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はじまり

「ちょっと、香川県行ってくるわ。」


時刻は20時をちょっと過ぎたころ。

現在地は東北地方。


リビングに居る父にそう声をかけて玄関へ向かう


「あーい、…え!なんて!?」


そんな声が聞こえたが、私は既に玄関をくぐって戸を閉めていた。


鈴虫が勘違いして鳴くような暑さのある夜空の下、私は愛車に寝袋とパンパンのリュックを積んで乗り込む。


元々思いつきで行動するタチで、隣の県に気まぐれにドライブをするなんてのは日常茶飯事で、今回の旅も思いつきでの行動に違いなかった。


ことの発端は、BSで流れてきたCMだ。

なにやら小説の大賞があると流れてきた、元々小説家を目指していた私にこんなCMを流しては、書くだろ、そりゃ。という流れで詳しい内容を検索してみたのだ。


一番最初に目に映った内容は瀬戸内せとうちをテーマにしたもの。と書かれていた、さて困った。

生まれてこの方東北地方をろくに出たことのない芋娘だ、せとうちどころか海だっておぼろげだというのに、せとうちの魅力なんて描けるのだろうか?

そもそもどこだ、瀬戸内海は、義務教育以来だぞリアルの地名なんて。と思いながらこれまた詳しくホームページを眺めて目にしたのが


“香川県”


そして連想されたのが


“うどん”


そうだ、香川県に行こう。



エンジンをかける。

行き先は香川県。

目的はうどん。

あと、小説。


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