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霞が関の過労官僚、異世界で【月詠の窯】に目覚めスローライフ!…のはずが、最強ワイルド軍医とヤンキー聖獣に囲まれ溺愛村おこし!?  作者: 月神世一


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聖雷喧嘩殺法! ヤンキー聖獣と軍医の無慈悲な蹂躙戦

聖雷喧嘩殺法! ヤンキー聖獣と軍医の無慈悲な蹂躙戦

『ピ、ピィィ……ッ! 魔力障壁、最大出力……ターゲット、再設定……!』

 土煙の中から立ち上がったネクロミミックは、エラー音交じりの合成音声を響かせながら、全身に禍々しい黒い魔力障壁を展開した。

 先程のドロップキックでひしゃげた顔面カメラが、目の前の三人を捉える。

 死蟲王サルバロスの手先であるこの機械兵器には、感情というものがない。ただプログラムに従い、脅威を排除し、輝夜の魂を回収することだけが目的だった。

 だが、もし彼らに『恐怖』を理解する機能があったなら、今すぐ土下座して命乞いをするか、自爆して逃げていただろう。

「ハァァァァ……ッ!」

 ゴゥッ! と音を立てて、優太の全身から黄金色の闘気が噴き上がった。

 輝夜が創り出した【月詠の窯】のマグカップ。そこから摂取した『特製高カカオ・エナジードリンク』の極大バフが、優太の筋力、動体視力、魔力耐性を限界のその先へと押し上げていたのだ。

「オラオラァ! 姐さんのドリンク、五臓六腑に染み渡るわぁッ!!」

 隣では、リキが両拳を打ち合わせるたびに、バァンッ! バァンッ! と紫銀色の雷が凄まじい火花を散らしている。

 ただでさえ最強クラスの聖獣が、バフ飯でフルブースト状態になっているのだ。その威圧感たるや、周囲の小石が重力に逆らって浮き上がるほどだった。

『目標、排除……ッ!』

 ネクロミミックが、決死の特攻を仕掛けてきた。

 残った右腕の刃に黒い魔力を纏わせ、優太とリキを串刺しにせんと猛スピードで突っ込んでくる。

「優太さん、リキさん!」

「心配すんな輝夜。……三秒で終わらせる」

 優太の瞳が、冷徹なハンターの色に変わった。

 敵の動きが、スローモーションのように見える。バフの効果で跳ね上がった動体視力が、ネクロミミックの関節の隙間、魔力障壁の継ぎ目、すべてを丸裸にしていた。

「リキ! 敵の障壁の継ぎ目は、胸部装甲の左下だ! ゼロコンマ一秒だけ開く!」

「おっしゃ! ワイの聖雷でこじ開けたるわ!」

 ネクロミミックの凶刃が届くより速く。

 優太が地面を蹴り、地を這うような低さからワスプ薙刀の石突きを振り上げた。

 八極拳・虎扑こぼくの踏み込みに、地球の物理学を乗せた強烈な一撃。

 ガァァァァンッ!!

 ネクロミミックの黒い魔力障壁が激しく明滅し、一瞬だけ、優太の指定した胸部左下に亀裂のような隙間が生まれた。

 その、針の穴を通すような一瞬の隙を、ヤンキー聖獣が見逃すはずがなかった。

「っしゃオラァッ!!」

 空間を切り裂くような轟音と共に、リキが次元跳躍(ゼロ距離への瞬間移動)を果たす。

 ネクロミミックの眼前に現れたリキの右腕には、神をも穿つ数億ボルトの『聖雷』が、チリチリと白いプラズマを伴って極限まで圧縮されていた。

「ワイの姐さんをビビらせた罪、その鉄屑ボディで払ってもらうでェッ!!」

 聖雷喧嘩殺法・奥義。

 【特攻・聖雷鉄拳制裁ぶっこみ・ゴッドサンダーナックル】!!

 ズドォォォォォォォンッ!!!!!

