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視るだけ無双 〜スキル合成で世界を塗り替える転生者  作者: 天音天成
第4章:王権の崩壊

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第15話:観測者の遺した座標(王権の崩壊)

「ひぃっ……! 来るな、来るなァッ!」

 腰を抜かし、這いずるように逃げようとする王弟の前に、リアナが静かに立ち塞がった。


「叔父様。貴方の歪んだ統治は、今日ここで終わります。王族の権威は、もはや誰も縛ることはできない」

 リアナの厳格な声が響く。

 王弟派は完全に瓦解し、王宮は改革を望む民衆と、森都から駆けつけた兵士長たちの手によって無血で制圧された。


 騒動が静まり返った王宮の奥。

 玉座の裏手から、コツコツという静かな足音とともに一人の男が現れた。

 森都の関所で遭遇した、王都の監査官セヴランだ。


「……見事な手際です。不確定なノイズに過ぎなかった貴方たちが、まさか国家のシステム(秩序)そのものを塗り替えてしまうとは」

 セヴランは眼鏡を押し上げ、感情の読めない目で俺たちを見た。


「まだあんたの『観測』で、俺たちをエラーとして処理するつもりか?」

「いいえ。貴方たちが生み出した『変動を許容する秩序』は、私が固執していた停滞よりも、結果的に世界を安定させる可能性を示しました」


 セヴランは懐から、あの『観測者の円盤』の中核となる、きらきらと輝くデータ結晶を取り出し、俺に向かって放り投げた。


「観測者のコアは、この世界にはありません。それは空の上――神代の遺構である『上層位相クラウド』に存在しています。この座標断片が、そこへ至るためのアクセスキーとなるでしょう」


「おいおい、監査官自らバックドアのキーを渡すのか?」

「私はただの監査官です。システムが古くなったのなら……それを書き換える者の行く末を『観測』するのも、私の役目でしょう」


 そう言い残し、セヴランは影の中へと消えていった。


 王都の空が白み始める。

 リアナの宣言によって奴隷制度は永遠に廃止され、王都には新しい時代が訪れようとしていた。

 だが、俺の視線は夜明けの空の、さらにその上へと向けられていた。



 この不条理な世界の根本ルール(世界式)を定めている、観測者の本拠地。

 すべてを終わらせ、本当の自由――誰もが選び直せる世界を手に入れるための、最後のアップデート(最終決戦)が始まろうとしていた。

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