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【アニメ2026年7月放送!】ヘルモード ~やり込み好きのゲーマーは廃設定の異世界で無双する~  作者: ハム男
第14章 暗黒神アマンテと封印された肢体

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第914話 魚神船

 暗黒神アマンテの大広間を出たアレンたちはクラシスの家で一泊した。

 朝から雷王を倒し、雷神ヴェスと暗黒神アマンテから報酬を貰う忙しい1日を過ごしたので、エクスワイヤ大陸へ向かうには日が過ぎていた。


 クラシスは日を跨ぐほど遅くにやってきたアレンたちを今回も暖かく迎えてくれた。

 昨晩のうちに飛ばしておいた鳥Aの召喚獣をガディアック島南端のプリスタ港街へ飛ばしておいた。


 今日は朝から魚神船という海上を進む船にのってエクスワイヤ大陸を目指すことになる。


 なんでもエクスワイヤ大陸へは空の旅である雷神船で向かうことが今の時期は厳しいらしい。

 発着場が海に沈んでいるので、魚神船による船の旅になると言う。


 1回分の搭乗券を1人金貨20枚払って乗り込んだ。

 金貨3枚から乗れるのだが、それだと4人部屋にランダムで入れられる上に、食事はパンと干し肉だけで質素らしい。

 5段階のグレードの最上は金貨50枚で高級なお酒飲み放題になるという特典らしいのだが、一段グレードを下げた4段階目のグレードで乗船することにした。

 十分な広さの個室でないと創生スキル上げが捗らないので、ムラルガンの大穴で金貨稼いだことだし贅沢することにする。


「おお!! 結構なスピードだな」


「おい、タジン。そんなに体を乗り出すと船から落ちるぞ」


 タジンが船の甲板の手すりから身を乗り出して、船の勢いに圧倒されてはしゃぐので、アレンが窘める。


(落ちたら酸の海だからな。石油を積むタンカー並みの大きさなのにとんでもない速さだな)


 この魚神船は旅客船と貨物船を兼ねているのか、前世で言うところの石油を詰め込むタンカー並みの大きさがある。

 全長200メートル以上あるのに、結構な速度で海を進んでいる。

 ただ巨大船とあってなのか揺れはほとんど感じられない。


「……そうだな。魚神ミンギア様のお力だ」


「そうなのか! イルゼは物知りだな!!」


(イルゼは昨日のことで元気がないな。クラシスの家で元気になるかと思ったら全力で落ち込んでたし。気を取り直してくれたら良いんだが。さて、仲間としてのメンタルケアも大事だが……)


 昨晩はクラシスが気を遣うほどイルゼは落ち込んでいた。


「たしか、この船は冒険者たち用に修練スペースを貸し出しているそうだ。俺は創生スキル上げが忙しいからイルゼとタジンはレベル1になった自分らのスキル上げをしておいてくれ。メルスは一緒に行って壁役の召喚獣たちを出してやってくれ」


