ギャドさんって頼りになります
あの時のティファの胸中です。(笑)
「それで?一体どうやって泣かすの?」
「どうしましょうね?何が一番堪えると思います?」
「ティファが罵ったらいいんじゃね?二度と顔見せるな!とか言ったら泣くと思うぜ?」
そういうのじゃないんですよ。私が求めているのは驚きと感動のコラボレーションです!デズロさんを嬉し泣きさせたいんです。
「プキュ〜・・・・」
「あ!ギャドさんにゴルドさん!来てたんですね?」
おや?なんだか呆れた顔をなさってますね?
あ、まさか、ただイジメようとしてるとか思ってます?違いますよ?デズロさん私の父親だって私に名乗れないみたいですので、それを白状させる為のちょっとした悪戯です!
あ、分かっていただけました?それは良かった!
「ドッキリなんてどうです?例えば・・デズロさんの娘だと言って私以外の子を連れて行くとか?あ!見つけたから連れてきますと騙して慌てさせるのはどうです?!」
ギャドさん?なんでまだ呆れ顔のままなんです?
趣旨理解しましたよね?ハイトさんはノリノリなんですが?
「いいんじゃない?おい!ラット!盗み聞きしてないでこっち来て」
「なんだよ。俺になんか用か?」
「ラットも手伝ってくれるよね?暇なんでしょ?」
え?この人手伝ってくれますかね?
私デズロさんを嬉し泣きさせたいんですが?
「ふーん?別にいいぜ?で、何をしろと?」
「え?いいのお前?」
「主にデズロを泣かす辺りが気に入った。号泣させてやろうぜ!!」
ノリノリでした!目的は違えど、この人もノリノリです!
「貴方達また厨房で集まって・・・ここの国の騎士は暇なの?」
「こんな仕事真面目にやってたら死んじゃうよ。サボるぐらいで丁度良い加減なんだ」
「へぇ?あ、私今から出掛けるから。後はよろしくね?残りの作業はエリスに伝えてあるから」
ベロニカ、最近部屋から出てこなかったり外出する事が多くなりました。やはり、出て行く意思は固いのでしょうね。我儘で引き止めておくのも限界が近そうです。しょんぼり。
「よく聞こえなかったけど、デズロ様って娘がいたのね?悪戯するにしても程々にね?せっかく再会出来るんだから」
「・・・・ベロニカ」
「じゃ。後よろしく」
そういえば、ベロニカには詳しい事説明していないですね。ベロニカの両親は亡くなっていますから、あまりこの手の話に巻き込みたくはありません。
あの子繊細ですからね。私と違って!!
[可哀想に、あんなに可愛いレディなのに、命の灯火が消えかかっているね?あの子は一度死んだのだね?]
「え?ゴルドさん何です?」
[ティファ。あの子の心臓はもう限界を迎えそうだよ。私は命の終わりを感じる事が出来るから、分かるんだ]
「はい?どういう事です?それってつまり死んじゃうって事ですか?」
[そういう事だね。原因は分からないが、あと少しで彼女の心臓は止まるだろう。ベロニカは、その事を知っているようだ。よくあの体で動く事が出来るものだね]
「ティファ?さっきから一体ゴルドと何の話を・・・」
え?嘘ですそんなの。
「・・・・・駄目です。そんなの、だめです」
「ティファ?ゴルド?」
じゃあ、もしかしてずっと?ずっと体の異変に気付いてました?もしかして・・・・・異空間の狭間に入った事で、その寿命を縮めたんですか?
「ベロニカを連れ戻して下さい!今すぐに!!あ、でも追いかけて走らせたりはしないで下さい。心臓に負担がかかるから・・・」
「ティファ。落ち着いて?ちゃんと説明してくれないと僕達も正しく対処できない。ベロニカがどうしたの?」
どうしよう。どうしよう。どうしたら?
私の所為です。なんで私、もっと気を付けて見てなかったんでしょう?ベロニカには私しかいないのに、あの子の異変に気づく事が出来るのは、もう私だけだったのに!!
「ハイト。頼むから怒るなよ?」
「え?」
ぎゃわ!!え?ギャドさ・・・むぎゅ!!
