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【アニメ2026年7月放送!】ヘルモード ~やり込み好きのゲーマーは廃設定の異世界で無双する~  作者: ハム男
第14章 暗黒神アマンテと封印された肢体

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921/921

第921話 亀の魔獣の陰に

 アレンたちがエクスワイヤ大陸に着て12日が過ぎた12月11日だ。


 アレンは大神殿の会議室で、テーブル席を挟むように置かれたソファーに座っている。


 会議室にはこの12日間に集められた膨大な資料が山のようになっており、霊B、霊Cの召喚獣は、アレンと共有する視界で1枚ずつめくって内容を確認している。


 正面のソファーに座る暗黒大神官ドリアーヌの会話の相槌を打ちつつ、創生スキルを鍛えていた。


「……なるほど、あの葉っぱの実は食料になるだけでなくすごい回復薬にもなるのですね。村の魔獣を狩ったお礼に結構貰ったのですがそのまま食べてしまいました」


(ほとんどを食ったのはタジンだけど。ドリアーヌさんは人間界だと世界樹の実から作るエルフの霊薬ポジションだったのか)


「全てが薬になるわけではありません。最大まで大きくなったジャイアントレンゲの葉がつけた実を、この大陸の暗黒大神官に伝わる秘伝の方法で加工すると『桃源薬』と呼ばれるあらゆる病や怪我を治す薬となるのです。薬王の才能が加工に必要なので暗黒大神官の中で私の役目でもあるのです」


「ほうほう、特に大きな葉の上を移動する町は貴重な実を回収し、大神殿に捧げるのが役目だったりするのですか?」


「アレンさんは賢いのですね。まだ17歳とは思えませんわ。ただ、回収した実は冒険者ギルドが買い取り、それを私たちが集めたお布施などを使って買い取っております。そこまで数はありませんが、できた分はこの大陸で活動する暗黒騎士や守護番にお渡ししております」


「そこまで手間をかけて無償で配っているのですか。さすがは暗黒神様を祈る暗黒大神官ですね。私欲にまみれた私には到底できないことです。私もこの大神殿にきて10日以上になりますが、暗黒大神官と共にいて少しは自らの中にある業が無くなったでしょうか」


 思ってもいないことをペラペラと話しながらも暗黒大神官からの情報収集に努める。


「もう、アレンさんったら、褒めすぎですよ! まもなく新たな『桃源薬』ができそうなので、よろしければお渡ししましょうか? 厳しい戦いのお守りになるかもしれません」


「ぜひお願いしたいです!!」


 ゆるふわな性格をしている暗黒大神官が褒められて気をよくしているのか、会話の中で貴重な回復薬を受け取ることに成功したようだ。


(さて、いつまでも創生スキル上げばかりしている場合じゃなくなってきたな)


 そんな中でも、アレンの手は止めどとなく創生スキルを発動している。

 10日以上、十分な時間を創生スキル上げに当てることができたおかげでアレンは、創生スキル6巡目が達成し、創生スキル7巡目のスキルレベル7だ。


 天使Hの召喚獣と神Fの召喚獣が解放された。


【天使Hの召喚獣「魔法具(足環)」の効果一覧】

・体力20000 体力超回復(秒間1%)

・魔力20000 魔力超回復(秒間1%)

・攻撃力20000 物理ダメージ2割増

・耐久力20000 ダメージ2割減

・素早さ20000 転移先の設置と転移

・知力20000 魔法ダメージ2割増

・幸運20000 回避率およびクリティカル発生率2割増

※成長レベル9まで上げた場合の効果

※2つまであらゆる組み合わせで装備可能


【神Fの召喚獣「古代の胴胸」の効果一覧】

 体力50000、耐久力50000、全ダメージ10%減


 カツカツカツッ

 バンッ


「戻ってきたぞ! ほら! 痺れ防止薬だ! 1日海に入っても大丈夫なんだって!!」


 タジンが勢いよく大神殿2階の会議室に飛び込んでくる。

 拳よりも大きなピタリと閉じた二枚貝を片手に握られており、アレンに突き出してきた。


「助かるぞ。皆には亀の魔獣の肉は喜んでもらったか?」


「ああ、すっごい喜んでいたぞ。亀の魔獣はたまにしか島にこないから貴重なんだって! これは村長からのお礼だってさ!!」


(そうか。主食がこの大陸特有の葉っぱとは言え、大陸的にはすぐ隣なのにな。ガディアック島には亀の魔獣はほとんどこないと)