 魚神船は巨大船とあってレストラン、酒場、売店、劇団による催し、巨大な銭湯など色々な施設があるらしい。

 その中には船の上でも修行したい冒険者のためにかなり広めの修練場が貸し出されていると聞いた。


「俺? アレンの手伝いをしなくて良いのか」


「レベルが1に戻ったからな。それに新たな神技も手に入れただろ。とりあえずスキル上げに集中していてくれ。ある程度上がったらムラルガンの大穴で魔獣狩りもやるからな」


 暗黒騎士の中ではレベルやステータスの概念はある程度あるようだ。

 鑑定スキルを持っている暗黒騎士がいるのかもしれない。

 なお、タジンは理解できない概念は聞き流すというスキルを持ってる。


「あの大穴にまたいくのか?」


「そうだ。転移用の巣は設置してあって、今、クワトロとホークを飛ばして魔獣を探している。夜、冒険者が減ったら魔獣を狩りに行くぞ!!」


 ムラルガンの大穴は神級にまで至った魔獣は見つかりそうにないが、Sランクの魔獣や亜神級の魔獣は何体かいそうだ。


「分かった! ありがとな!!」


「ほれ、練習用の爪だ。俺が貸した指輪とかは外して、腕輪はこっちを装備しろよ」


 スキル経験値の上がり、攻撃力のほとんどない爪と魔力の回復する腕輪を勧める。


 エクスワイヤ大陸へ到着するのにこんな速度で進んで3日かかるらしい。


 出発の際、船の内部に何かあるのか確認した際、修練用のかなり広めの練習場がある。

 その間に創生スキル上げとレベル1になったイルゼとタジンの強化期間にしたい。


 少なくともタジンについては暗黒神から与えられた教育するという課題を与えられている。

 エクスワイヤ大陸での生命球を捧げ終わったタイミングでレベルもスキルも上がっていなかったら暗黒神から報酬を減らされるかもしれない。


「上位神としての力を失ったオヌバの力を戻す必要もあるからな」


『ふん、封印された覚醒スキルを解放して欲しければ、せいぜい神化した魔獣を狩ることだな』


 アレンは漆黒に赤い血管のようなラインの入った自らの鎧に語り掛ける。


 Sランクの召喚獣は何らかの覚醒スキルが封印されているのだが、オヌバの場合は「弱」となっていた。

 魔導書のメモに明示されたとおり、亜神級や神級の魔獣を狩ることで封印が解ける仕様なのだとか、昨晩、オヌバに確認した。


 古代神を探して交渉する手間が省けるので、虫Sの召喚獣候補のビルディガの時も同じ仕様にしてほしいとアレンは考える。


 タジンとイルゼが修練している間にアレンは創生スキル上げに専念する。

 昼が過ぎ、夕方になりかけたところで、待望のログが流れる。


『創生5巡目のスキルのレベルが8になりました。神Eの召喚獣を召喚することができるようになりました。創生スキルは5巡目が全て召喚可能となったため、創生スキル6巡目を解放します』


「うおおおおおおお!!」


 アレンは船の中ではかなり広め個室で拳を振り上げガッツポーズをとる。


「封印解除にもたもた時間が掛かったせいで副長相手に遅れを取ってしまったな」


【神DおよびEの召喚獣の効果】

D:古代の肩当 霊力5万、魔力消費10%減

E:古代の小手 攻撃力5万、知力5万、攻撃ダメージ10%増


 神DおよびEは装備枠のためか、天使Dや天使Eのような複数の魔法具枠のような汎用性はない。

 ただし、ステータスの上昇値は神Dや神Eの方が圧倒するようだ。

 だが、装備枠のためマクリスなどのバフの効果外のようだ。


「よしよし、明日には創生スキル6巡目の天使Gの召喚獣を解放するぞ!!」


 ガチャッ


「おい、アレン。飯ができたようだぞ」


 鼻息を荒くしていると、アレンの個室にノックすることもなくタジンが入って用件を伝える。


「ん? もう、そんな時間か……」


(昼飯も非常食で済ませたしな。っていうか、イルゼもいるのか)


 呼びに来たタジンの背後にイルゼの存在に気付く。


「分かった」


「おう、こっちの甲板近くにあるんだってよ」


 創生スキル上げを一端中断し、アレンはタジンの案内で食堂に臨む。

 上から2つの目のグレードとあって、甲板近くの個室となっており専属のスタッフが就くようだ。

 アレンたちがやってくると、イルゼの下に魚神船のスタッフの魔族が足早にやってくる。


「これは、暗黒騎士イルゼ様、ようこそいらっしゃいました」


 イルゼの椅子を引いてあげて席に座らせると、お酒のメニューを見せて、何を飲むのか確認を取ろうとする。


「……すまないが、この果実水とお酒を瓶で数本ずつ持ってきてくれ。あと食事は皆、結構食べるのでまとめて持ってきてくれる方が助かる」


 飲み物も料理もチマチマ持ってこないでくれと暗に伝えると、嫌な顔1つせずに笑顔で返事した。


「畏まりました。ではお飲み物を持ってき次第、できた料理からテーブルに置かせていただきます」


 よく冷えた果実水と酒がおしゃれな籠に入れられたままテーブル側までカートに乗せられて運ばれてくる。

 本来は一品ずつ出てくるのだろうが、サラダ、スープ、パンの盛り合わせが同時にテーブルに乗る。


(肉料理と魚料理はこれからかな)


