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【アニメ放送中】ヘルモード ~やり込み好きのゲーマーは廃設定の異世界で無双する~【2026年1月より】  作者: ハム男
第14章 暗黒神アマンテと封印された肢体

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第863話 生贄の村娘

 クワトロを飛ばして巨大な島の状況を確認していると暗黒界の祭事か何かのようだ。

 祭りごとなら暗黒神に繋がる何かかもしれない。

 アレンは何を行っているのか確認することにする。


(何かあるようだ。クワトロ、そっちに向かって急降下してくれ)


『承りましたわ』


 何が行われているのか見ていると、籠の蓋が開いた。

 中には両手を紐で縛られた魔族の少女が入っていた。

 まだ生きているようで、頭を半分外へと覗かせ、震えながら籠の周りを見つめているようだ。


 ゴゴゴゴッ


 波で削られ浅い海底の入り江の中に巨大な魚影が水面を膨らませて何かが入っていく。

 籠の置かれた台座の正面にやってきた魚影の1体が体を起こし、水上に現われた。


『ほう、今月の贄はお前か……』


「……」


 クワトロがすごい勢いで向かう中、籠の中で無言で歯をカタカタと鳴らし、ぶるぶると振るえる少女に向かって、醜悪で狂暴な歯を見せながら魔獣が笑みを零す。


 ザアアアアアッ


 さらに全長10メートル以上ある4体の全身が鱗で覆われ、尾は魚、上半身は人間の魔獣が、大槍を握り締めて海の中から出てきて、籠の中で震える少女を取り囲む。

 そのうちの1体が持ち帰るつもりなのか、少女を巨大な指先で籠を摘まもうとした。


(クワトロ、少女を守ってくれ。俺たちもすぐにそっちに到着する)


『承りましたわ!!』


 アレンとメルスは既に飛翔してクワトロの後を追うように、少女の下へと向かっていた。


 まさに5体のうち1体の半魚人のような魔獣の指先が籠に触れようとしたところだ。


『クアアアア!!』


『む!? ぐあ!!』


 クワトロは魔獣の頭を4本の脚のうち2本を使って掴むと、一気に自ら引きずり出して天高く舞ったかと思ったら、沖合に向かってブンッと投げ飛ばした。


『何者だ!!』

『何者だ!!』


 いきなりのことで敵意を見せる4体の魔獣に対して、クワトロはゆっくりと降下し、少女の目の前に翼を広げて守ろうとする。


(警戒して一気に攻めてこないな。鑑定眼で4体とも鑑定してくれ)


 【名 前】デライコ

 【年 齢】890

 【種 族】グレイトマーマン

 【体 力】12000

 【魔 力】10000

 【攻撃力】15000

 【耐久力】8000

 【素早さ】12000

 【知 力】14000

 【幸 運】10000

 【攻撃属性】水属性

 【耐久属性】火属性耐性(中)、ブレス耐性(中)、クリティカル回避(中)

※3体のグレイトマーマンについては省略


 【名 前】ゴスタン

 【年 齢】3240

 【種 族】キングマーマン

 【体 力】34000

 【魔 力】22000

 【攻撃力】40000

 【耐久力】29000

 【素早さ】30000

 【知 力】36000

 【幸 運】37000

 【攻撃属性】水属性

 【耐久属性】火属性耐性(大)、ブレス耐性(大)、クリティカル回避(大)


(えっと、グレイトマーマンが4体とキングマーマンが1体か。名前ネームドがあるのは組織や社会性があるということか。ならこの生贄の儀のような光景には背景があるのかな)


 アレンが鑑定結果を分析していると4体のうち、リーダーと思われるキングマーマンのゴスタンが鱗で覆われていても分かる筋肉隆々の両手で、巨大な槍を握り締めながら口を開く。


