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秘密裏に動いてました、はい

「マジかー?本気で俺で決定?」


「そうだな」


「諦めて下さい」


セルシスよ。

そんなに父の後を継ぐのが嫌なのか?

父、些かショックだぞ?


「先に帝位の引き継ぎの手続きを行う。宰相準備は出来ているか?」


「出来てますけれど。本気ですか?」


「本気だが?引き継ぎを済ませたら私は出掛ける。エルシャナ、ケルベナ。お前達はセルシスを守れ。その命をかけてな」


「「え?」」


「そこは素直に頷こうよ二人共!!嘘でもさ!俺超不安」


この子達は大丈夫そうだな。


あの異空間が開いた事件から一度も魔物が出たという報告を受けていない。デズロがジョーイを探し回っているからな。相手も必死になって逃げ回っているのだろう。


国の境界線も厳重に取り締まっているから、ジョーイが国外に逃げるのは不可能だ。そして、このタイミングでこちらの国に入国した人間はすでに全て把握している。


デズロ。お前は頭に血が上って冷静さを欠いている。

お前は昔からそうだ。自分の大事な者が傷つけられると後先考えず行動に移す。もう少し冷静になれ。


「・・・・ありゃあ。父様さま、相当キレてんな?」


ヒソヒソ


「今回の件でデズロ様もかなりダメージを受けたからな。母様が言うにはあの二人相思相愛らしいぞ」


ヒソヒソ


「へぇ?そうなんだ。俺そういうの無理だわ。受け付けない」


ヒソヒソ・・・


お前達。ちゃんと聞こえているし誤解を招く表現はやめてくれ。愛しい妻リンディよ・・・・私がデズロと相思相愛って、なんなんだ!!気持ち悪い!!コホン。


「王冠をここに。関係者を呼んでくれ、詳細は伝えなくていい。面倒だからな」


アイツら何でもかんでも難癖つけて来るからな。

私が皇帝なのが気に入らなかったんだろう?良かったな?

セルシスは私よりは扱い易いと思うぞ?だが、エルシャナとケルベナが合わさると最強だから、気をつけろ。


三人揃うと私より厄介だからな?


「セルシス。私からの助言は一つだけだ」


「なんでしょうか?陛下」


「大樹には決して近づくな。触れてもいけない。決してな。我等レインハートは、あの大樹から拒絶されている。理由は未だ分からないが、私の父はその所為で身を滅ぼした。お前はお前の次の世代にもそれを正しく伝えなければならない。この国を、守る為に」


「拒絶・・・?」


この国には空に届きそうな程の大きな木がそびえ立っている。精霊が宿るといわれる大樹の木だ。

過去に私の父はその木に触れてしまった。


そう。あれは拒絶だ。

私も最初その事に気が付いていなかった。

あの木はただあそこに立って、この国を見守っているそう、思っていた。父があんな事になるまでは。


「そして、ゼクトリアムを絶やしてはならない。これは、帝位を継ぐ者、全てに伝えられてきた事だ。ゼクトリアムからこの事についての詳細な理由は聞かされていないが、彼等は本来なら正当なこの国の統治者だ。それを我等レインハート家が奪った過去がある。そして、大樹を管理する事を許されているのも、彼等だけだ」


「・・・・ハイトが正当な統治者だと?では、最初から、彼等に大樹を任せれば良かったのでは?」


そうだろう?私も、そう思っていたのだがな。


「私の父はその事について詳しく私に話さなかった。だが、どうやら我等と同じくゼクトリアムも大樹に近づく事は許されていない。それによって何が起こるのかは解明されていないが、私達が近づく事以上に、彼等があの木に触れる事は禁忌とされている。最悪国が滅びると言われているからだ」


「「「げ!」」」


試した事はないぞ?

流石にお試しで国を滅ぼしてやるほど、私もお気楽ではないはないからな。デズロも流石にこの事は口に出さなかったからな。相当ヤバイのだと思うぞ?


「え〜やだなぁそんなの。俺気が滅入ってきたぁ〜」


やだなぁじゃないぞ?ヤレ。お前は出来る子だ。


「お、皆来たな。さっさと終わらせて奴等が逃げる前に確保しなければ」


敵も色々考えて外部から来たベロニカに声をかけたらしいからな。彼女なら上手く敵を引きつけておいてくれるだろう。あの子も気苦労が多い。体の事もあるというのに。


「へ、陛下!?これは一体なんなのです?何故王冠がここに?」


「ああ。今から帝位をセルシスに譲るぞ?お前達はそれを見届けなさい」


「「「「はぁああああああ!?」」」」


お前達、私が何も知らないと思っているのか?

影でコソコソ私の地位を狙いおって。


お陰でギャドにまで被害が及んでいるんだぞ?

せっかくあの家から離れて平和に暮らしていたのに。


これはな、お前達に対する嫌がらせも含まれている。


お前ら私の息子達の命、虎視眈々と狙ってただろ?


これで暫くお前達の目論見は果たされない。

子供は沢山いるに限る。うちは兄弟が仲良くて良かったな?これで暫くは安泰だ。


セルシスの家も子沢山だからな!!

はっはっはーーー!!!


「そ、そんな急に!?正式な場でもないのに!!」


「そんなもの後からでもどうにでもなる。私は病に伏せた事にしておけ。セルシス、サインしろ」


「はーい!」


「「「お待ち下さい!!セルシス様ぁ!!」」」


待たない。

そしてもう遅い。

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