リエムと言う執事
「旦那様、お茶にしますか?それともお酒でもお持ちしますか?」
と執事のリエム
「考え事をしてるんだが一緒に茶でも飲まないか?」
「ようございますよ」
リエムが紅茶を二人分いれる
「旦那様どうされました?改まって」
「まぁ座れよプライベートな話だ、その口調もやめろ」
リオネルが真剣な顔で言う。素直にリエムも執事の仮面を取り外す
「どうした?お嬢様との話で何かあったのか?」
「マリーは凄いな。核心に近づいて来てるぞ。まだこっちの調べは全部ついてないんだよな?終わり次第マルベリー王国へ行こうと思う」
「マルベリーか。遠いなぁ」
「マリーも連れて行く」
「わざと危険に晒すのか?」
「危険はないだろ?お前にも来てほしい」
「それは良いが、マルベリーに行くのに早くて一週間はかかるだろ?滞在を含め一ヶ月は拘束されるんだぞ?陛下がそれを許すのか?」
「マリーは守られてばかりいるのが嫌なんだってさ。だから連れて行く。陛下にはお前から連絡しといてくれ。得意だろ?」
「マルベリーへ行く用事を作れば良いんだな?」
「そういう事!頼んだぞ」
「今日の報告書だ、まだ目を通してないだろ?見てくれ」
リオネルに書類を渡す。リオネルは書類を見ながらまゆを顰める。
「ヘルマンが死んだか。殺されたのか?」
「多分後者だな。死人は物を言えぬからな」
「アルベルトとの繋がりの線はどうなった?」
「ヘルマンの元部下から話を聞いた、お互いの利益が合致してたらしいぞ。最新のレシピが欲しいヘルマン、お嬢様が欲しいアルベルトという事だ。アルベルトは幼い頃にセシリアの姿絵を見て憧れを抱いたという事だ、自分の父親が手に入れられなかったセシリアだが、よく似ている娘のお嬢様を手にしたかった。というのが本命だな」
「なんだよ。それ。マリーの事を好いているではなくただ父親に勝ちたいだけかよ」
「そうなるな。一方レオナルドの方は、お嬢様に一目惚れで一歩遅くアラン殿下に取られたのが気に食わないってだけだ。」
「レオナルド王子は正式に求婚してきただけあって実直なんだろう。話をしたが良いお人であった。アラン王子がいなかったらレオナルド王子と婚約していたかもな」
「そうなったらあの親父の息子と結婚したって事か?お前我慢できるか?」
「かもな。って言ったろ?ないよ。マリーが好きになった相手ならしょうがないが、アラン王子の事が好きなんだろ?さっき話ををしていた時のマリーは成長したんだな。と感心した、あの子も将来に対する自覚が芽生えた様に思えた。お前にも見せてやりたかったよ」
「たまにあるよな。大人びた事をいう時が」
「いつまでも子供ではいてくれなかったか……寂しいねぇ」
「さて、と、報告を急がせるよ、俺も忙しいんだぞ。学園でお嬢様に嫌がらせをした子息達の家に抗議の手紙を送った、先方は顔を青くして平謝りしていた。あとの対応は子息の家に任せると伝えておいた。次は王家から抗議が入るからな……十分反省させようぜ」
「フランから聞いたが、ブロッサム侯爵令嬢をバカにしたらしいからな。もう家同士の問題だよバカな奴らだ。ついでに抗議をした家の連中の事も調べておいてくれ」
「それは明日くらいには報告があがるよ。」
「調べたのか?仕事が早くて助かる」
「まぁな。趣味?みたいなものか?」
「悪趣味だな……悪いがアンを呼んできてくれるか?」
「はい。旦那様」
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はぁー。とソファに身を沈める
諜報活動はリエムと部下に任せるとして、マルベリー滞在の日程を整えるか……
せっかく行き始めた学園も休ませる事になるが仕方あるまい。
コンコンコン
「失礼致します。アンでございます」
「入れ」
「はい、お呼びでしょうか?」
「あぁ。掛けてくれ」
「いえ。それは出来ません」
「良いから座れ」
「アン、座りましょう、私も座ります、隣にどうぞ」とリエム
「それでは、失礼いたします」
申し訳なさそうに座るアン
「しばらくしたらマルベリー王国へ行こうと思う。マリーも同行させる、アンも付いてきてくれ」
「はい喜んでお供いたします」
「いまリエムに調べさせてるんだが、マルベリー王国にきな臭い噂はないか?」
「お嬢様を手に入れた方が王位を継げるといううわさがあります。マルベリー王国は第一王子が代々王太子となっていましたが、王太子が不在なのはそれが理由だそうです。マルベリーの王はセシリア様に似たお嬢様をどうしても欲しいのだそうです。これは誰かが流したデマですね」
「誰かがね……」
「どう致しますか?」
「マリーにその気がないんだから嫁にだすわけないだろ!」
「アンも出発までに調べられることはとことん調べておいてくれ」
「かしこまりました」
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うちの諜報機関は良い仕事をする。
リエムはとある貴族の落とし胤で学園で知り合った。
上位貴族である家柄なのだが表立っては公表されていない。
学園に入るまでは裕福な平民の家で暮らしてきた。その家は諜報活動で豊かな生活をしている。
そこら辺の貴族の家より恐らく資産は潤沢だろう。
面白い奴ですぐに仲良くなった。
うちはやましい事のない家柄だったために、あいつの家に脅れはしなかった。
セシリアを手に入れるためにセシリアの実家の弱みを掴みたかった。
相談したらリエムがその役を買って出てくれた。リエムの黒い一面を見た気がしたが、隠す事がなくなったよ。と笑ったリエムと意気投合し、学園を出た後は私の執事となり諜報活動も心よく引き受けてくれた。
リエムの目にかなったものはブロッサム侯爵家の使用人として雇う事もあった。
アンもその一人だ。アンは護衛もメイドも出来るスーパー諜報員であり、マリーに付けている。信頼出来るメイドである。
もちろんこの事を家のものは知らない。
家督を譲るときまで、息子達に言うつもりもない。
と言うのも、もう誰が諜報が分からなくなってきた。増えてるよな。確実に!!
この件が落ち着いたら一回聞いてみるか……
心強い反面、弱味を握られる可能性もある。
ウチは調べられても黒いところは出てこないが優しいだけでは侯爵なんて務まらない。
強く出る事ができるのは情報収集力って奴だ。だからリエムには頭が上がらない……。
侯爵家の秘密である