 リキの右ストレートが、ネクロミミックの胸部装甲をぶち破り、そのコア(核)を直接殴り抜けた。

 数億ボルトの聖なる雷が、機械の回路と黒い魔力を一瞬で焼き尽くす。

 爆発音というよりは、巨大な落雷が直撃したような凄まじい轟音が響き渡り、視界が真っ白な光に包まれた。

『ガ……ァ……アリエ、ナ……イ……』

 最後に合成音声のノイズを残し、ネクロミミックの巨体は、文字通り『一瞬で白煙と消し炭』になって崩れ落ちた。

 周囲の畑には被害を出さず、敵の存在だけを完全に蒸発させる、まさに神業のコントロールだった。

     *

「……ふぅ」

 光が収まり、静寂が戻った畑で。

 優太は短く息を吐き、ワスプ薙刀をカシャンと折りたたんで腰に収めた。

 バフが切れていくのを感じながら、彼はすぐに輝夜のもとへ振り返った。

「輝夜!」

 優太が足早に駆け寄ってくる。

 その瞳には、先程までの冷酷な殺気はなく、ただ一人の女性を案じる切実な焦りの色があった。

「怪我はないか? 毒の煙を吸い込んだりしてないか!?」

「は、はい! 私は後ろにいたので、全然……。優太さんたちこそ、大丈夫ですか!?」

「俺たちは無傷だ。あんたのバフドリンクのおかげでな。……くそ、俺のパトロールに抜けがあったせいで、あんなガラクタを村に入れちまった」

 優太は自分の不甲斐なさに舌打ちし、乱暴に頭を掻いた。

 最強のスパダリ軍医が、これほどまでに余裕をなくしている。それは、彼がいかに輝夜のことを大切に想っているかの裏返しだった。

「優太さん……謝らないでください。優太さんが来てくれなかったら、私、本当に死んでました。助けてくれて、ありがとうございます」

 輝夜は優太を見上げ、胸の前に両手を組んで、心からの感謝を込めて微笑んだ。

「……っ」

 夕日に照らされた輝夜の笑顔を見て、優太はハッとしたように息を呑み、そして耳まで真っ赤にして顔を背けた。

「……バカ。お前を守るのは、俺の勝手だ。……無事ならそれでいい」

「ヒューヒュー! 優太の奴、姐さんの前やとタジタジやんけ!」

 そこへ、消し炭になった敵の跡地から戻ってきたリキが、ニヤニヤと笑いながら優太の肩をバンバンと叩いた。

「いやー、それにしても姐さんのチョコドリンク、ヤバかったわ! ワイ、今なら大魔王でもワンパンで倒せる気ぃするで!」

「リキさん、お疲れ様です! かっこよかったですよ、ドロップキック!」

「おっしゃ! 姐さんに褒められたァ! 優太、ワイ今日の晩飯は山盛り食うで!」

「うるせぇ。お前は少し黙ってろ」

 優太がリキの金色のリーゼントを乱暴に小突く。

 いつもの、平和で騒がしい悪友たちのやり取り。

 その光景を見て、輝夜は張り詰めていた緊張が完全に解け、フフッ、と声を上げて笑い出した。

 霞が関での日々は、常に神経を尖らせ、ミスをすれば全て自分の責任として圧し掛かってくる孤独な戦いだった。

 けれど、今は違う。

 自分の背中を守ってくれる最強の男たちがいて、彼らのために自分ができることがある。

 その事実が、輝夜の心を最高に温かく満たしていた。

「さ、帰ろうぜ。みんなが心配してるだろうしな」

 優太が差し出した大きくて無骨な手を、輝夜は迷うことなく握り返した。

「はいっ!」

 ポポロ村の夕空に、一番星が輝き始めていた。

 三人の足取りは軽く、やがて迎える平和な宴の夜へと向かって、まっすぐに歩いていくのだった。

ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます!

優太とリキの『バフ飯フルブーストコンボ』、いかがだったでしょうか!?

強敵(?)のネクロミミックも、最強の男二人の前では完全なサンドバッグ状態でした(笑)。

戦いの後の、優太の焦りと照れ隠し、そしてリキ兄貴の茶化しが最高に良いアクセントになっています!

「優太とリキのコンビ、強すぎるしカッコいい!」

「敵が一瞬で消し炭になってスカッとした!」

「輝夜ちゃんを心配する優太の焦りにキュンとした!」

と少しでも胸を熱くし、ニヤニヤしていただけましたら、

ぜひページ下部にある【☆☆☆☆☆】をポチポチッと押して【★★★★★】にし、応援していただけるとめちゃくちゃ嬉しいです!!

皆様からの「星(評価)」と「ブックマーク」が、優太の輝夜への好感度をさらに急上昇させる最強のバフになります!

(本当に数秒で終わりますので、どうかポチッとご協力をお願いいたします…!)

次回『第13話:月明かりの下、皆で笑って酒を飲む世界』

村の平和を取り戻した大宴会! 輝夜が夢見た『最高の居場所』がついに完成します。毎日更新しますので、絶対にお見逃しなく!

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