『何だ、貴様は? どこからやってきた! 我らがカディアック島周囲の海を支配するベスペル様の使いと知っての非礼か? ただではすまされぬぞ!!』


「……申し訳ありません。状況が分からず攻撃をしてしまって」


 ここにきてアレンとメルスが現場に追い付いて、クワトロの前に着地した。


(このデカい島はカディアックって言うのか。ベスペルは誰ぞ? そういえば、まだこの暗黒界に魔力があるか分析がまだだったな。ふむふむ、魔力のある世界で良かった。霊力はなしと。霊力を上げるためには魔力霊力置換リングが必要か)


 敵意をむき出しにする魔獣たちを無視してアレンは状況の理解を進める。


 初めて神界にやってきたとき霊力という新しいステータスを手に入れたが、暗黒界はそんなことがないように思える。


『何が申し訳ありませんだ。貴様も贄となって、我らについてきてもらおうか』


「ついて行くとどうなるのですか?」


 背後の籠の少女の震え具合を察するにろくなことにはならないだろうが念のために確認する。


(もしかして、手厚い接待を受けるかもしれないからな。人は見た目で判断したらいけないぞ)


『ベスペル様の慰みものになるに決まっているだろう。貴様は背後の贄と共にゆっくりと四肢を割き、美味しくいただいてやろうではないか』


 ニヤリと笑みを零すゴスタンがアレンの想像通りの結果を口にする。

 その言葉に配下と思われる4体のグレイトマーマンも『グヘヘ』と涎を垂らしながら、まるで美味しい獲物でも見ているかのようだ。


「……では、お断りします。さて、村人は帰ってしまったな。少女を漁村まで送ろうか。君、大丈夫。名前は何ていうのかな?」


「え? ああ……」


 アレンが振り向いて、籠の中にいる10歳くらいの魔族の少女に優しく声をかける。

 だが、少女はアレンの背後にいるゴスタンが槍を掲げ鬼の形相で唸る。


『お、おのれらあああああああ!!』


 それでも振り向かないアレンに対して、連れて帰ることが止めてこの場で八つ裂きにしようとしたようだ。


「……メルス」


『ああ、裁きの雷!』


 クワトロやメルスの視界を共有しており、メルスへの指示が遅れることはなかった。


『ぐべっひゃ!?』

『ぐべっひゃ!?』

『ぐべっひゃ!?』


 メルスの覚醒スキル「裁きの雷」がキングマーマンのゴスタンに降り落ちると全身を電撃で焼き殺し、側にいた3体のグレイトマーマンもついでに倒してしまった。


『ひ、ひええええ!? ご、ゴスタン様!! な、なんて威力だ!?』


 沖合に飛ばされた1体のグレイトマーマンだけが攻撃の中心から離れておりダメージが少なく、全身が焼けただれながらも浅瀬に起き上がることができた。


 目の前で自らが仕える者が焼け焦げて無残に殺されてアレンたちを見て腰を抜かし怯えてしまう。


『ほう、一匹殺し損ねたか』


『あああ……。べ、ベスペル様!!』


 メルスは収納から新たな武器を取って、殺し損ねたグレイトマーマンの1体を始末しようとするフリをする。


「おい、メルス。そいつは逃がしてやれ。キャッチアンドリリースだ」


『キャッチ? 何だそれは?』


「……奴は釣り餌だ。もっとデカい魚を俺は狙っているってことだ」


『ああ、なるほど。雑魚は捨てろということか』


 アレンとメルスが会話している隙をついたと言わんばかりに、全身をばたつかせ、沖へと逃げていき、既にグレイトマーマンの体は全身を海の中に浸かってしまい、姿を見せなくなった。


(ビルディガについていけば、こんなに苦労しなくてよかったんだが、まあ、この世界を知ることは無駄ではないはずだ。何か強くなる方法を知れるヒントがあるかもしれないからな)


