第三話-19
「ごめんね東宮くん、無実の罪で……」
「なんか無駄に深刻な感じするなあ」
ゲームとはいえ、意識してる相手に容疑をかけられるのは割と心に来ました。
気を取り直して二回戦。次のお題は? 「シャーペン」? またなんか微妙なもんを……。これ何とセットなんだ、ボールペンとかか? タイマースタート。
「まあ、あれだな」
まず喋り始めたのは相沢だ。
「持ってない奴この中にいないだろ」
「「それはそう」」「え? ああ、まあ確かに?」
賛同の声が上がる中、早速怪訝な反応をしたのが一人。とりあえず岩沢くんはマークしておこう。長所の素直さが裏目に出たようだ。とりあえずシャーペンはワードウルフじゃないな。
「買おうと思えばどこでも買えますよね」
「何なら銀の羽衣の売店にも、お土産で普通に並んでたしな」
「コンビニにも百均にもある」
「高いのは本当に高いですけどね、一本一〇〇〇円とか見かけたことあります」
「死んだ祖父の形見って言われたら、ぎりぎり信じられますけど」
「一本一〇〇〇円ならまだ安い方だよ、高いと二桁万円行くよ」
「「そんなに行きますか!?」」
「大企業の会長クラスなら有り得るのか……?」
……いや、値段話してても絞り込めないだろ。けど一〇万円台のボールペンか。そんなものあるのか? いやこれもしかして、ボールペンじゃなくて……。
「高いのは書き心地かなり良いらしいですね。欲しいとまでは思わないけど、一回試してみたい」
OK今ので分かった、岩沢くんに加えて白原もワードウルフだ。お題は万年筆ってところかな。あと一人は誰だ? シャーペンで二桁万円はさすがにないよな、ってことは小西か?
「いやワードウルフ三人目は平井かよ。さては早い段階で自分で気付いたから、金額の話に誘導して有耶無耶にしたな」
「零火ちゃんすごいね……」
お題は万年筆で合ってたみたいだけど、ワードウルフは一年生の三人だったみたいだ。そんなことより嘘だろ、一〇万円超えのシャーペンって存在するの?
「三週目行くよ、はい」
小西のスマートフォンが回ってくる。次はなんだ? 「飛行機」か、了解。
「菅野台の修学旅行だったら乗りますよね?」
「乗ると思う」
「乗らない選択肢はないな」
「修学旅行って沖縄でしたっけ?」
「そうだな」
さて、皆慣れてきたのか今のところ分かりやすくぼろを出した人はいないな。飛行機とセットになるとしたら、何かしらの交通手段だとは思うけど、まだ俺がワードウルフかどうかも分からない。
「この辺りに乗れるところありましたっけ?」
「あるくね?」「ちょっと離れないとないよな」
「「おおっとお?」」
平井の問いに答えた岩沢くんと相沢が顔を見合せた。沢々が顔を見合せた。他の人たちは沈黙。発問者の平井も、なかなか分岐しない会話からヒントを得るために、わざとかまかけした可能性がある。正直飛行機かもしれないし違うかもしれない。
俺もちょっとつついてみるか。
「え、どこで乗れる?」
「割とどこでも」「東京湾周りは特に多い」
「「んんんん?」」
相沢は多分俺と同じで飛行機の話をしているはずだ。確かに東京湾って、羽田と成田に二箇所国際空港あるしな。
で、岩沢くんの、「割とどこでも」って発言だけど。
これ、鉄道か?
──違ったバスだった。そして俺はワードウルフ、飛行機は少数派だった。俺も相沢も自分が多数派の可能性を考えてたけど、全然そんなことなかった。平井が上手く撹乱してくれなかったら、多分負けてたな。
なんで、平井のいる側は負けないんだ……?
よろしければ、作品のブックマークやいいね・レビューなど頂けますと幸いです。




