↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/67

助けを呼ぶその先に*

R15ギリギリ?

かなりキツめです。

気分が悪くなる可能性あり。

「兄様?また来たの?いい加減自分の部屋で寝たらどうです?」


「ケチな事言うなよ!頼むから追い出さないでくれよ」


「もう。別にいいですけど・・・・」


「サンキュー。ジェラルド」







「貴方は子供の頃から本当に素敵だったわ、ギャド。貴方の姿は若い頃のあの方に本当にそっくりだった。そして今の貴方の姿も、見れば見る程・・・・ああ」


「そうか。だからあんな事が出来たんだな?親父の目を盗んでは俺の部屋に通って来てたな?俺がどんなに許しを請うても、あんたは止めようとしなかったもんな?さぞ楽しかっただろうな?」


・・・・・・・・・・これは、一体何だ?


「あの頃の貴方は本当に可愛かった。何も知らず真っさらで、無力で私のか弱い力でも簡単に捕まえる事が出来た。可哀想に。貴方は泣きながら私に許しを請うたわね?私は一度だって貴方を怒ってなどいないのに・・・・」


体の震えが止まらない。


まだそれほど寒い季節でもないのに、この部屋の中には全く温かさを感じる事が出来ない。そもそもさっきから、この人達は何の話をシテイルンダ?



「そうだな。確かに俺は、あんたに許してほしいと口にした。何度も何度も、でも、俺が言いたかったのは、本当はその言葉じゃない。あんたの向こう側にいる俺の母親に叫んでたんだよ」


やめろ、やめてくれ。


こんな事有り得ない。

あの兄さんが、あの母に、嘘だ。


「母様。助けてくれ、お願いだから助けてくれ、今すぐここから救い出してほしい。助けて助けて助けて助けて」


「・・・・・・・・ぎゃ・・・・ど・・・」


「そんな俺を見て、あんた本当にいい顔で笑って俺に跨ったよなぁ?恥ずかしげもなく。満足したか?そりゃあそうだよな?あれだけ好き勝手やりゃ、少しは満足しただろ?」


いやだ・・・いやだいやだいやだ!!!

兄様やめてくれ!

嘘だ!!これは悪夢に違いない!


「そうね。あの頃は本当に楽しかった。でも、もうずっと貴方に触れてないわ。やっと・・・・やっと私に触れてくれた。私の愛しい人」


「お前、は・・・・・さっきから、何を言っている?」


駄目だ、父様・・・。

やめてくれ。


「マッティア・・・・」


「う、嘘だろう?嘘だと、言ってくれオリヴィエ。お前、自分の子供に・・・ギャドに・・・まさか・・・」


それ以上聞かないで下さい!!聞きたくない!!


「大丈夫よマッティア。この子は貴方の子ではない。貴方が悲しむ必要なんて無いのよ?それに安心して?ジェラルドは正真正銘、貴方と私の子供だわ。貴方の望んだ後継はちゃんと残してあげたでしょう?」


「・・・・・・お、まえ・・・は」


「オリヴィエ様・・・貴方は、ご自分が何を仕出かしたのか・・・分かっていないのか?」


「わかっていますわ。ちゃんと。ギャドは私が産んだあの瞬間から、ずっと私の物なのよ?だってギャドは、あの人からの、私への贈り物なのだから」


狂ってる。


この人は、いや、この女は・・・・。

一体いつから?いつから兄様は母に・・・・。



"サンキュージェラルド"



「・・・・・・・・・あ・・・」



兄が、頻繁に私の部屋に来たのは・・確か12歳ぐらいの時だ。その回数の多さに何度か注意した事があった。


まさか、あの時、既に・・・?そんな・・・・・。



"頼むから追い出さないでくれよ"



私は、何度兄を追い返した?

一体何度?

その度に?・・・・・うっ!


「・・・・うぇ・・」


「可哀想に。生々し過ぎてジェラルド気分が悪くなったみたいだぜ?あんたが俺にした事は、そういう事だっていい加減、自覚して欲しいもんだがな?まぁ、今更無駄か?」


「何故なの?あんなに従順に私に従って来たじゃない。ペシュメルに邪魔されるまでは、ずっと」


・・・・・ああ。なんて事だ。

なんて、私は愚かだったのか。


「ペシュメル団長は邪魔したんじゃねぇよ。俺を助けてくれた、それだけだ。身を投げて死のうとした俺を見つけて、そのまま俺を救ってくれた。いやぁ、そのお陰で俺も長生きしたわ、本当によ?良かったな?大人になった俺をその目で見る事が出来てよ?あんたはもっとペシュメル様に感謝した方がいい」


「・・・・誰があの男に感謝など。余計な事をされた所為で、貴方を逃してしまったもの。でも、やっと捕まえた。こんな事セラに知られてしまったら、もうセラは貴方の事など愛さないわ。この国の人間は貴方が綺麗な人間だと思い込んでいる。一つの汚れもない真っさらな男だと。ササラでさえ、それを疑っていないものね?ふふ・・・ははははは!」


全て崩れ落ちていく。

私の家族。

私の・・・兄が。


もし、それが本当ならば、私は兄様に一体何をした?


無邪気な悪戯だと、あんな所に縛り付け・・・私が、した事は・・・・ただの・・・。


「関係ねぇよ?これでセラが俺を軽蔑したとしても泣き喚いて拒絶しても俺はセラに選択肢は与えねぇ。セラは俺が連れて行く。そして、二度と俺から離れる事は許さねぇよ」


「・・・・・・ギャド?」


「あんた何か勘違いしてねぇか?俺は金輪際あんたに関わる事はない。別に無視して出て行ってもよかったんだけどよ?それだとあんたが自由に動ける機会を与えちまうからな」


「ギャ、ギャド。お前・・・」


「俺は、謝らねぇぞ親父。俺はもう一生分、我慢したと思う。もう、そろそろ自由にしてくれよ。それが気に入らねぇなら、俺を殺しに来い。本気でな?」


「ギャド!!」


待ってくれ。

兄様。行かないでくれ。


「許さないわよギャド。私から離れるなんて許さない!!そんな小娘の物になるなど!!」


「・・・・・で?感想は?」


「・・・・・ギャド様」


セラ!!止めてくれ兄様を!

私をこんな所に一人残さないでくれ!!


「感想・・・と、言われましても別に。特に自分の処遇に不満はありません」


「お・・・お姉様?」


「ただ一つだけ言うのであれば。私、オリヴィエ様に負ける事は無いと思います。だって、私の方が若くて可愛くてボインボインですので」


「・・・・・・・・っな!!」


私の世界が壊れていく。私が、信じていた偽りの家族。


「ブハァ!!違ぇねぇ!!セラ!お前はやっぱ最高だ!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。