「おお! でかしたぞ! タジン!!」


 アレンはタジンの話に気付きがあったがそれは伝わらないと思い、とりあえず褒めることにする。


「へへ、そうだろ、そうだろ。俺はでかしたんだ!!」


 この12日の間に10ヶ所以上のジャイアントレンゲの食べるAランクからCランクの魔獣を狩った。

 村でも対応できたのだが、タジンと移動を手伝うメルスと一緒に討伐を手伝ってあげた。


 エルダータートルは村の重要な食料源になっているのだが、何体か倒した礼として、そのまま貰ってきた。

 ガディアック島のカラッタ村とその隣にある混血人の集落にタジンに持って行かせた。

 カラッタ村では船から酸の海に落ちた時のために秘伝に古くから伝わる酸耐性の薬を礼として貰えた。


 それから少しも経たないうちにタジンを大神殿に連れてきたメルスは、コルブラン大陸に向かっていたイルゼを連れ戻してきた。


「まったく、こんなものを時間かけて用意させおって! ほれ1000年分の冒険者の記録だ!!」


 タジンに引き寄せたおかげで開いたテーブルのアレンの正面は空いていた。

 そこへタジン以上に勢いよく入ってきたイルゼがドサっと音をさせながら、大量の資料を置いた。


 イルゼには10日間の間に暗黒騎士の立場を活かしてあれこれ資料を準備してもらっていた。


【12日間に方々に依頼して請求した1000年分の記録】

・守護番への依頼内容(コルブラン大陸、エクスワイヤ大陸)

・大神殿の陳情(エクスワイヤ大陸)

・冒険者の人数の動向(コルブラン大陸、エクスワイヤ大陸)

・町の移動の記録(エクスワイヤ大陸)

・大陸の地図の変化(エクスワイヤ大陸)

※ブラキウス大陸にも依頼したが12日間の間に回収不可


 普段、要求しないものを無理やり用意させた際、あれこれ言われたようで、イルゼの表情からも交渉に手間がかかったことがよく分かる。


 パラパラ


(やはり冒険者ギルドにも亀の魔獣が人々を積極的に襲うなんて記録はないな。これは守護番と同じだな。さて冒険者の数の変化はと……)


 アレンは机の上に置かれた資料を確認する。


「なるほど、やはり冒険者数の増減と守護番への魔獣の依頼、大神殿への陳情は相関関係があるな」


「……勝手に納得していないで、もう少し詳しく説明しろ」


「例えば、亜神に神化した魔獣が現われて冒険者に大きな被害がでた。冒険者が大きく減ると自分らの町や村が魔獣を倒すことが難しくなり、守護番や大神殿に助けを求める件数は増えていくだろ」


 その後、暗黒騎士が災害となる亜神級の魔獣を狩り、平和が訪れて冒険者の数は十分に数が増えていく。

 こういった増減をコルブラン大陸では繰り返しているとアレンは分析した結果を3人に伝える。


「冒険者が増えれば、自分らで魔獣を狩れる可能性が高くなるので、守護番への依頼や大神殿への陳情が減るってことだな。当然の話のように聞こえるがそれで?」


 暗黒大神官とタジンが横に並んで首を傾げる中、アレンの分析にイルゼが付き合ってくれる。


「エクスワイヤ大陸でも以前は冒険者数と守護番や大神殿への陳情は相関関係があった。だが、そうだな。ここ200年くらい前から特に冒険者が増えているのに陳情は増え続けている」


「なんだと?」


 アレンは資料を比較して皆に分かるようにテーブルに広げて見せてあげる。


「本当ですわね。私たちの大陸では、近年では増えたエルダータートルに合わせるように冒険者が増えて行っているのに陳情が増えています」


 暗黒大神官がアレンの言葉に納得する。

 

