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青龍、発つ

 イソコさんと別れ、ひたすら塔を目指す青龍。


 一日中、歩き続けた彼の目の前に、今ようやく


「おお、あれか!」

 天まで届きそうな、恐ろしいほど高い建物――これこそ十三不搭である。


 塔のそばの藪の中で、イソコさんから〝動きやすいように〟と頂戴した服に着替えている彼。


「お、確かに身軽だぞ」

 身にまとっているのは、黄色のトラックスーツだ。


 その時だった。

「おい、そこで何してる?」


 彼が振り返ると、二人の男が立っているが。

 

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