセットしてある。


3分後

『距離10㌔、格闘戦モードに切り換えろ!』と隊長が指示するとこの前納入されたばかりのAAM-3(90式空対空誘導弾)もしくはAIM-9(サイドワインダー)の照準を整えると一斉に散会(ブレイク)して格闘戦に備える。


空戦に備えて俺は機体を急激に旋回させるその時にかかる負荷である7Gもの強烈なGに俺と水戸原は耐えつつ周囲を睨む。

そして…………「バレットよりブロック!敵さんは9時の方角の下方にいます!」と水戸原が言うと俺は「わかった!よし、一気にいくぞ!」と言うと水戸原は「了解!」と続く。

そして敵機と間合いを詰めると俺は「ソード4……………フォックス2」と言うと次の瞬間、両翼下の連装パイロンの内、1つに備わるサイドワインダーミサイルが目標へ飛翔する。

だが目標(MiG-29)も急旋回及び海面高度への急降下と攻撃攪乱装置によって何とかかわそうとするが、どこまでも追尾していく。そして数秒後、胴体のど真ん中に炸裂するとMiG-29は空中で砕け散り、海面へと落下していく。すると残った敵機もこれに恐れをなしたか、どんどんと撤退していく。

川見隊長と俺が合わせて4機撃墜し、残りの隊員は合わせて5機撃墜の合計9機撃墜と言う勝利を俺たちの部隊は刻み、被害無しと言うワンサイドゲームとなったのである。


一方、すでに国土奪還は終わり海上自衛隊の掃海部隊の作業が始まりつつあった。



余談

第301飛行隊は統一戦争で3名の戦死者を出したが、その一方でSu-27、MiG-31と言った強敵を2番目に多く撃墜した部隊として知られている。

その際にマルセイユ(※)の再来と言われ、人民労働軍の日露ハーフで、国民から絶大な人気を誇った宣伝兵でもあり撃墜王の野田セルゲイ大尉のSu-27Jを南のマルセイユと呼ばれる周義男搭乗のF-15Jが死闘の末に撃墜しているなどの逸話がある。

※マルセイユ

ドイツ軍のスーパーエース。

凄まじい操縦テクの持ち主な上にモテモテだった撃墜王。

1942年にカイロ郊外で戦死。先祖はフランス系だった模様

(故にセルゲイ大尉と周大尉をロシア、台湾系にしました)


周中尉及び水戸原少尉

2人とも高卒で空自操縦士訓練学校に入学。ともに成績上位であったが、本来なら水戸原は操縦を、周は迎撃管制を志していたが、水戸原は自身の操縦センスの無さに対し戦術眼の良さに気付き複座機の電子管制士官へ、周は操縦した際の快感が忘れられず操縦へ転向したなどよくわからない転機がある。

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