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二七歳の男が無敵のシスコン兄から溺愛される妹に転生した異世界物語  作者: key@holder
第一章 第二部 レミリス王国編 ~辺境の村サイダール~
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第13話 知らぬが何とやら

「レッドさんと一緒に寝るなんて、嫌です」


 きっぱりと言い切る。


 だが――


「またまた~」


 レッドはまるで堪えていない様子で、軽く肩をすくめた。


「俺みたいなイケてる男と、本当は一緒にいたいんでしょ?」


「いたくありません」


 間髪入れずに返す。


 食い気味に否定してやった。


「フェリスちゃん、素直になっていいんだよ?」


「私は、いつでも素直です」


 これ以上ないくらい真っ直ぐな事実だ。


「ええ~、そんな~」


 レッドは大げさに肩を落とし――


 次の瞬間、にやりと笑った。


「俺は、フェリスちゃんを食べたいのです!」


 おい。


 今、完全に本音漏れただろ。


 アウトだろそれ。


「レッド」


 低い声が、空気を一瞬で凍らせた。


 振り向くと、レインが静かに立ち上がっている。


「それ以上、フェリスが嫌がることを言ったら――」


 その目は、冗談の色を一切含んでいなかった。


「殺す」


 うわ、出た。


 本気のやつだこれ。


 表情は変わっていないのに、圧だけで解る。


 これは普通に実行するやつだ。


「お、おう……わかったわかった!」


 さすがのレッドも両手を上げて降参のポーズを取る。


「ちょっと冗談が過ぎたな。悪かった」


 そう言って、今度は真面目な顔でこちらに向き直り――


 深々と頭を下げた。


「フェリスちゃん、気分悪くさせてごめん」


 ……おや。


 ちゃんと謝れるんだな。


「いえ、別に怒ってないので大丈夫です」


 軽く首を振って答える。


 まあ、半分は本音だ。


 半分は……呆れだけど。


「ほんと?」


「はい」


 短く頷く。


「そっかあ……よかったあ」


 レッドはほっとしたように胸を撫で下ろした。


「フェリスちゃんに嫌われたら、立ち直れないからなあ」


 残念だったな。


 心の中で、静かに呟く。


 お前は最初から、わりと嫌われてる側だ。


 もちろん、口には出さないけどな。


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