第14話 告白タイム
「そんじゃ、この辺でおいとまするとしますか」
早く帰れ~。
「そうそう。帰る前に、これだけは言っておかないと」
まだ、何かあるのかよ。
「フェリスちゃん……。俺は、本気だよ。俺は君が好きだし、将来は君と……結婚したいと思ってる」
レッドの真剣な眼差しが、俺の瞳を捉えている。
どこで告白してんじゃ、こらー!
「おい! 俺は、お前とフェリスの結婚なんて許さないぞ!」
ちょ! レインがお怒りだぞ! このままだと、死ぬぞレッド!
「おいおい、違うだろ。結婚を決めるのは、レイン……お前じゃない。フェリスちゃんなんだよ」
ああ、そうだ。
決めるのは、俺なんだよ!
「必ず、俺は、フェリスちゃんに……。結婚したいって思われる男に、なってみせるからね!」
一生思わねえから、安心しろ!
「俺も……フェリスが好きだ」
ん? レインさん? 何か、場の空気が可笑しくなってきたぞ。
「俺だって、結婚したいと思ってる」
「残念だったな、レイン。兄妹は、結婚が出来ないんだ」
まあ、確かに。
「ふふふ……。レッド、お前は忘れているんじゃないか?」
「忘れて……いる、だと」
「そうだ。このレミリス王国では、この国にとって一番貢献した者にのみ与えられる……願い事を一つだけ許されるという権利だ」
(そんなもんが、この国にはあったのかよ!)
「くそ! そうだった! 何て、事だ! 兄であるお前も、フェリスちゃんと結婚が出来るとは!」
「だから、俺は必ず……その権利を獲得してみせる! そして、フェリスと結婚する!」
おいおいおい! 何を勝手に二人で盛り上がってやがる! 俺は、どちらとも結婚なんてしないからな!