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20話

20話 内浦湾上空空戦

10月7日0900

この日、ナイトメア作戦の総仕上げの1つとして苫小牧軍奇襲が開始されようとしいていた。

内浦湾上空9000m

囮部隊である制空戦闘隊に所属する大尉の俺、村上信太が所属する第301戦闘飛行隊以下いくつの空自及海自に米台韓戦闘機隊で構成された大戦闘機部隊は牡鹿半島を抜け苫小牧へと迫りつつあった。

『………………こちらレインクラウド。敵航空機の種類が判明した!Su-27(Flanker)及びMiG-31(Fox Hound)だ』

そうE-3(セントリー)早期警戒管制機(AWACS)管制官(オペレーター)が言うと総隊長である第301飛行隊所属の周義男中佐が『サンダー1、了解』と続く。

俺がHUD(照準装置)からJ/APG-63射撃指揮装置(レーダー)の捉えた情報を示すレーダーディスプレイに目を移す。

すると60の敵を示す赤い輝点(フリップ)が表示された。

(いよいよか………………)

俺は深呼吸してから中射程誘導弾発射ボタンに指を翳す。

そしてそのボタンを強く押すと中射程ミサイルが放たれる。

ほぼ同時に敵機からも中射程ミサイルが放たれる。

俺はR-77へのジャミング(※1)は自殺行為になる事を思い出し、それを周隊長に伝える。すると周中佐は『各機、敵ミサイル(R-73)へのジャミングは厳禁だ!ジャミングしたらジャミング源へと自動的に向かってくる!いいな?』と英語で言うが、それを聞かなかった韓国空軍のF-16が一斉にジャミングを開始する。

『あのF-16から距離を取れ!』

周隊長がそう言うと空自のF-15J/DJ(イーグル)と海自F-14(トムキャット)F/A-18(ホーネット)は一斉にそのF-16隊から距離を取る。

するとそのF-16隊は次々にR-77によって撃墜されていく。


日米両空軍のF-15や海軍のF/A-18、F-14に米台空軍のF-16、豪州空軍のF/A-18で合わせて14機の被害にとどまったが、韓国空軍F-16編隊は6割にあたる24機が撃墜され、反撃でも多数のミサイルを外すなど出端を挫かれていた。


だがこちらの編隊の放ったAMRAAMは見事に17機Su-27と21機MiG-31に命中し、ほぼ同数の敵機に被害を与えていた。

数分後、遂に互いが眼で見える距離での空戦=格闘戦(Dog Fight)へ突入したのである。

敵味方問わず多くの機体が火を噴いて海面へ切り揉み状態で墜落していく。俺は操縦桿を何度も違う方向へ傾け、急旋回して敵機の射線を逸らさせる。

流石Su-27、F-15に対向すべく作られた東側を代表するスーパーファイターだ。その証拠なのか、優れた運動性を示す様に全然警報がなりやまない。

「やるじゃねぇーか!」

俺はそう呟くと突如、機体上方のエアブレーキを上げ、主翼のフラップを下げ、エンジン推力を低下させて、機体を急に減速させた。すると驚いた敵機は一気に上昇して俺の真上を通り過ぎる、だが俺はすぐに機体をUターンさせてソイツの前方斜め右下方に位置して操縦桿の上にあるAAM-3の発射ボタンを強く押す。

「サンダー4、フォックス3!」

俺がそう叫ぶと90式空対空誘導弾1発が目標へ飛翔する。

90式空対空誘導弾がプガチョフ・コブラで回避しようとする目標の巨大な主翼の付け根に命中すると俺は機体を急加速させながら一気に遠ざかる。

「敵機撃墜…………」

危うく破片へ衝突しそうになりつつも再びUターンして上(実際には下)のほうを見ると炎上する敵機が見えて、俺はそう呟いた。

そしてさっき、俺を追い回していた機体の僚機はヨロヨロとした飛行でそのまま千歳市の方角へと遁走していったのである。


最後にこの空戦で敵残存航空戦力の6割に当たる47機を撃墜するもこちらも最初の穂で撃墜された24機F-16を含めた49機の被害を被ったが苫小牧軍港は完全に破壊し尽くされ、修理が終わっただかりだった戦艦札幌ももはや海面へ無惨な残骸を晒しているだけとなり、駆逐艦やフリゲートも転覆もしくは着低していた。

そしてドックやクレーンも破壊され、中にはクレーンの下敷きになった潜水艦の姿もあった。


この空襲で北日本空軍は残った4割の戦力を全て首都防衛へ費やし、海軍は小樽及び石狩港に残った艦以外は使えなくなっていたのである。そして陸軍は憲兵や政治将校部隊が中心の首都防衛師団以外の戦力は山間部へ逃げ込み、最後の戦いに備えていた。

(※1)R-77は電源追尾システムによるパッシブホーミングが可能。

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