 エクスワイヤ大陸では1000年前は冒険者が増えたら各機関への陳情が減った。


「……たしかにアレンの言うことも間違っていると言えなくもない。まるで何か裏で糸を引いている者がいるような言い草だな」


 アレンの考えはこじ付けの部分が多いとイルゼは反論して話を続ける。


「それに、冒険者の数は魔獣の増加によって多くが犠牲になっている。そこまでの冒険者の増加にはなっていないぞ」


 エルダータートルはランクが違っても基本的にジャイアントレンゲを主食とする。

 魔族や獣人がエルダータートルを襲わなければ、そのまま食事に集中しているらしい。

 だが、この大陸に住む人々の貴重な薬や食料を実らせて住まいを提供するので、ジャイアントレンゲを食わせまいとやむを得ず戦いになっている。


「こじ付けか。そうかもしれないが、俺は裏で何か糸を引いている奴がいる。それがおかしな話なんだよ」


「何が糸を引いているんだ?」


「そんなのは分からない。それに恐らくだ。冒険者数だけならコルブラン大陸との比較なだけだし、この大陸特有の事情かもしれない。だが、俺は確信に変わっているぞ。この亀の魔獣騒動は黒幕が確実にいる」


「なんだと?」


「今回10ヶ所以上、葉っぱを喰らう魔獣を倒した。その全てが村や町が上にある葉が狙われた」


 そう言ってアレンは最新の地図を広げた。

 ここまで戦った場所にアレンは印をつけていた。

 結果、十数件全て、村や町があるジャイアントレンゲをエルダータートルたちが襲ってきた。

 クワトロを戦闘中も含めて常に大陸上空を旋回させてきたが、周囲にある町も村もないジャイアントを襲うエルダータートルは発見できなかった。


(クワトロでも広大な大陸の全てを確実に見通せるわけではない。だが、この大陸の葉っぱの上に村や町がある確率は数十分の一だぞ。これがたまたまなわけがない)


「おかしな話だと思わないか? 亀の魔獣は人々を食料としない。人々が住んでいない葉っぱは周りにいくらでもあるのに必ず村や町のある葉っぱだけを狙われたんだ。まるで魔獣と人々との争いを望んでいるようにな」


 過去の地図の遍歴で葉っぱがどのように変わっていったのか分かる。

 基本的に葉っぱが無くなればそれは魔獣たちが食べたということだ。

 直近、200年の間に、亀の魔獣が人々が利用しているジャイアントレンゲの葉を狙い出したことが、葉の数の変化と冒険者ギルドや守護番などの帰還からの陳情の記録ではっきりとする。


「確かに不自然だな。なぜエルダータートルが人々の住むジャイアントレンゲを積極的に襲うのだ」


「それには何らかの原因がある。少なくとも亀の魔獣の裏に何かがいると考えるのが自然だ」


 アレンは単純に亀の魔獣が増えて、この大陸からジャイアントレンゲが減っているわけではないと言い切るのであった。


評価ブックマークもっと欲しい(もっともっとだ!!)

最近何故か誤字脱字修正が0になった(少し増えた)

誤字脱字修正を使って、メッセージを残すのはお控えください(切れそう)


〇暗黒界の地図

カクヨム⇒https://kakuyomu.jp/users/hamuo_ham/news/11054822663618798406


〇小説家になろうとカクヨムは同日公開ですが、有料カクヨムサポートは数話先行公開中です

サポーターとワチャワチャしています

922話⇒https://kakuyomu.jp/users/hamuo_ham/news/11054822665161240224


【14章の投稿話の修正点】

⑤魔獣「雷光蟲ルチオラス」の名前明記⇒907話修正済

⑥スキル経験値微修正⇒887話修正済

⑦ハンネスがプリニッタからコケトリスを引き継いだ話追加⇒908話修正済

・コケトリスをキングコケトリスに修正

※番号ふられていないのは修正予定

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ヘルモードコミック14巻
発売日:2026年7月10日
ISBN:978-4803023379

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― 新着の感想 ―
亀が喰う総量自体は差程変化はないが、意図的に村のあるところが喰われてるから被害件数が増えてる可能性もあるな
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