『それでこれでどうするのだ? まさか、このまま、ここで待つわけではないのだろう?』


「ああ、そうだな。というわけで……。私はアレンと言います」


「ひいっ!?」


 籠が背後に倒れそうなほど、視線のあった少女が驚き慄く。


「そんなに怖がらないでください。旅の者なのですが、道に迷ってしまいまして……。お話してもよろしいですか?」


 満面の笑みで少女に話しかけ続ける。


「たびのもの? 島の外からきたの?」


「そうなんですよ。ああ、私はアレンと言います。こっちの羽が生えたのはメルスで後ろのデカくて飛んでいるのはクワトロと言って私の仲間です」


「……マニタ」


(天使を見ても反応がないな。天使を見たことないのか。それともこの世界にはいないとか。クワトロ、少女の鑑定を)


 【名 前】マニタ

 【年 齢】10

 【種 族】魔族

 【体 力】28

 【魔 力】40

 【攻撃力】20

 【耐久力】20

 【素早さ】18

 【知 力】15

 【幸 運】18

 【攻撃属性】無

 【耐久属性】無


「マニタさんですね。どこへ行けば良いかも分からず、できれば、今晩は泊めていただけると助かります」


「泊めて……。私の村に来るの?」


「はい。できれば、今回起きたことを村の大人に事情を説明した方が良いのかと思いまして」


「お父さんに説明してくれるの。分かった。こっちきて」


(お? 反応したな。贄に選ばれた少女がそのまま村に帰って無事とは限らないからな。クワトロは幼雛化して俺の肩に)


 ポンッ


 その姿のままでは村人を驚かせるとアレンの肩に特技「幼雛化」でヒヨコの姿になったクワトロを乗せて魔族の少女マニタの後をついていく。


(全く、籠を置いて行った奴らはすごい勢いで村に帰っていったな。まあ、一緒にいたら魔獣に一緒にやられるかもだから仕方ないか。あの魔獣たちは俺も連れて帰ろうとしていたし)


 海岸線沿いを30分ほど歩いただろうか、奥に村の周りを囲む塀のようなものが見えてきた。

 だが、メルスの覚醒スキル「裁きの雷」の轟音が届いたようで、塀のかなり外まで数人の村人が異変に気付き出てきていた。


「お前らは何者だ!!」

「お? マニタじゃねえか。どうしたんだ、こいつらといて」

「おい、こいつらヒヒの混血人と鳥の混血人か? この島がどれほど神聖か分かっているのか! ここはアマンテ様のおわす島ぞ!!」


(誰がヒヒの混血人ハーフだ。じゃあ、メルスは鳥の混血人ハーフか? 羽が生えているけど、この世界には天使がいないのか姿を見せないって感じなようだな)


『……』


 村人に槍を向けられ、メルスはムスッとしているが、アレンに対応を任せるようだ。

 アレンの後ろで1メートルほど宙に浮き、様子を窺っている。


「申し訳ありません。旅の者でアレンと言います。何やら少女が魔獣に襲われていたので助け出してしまいました」


「襲われたから助けた? ベスペルの使いを倒したって言うのか!!」


「私が倒した魔獣の一体がそのようなことを言っていましたね」


混血人ハーフが出まかせをいいおって……」


混血人ハーフね。人族のことをそんな風に言っているのか? さて、この槍を収めさせ、村に入る方法はあるかな。アマンテ様とか言っているし、暗黒神についても聞きたいぞ。お? また誰か来たぞ)


 ここはアレンの予想通り暗黒界のようだ。

 かなり怪しまれ、敵意を向ける魔族たちに対して次の対応を考えていると魔族の男が1人、村の外に出てきた。


「おい、何を騒いでいるのだ! 先ほどの轟きが何なのか分かったのか?」


「村長!!」


 槍を向ける村人の1人が、村長がやってきて驚くのであった。


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ヘルモードコミック13巻
発売日:2026年1月9日
ISBN:978-4803022483

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― 新着の感想 ―
どういうこと? > さらに全長10メートル以上ある4体の全身が鱗で覆われ
社会性があれば行動に背景がありそうなのは 言われてみれば確かにそうだわ
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