青龍、競う
もうここからというもの
「ローンネ! 三連刻、ドラドラネ!」
「ツモ! 小車輪だ!」
「ツモネ! 客風三刻ネ!」
「ロンだ! 槓振り、ドラ三!」
――ローカル・オンパレードである。
そして早くもラス前。二人の競い合いが続く中、南家のトムが
「おお! 聴牌、即リーネ!」
これに搭子ちゃん、捨牌を眺め
「四筒かあ……じゃあ、一筒です」
だが
「レディ、それロンネ!」
「え?」
(な、何だって?)
「南北戦争……役満! これでジ・エンドネ!」
※三連刻:同種類で3つ連続した刻子(三万×三・四万×三・五万×三)を作ることにより成立する二翻役。鳴いても二翻。
※小車輪:結構有名なローカル役で、筒子の一~七もしくは三~九を対子にしたものをと呼ぶ。倍満もしくは跳満だが、全てのメンチン七対子をこう呼ぶところもあり、定義自身がバラバラである。
※客風三刻〝おたがぜさんこー〟:役牌にならない風牌3種を刻子(槓子)にした時成立する役で、二または三翻。無論鳴いても可。その性質上、東場の親(南・西・北牌が対象)と南場の南家(東・西・北牌が対象)以外にはありえない役。小四喜〝しょーすーしー〟の一歩手前のくせに、なんとも残念な役ではある。
※槓振り〝かんぶり〟:「そうそう冬は美味しいのよね~寒ブリって!」の寒ブリでは断じてない。槓をした直後の打牌に対してロンをすると成立する、偶然役の一種で一飜。
※南北戦争:アメリカで派生した、雀頭もないというくらいとんでもない役満。南・北を各3枚ずつと一種類で〝一・八・六・一〟を揃え、別の種類で〝一八六五〟を揃えることによって成立する〝語呂合わせ的〟役で、ちなみにこれは南北戦争の開始時と終結時を表している。
※つか、この階って、あとがきばかりである。実は本編の200文字を圧倒的に超えていたりもする。オーマイガッ! である。