「このパン、かりっかりに焼けて美味いぞ!!」


 タジンが片手にスプーンでスープを啜りながら、もう片方の手で目の前の皿に乗せてくれたパンにかぶりつく。


 テーブルマナーなどないに等しいのだが、お金だけ持った冒険者などそういう客が多いのかスタッフは皆、一様にニコニコしており気にしていないようだ。


「タジン、あまり食い過ぎるとこれから狩りだからな。食い過ぎるなよ」


「ああ? そうだっけか。だけど腹が減ったら狩りにならないからな!」


「ああ、そろそろ冒険者が大穴から引き上げるからな」


 船は3日目に到着予定という話なので、夕食を食べ終わったらタジンとイルゼのレベル上げに魔獣狩りを今晩と明日の晩に魔獣を狩る予定だ。


「よっし、すっげええ強くなって、あのくそ生意気な騎士を見返してやろうぜ! なあ、イルゼ!!」


「え!? ああ、そうだな。さすがに副長に新人騎士の私が勝てるわけないから」


「新人騎士って何だよ。新人終わったら副長になれんのか?」


「新人の次は熟練騎士だ。新人、熟練、副長、騎士長と立場が変わっていくな。あとコケトリスもキング、エンペラーと成長していただく。私もアレンとのこの使命が終わったら、相棒との連携を考えねばならぬ」


(クラシスの前ではさすがに暗黒神の前で起きたこと聞けなかったけど、タジンがガンガン聞いてくれるな。っていうか、コケトリスを一緒に同行させた方が良かったのか。移動で不便だと思うけど)


「副長や熟練の暗黒騎士と戦ってみたが、随分転職を済ませて上位の職業になっていそうだったな」


 アレンも2人の会話に参加する。


「そのとおりだ。最初は転職なしでガディアック島に配属されるが1回以上転職が済むと、各大陸の新人担当として配置される。武具の強化や加護の増加はその後の働き次第だな」


「命懸けだが、暗黒神様から力を際限なく力を与えられるってわけか」


(なるほど、転職0回だと星3つ相当で、そこから転職の回数によってどんどん配属する場所も変わっていくのか。転職すると加護も強大になるみたいだし、神に近付いていく感じなのね。暗黒界には星7つの暗黒騎士長がいるのか)


【暗黒騎士の肩書きにおける転職回数と星の数】

・新人暗黒騎士:転職0回~1回、星3つ~星4つ

・熟練暗黒騎士:転職2回、星5つ

・暗黒騎士副長:転職3回、星6つ

・暗黒騎士長:転職4回、星7つ


 アレンは元々星3つから3度も転職を済ませ、長年戦いの中に身を置いてきた暗黒騎士副長の強さにも納得がいく。


「じゃあ、えっと~。イルゼは2回転職が済んだから熟練だな!!」


 タジンが指を降りながらイルゼの転職回数を確認する。


(転職回数が暗黒騎士にとっての立場を証明するものか)


 イルゼがブラキウス大陸での生命球を捧げた後、暗黒神に対して報酬を求めた際、割り込む勢いで報酬を求めていたことを思い出す。


「ああ、まあ、そのとおりだ。転職回数だけで熟練と扱われるわけじゃないのだがな。武器も強くして貰えるし、コケトリスも神化してもらえる」


「そうなのか。新人だからあの副長とかいうのがイルゼを虐めてきたのか?」


「いや、そういうわけじゃないんだが……」


「じゃあ、何だよ」


 タジンとイルゼの会話をアレンも見守る。


「……私の父が暗黒騎士の副長だったのだ」


 イルゼが語りだすのであった。


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ヘルモードコミック14巻
発売日:2026年7月10日
ISBN:978-4803023379

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― 新着の感想 ―
転職制って、暗黒界でのデフォ設定でしたか…それを流用したのかローゼン達…
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