「「「げ!!」」」
「・・・・ギャ・・」
「良い子だ、ティファ。落ち着いて話してみろ、大丈夫。ゆっくり息を吐いて吸ってからでいい。俺達がなんとかしてやるから」
あ。
そうです。
私、今一人じゃありませんでした。
ここはカスバールじゃありません。
ここには、私の話を聞いて、私を助けてくれる人達がいました。本気で私達を、助けてくれる人達が。
「・・・・・・っ」
「ティファ。ちゃんと言葉にしろ。お前の望みを誤魔化さないで言ってみろ。ちゃんと受け止めてやる」
ギャドさん。
本当に?本当に甘えてもいいですか?
私達を、ベロニカを、助けて・・・・。
「べ、ベロニカ。一度、死にかけてて・・・」
「おう」
「私。丁度その時通りかかって。持っていた秘薬をベロニカに使ったんです。その後、ちゃんと医療所にも運びました。それから暫くして私の前に元気な姿で現れたんです。その時もその後も何事もなく普通に過ごしていたので、てっきり身体に問題は残らなかったと思い込んでいました」
どおして。そんな風に思い込んだんでしょう。
ベロニカはいつも無理をするって知っていたのに。
「あの秘薬。私の妹が私用に作った物なんです。多分そのせいです。命は助かっても、その後薬が強過ぎて後遺症が残ったのかも・・・妹にも、絶対に自分以外には使うなと、言われてたん、でぇすぅ」
「ティファ。大丈夫だ」
「ゴルドが、ベロニカの心臓の音が変だって。多分、止まる前兆なんだって・・・ベロニカが、ベロニカが・・・死んじゃいますぅぅぅううええええええええん!!!」
泣いてごめんなさい。でも、でも、私不安でしょうがないんです。今この瞬間にもベロニカが居なくなってしまいそうで、それが怖い。
「死なない!死なないからな!その前に捕まえて方法を考えればいいだろ?まだベロニカ死んでないからな!!」
あ、撫で撫でしてくれました。
ギャドさん私の故郷の村の族長に少し似てて落ち着くんですよね。族長に頭撫でられてるみたいで。
なんだか、少し落ち着きました。
「・・・・あ、そうでした。そういえば」
「そうだね?まだ死んでないね?ちょっとは落ち着いた所でギャド?そろそろティファを離そうか?」
ギャドさん。私なんだか怖くてハイトさんの方、見れません。何故でしょう?この後私も詰め寄られそうな予感ビンビン伝わってきました。
「わ、わかってる!わかってるよ!ティファ、すまん」
「え?なにがですか?」
怖い!ハイトさんちょっと怖いです!
よく分からないですがギャドさん助けて下さい!!
「ギャド?」
こ、これはとりあえず気づかない振りで乗り切りましょう!ね?ギャドさん?
「ギャドさん!!ベロニカを助けて下さい!」
「・・・・おう!じゃあまずベロニカを確保しないとな?
ハイト!」
「うん?何?」
「お前ティファとカスバールに行け。それでティファの妹を連れて来い」
成る程!!カスバールにはメリルが居ますね?
ベロニカの体が弱っている原因はメリルの秘薬の効果もありますから、速攻で連れて来ましょう!!それはいいとして・・・・。
「ティファがここを出たらデズロ様も泣くだろ?一石二鳥じゃねぇか?」
「成る程!!でも、なんでハイトさんと?」
「ハイトだったら絶対にティファから目を離さないだろ?ここにいる誰よりもティファの近くにいたからな。ティファがカスバールで危険な目に遭わないよう側にいてくれ」
・・・え?その間。ハイトさんとずっと二人きりですよね?それは、ちょっと。まずいのでは?
「ティファ?僕じゃ不満なの?」
「いいえ。ただ・・・」
「よーーーし!皆んな!ベロニカを探しに行くぞ!散れ!」
あ!!酷い!ギャドさん逃げた!!助けてくれるって言った癖にぃ!!こうなったら聞かなかった事にして切り抜けます!!ハイトさん、物凄い勢いで私の後追いかけてくるのやめて頂けますかーーー!!!




