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娘の才能に驚きを隠せず

ちょっと遡ります


「お嬢様、こちらはどういった食べ物なのでしょうか?」


「クッキーよ」


「……えぇ。そのようですが」


「いろんな色になったでしょ?」

ほうれん草でグリーン

ごぼうでブラウン

人参でオレンジ

カボチャで黄色


…野菜クッキーの生地だ


「甘く無いからお父様に食べてもらうの!」


それぞれ棒状にして切り、オーブンで焼けばカラフルなクッキーの出来上がりだ!


……次回はアイシングクッキーに挑戦したいわ!!


「お願い、これを切って!」

お父様から包丁や火は使ってはいけない!と約束をしているから、自分では切れないの。


「はい。かしこまりましたお嬢様」


「次は180度で余熱したオーブンで20分程焼いて欲しいの」


「はい。かしこまりました」



チーーーーン!



「あっ?焼けたー?」


良い香りだ!

「ちょっと焼きすぎちゃったかしら?」


少し冷ましてから、味見をしてみる!

「さくっ!あっ!美味しいかも」


「可愛らしいお色ですねぇ。お嬢様はどちらでこのような菓子を考えついたのでしょうか?」


「内緒!!」

……言えないわ!前世の記憶でーす!なんて言えない。病院に連行されるのがオチよ


「お父様に一番に食べてもらうの!と包んでもらう。あとはどうしよう?みんな食べてくれる?」


「よろしいのですか?」


「うん。でもお父様に一番に食べてもらいたいから、夕食の前くらいまで食べないで。お願い」

と言うと、


「「「「お嬢様の手作りの菓子を食べられるなんて幸せです!約束ですからお守りします」」」」

と声を揃えて誓ってくれたでは無いか!


「うん。お願いね」

ニコッと笑ってその場を去り、お父様の執務室へ向かう


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


コンコンコン

「誰だ?」


「ローズマリアです」


「入りなさい」


「失礼します」


「どうした?」


「クッキーをね作ったの。パパに一番に食べてもらいたいから持ってきたの!」


「へーマリーのクッキー?お茶を用意しよう」


執事のリエムが紅茶を入れてくれた


「ありがとう。リエムー」


「いいえ。お嬢様、美味しそうですね?」


「うん。リエムも食べてね!」


「私如きが、お嬢様の手作りの菓子を頂けるとは……長生きするもんですなぁ。」


「お前、いくつだよ!」

とお父様がボヤク


「そういえば、旦那様とそう変わりはありませんね」


「だろ?長生きってなんだよ。人の事も年寄り扱いするのか」


「坊ちゃん?」


「言うな!」


「約束は明日までですよ」


「そうか……」


「パパ!食べてみて、はいあーん」


とお父様の口の前に差し出す


パクリと一口でクッキーを、口に入れ咀嚼し飲み込む

「ほのかな甘みだね。食べた事ある味?だけどなんだい?」


「黄色だからカボチャ!」


「カボチャのクッキーなのか?」


「そうだよ!次これ食べてね!あーん」


考えながら食べている


「これも知っている味だな」


「オレンジだから人参!あとこれは緑だからホウレンソウ」


「凄いな。マリーは天才だな」


「美味しい?」


「とても美味しいよ!驚いた」


「時間があるときにね、ハンカチの刺繍もしたの!パパにプレゼント!ドレスも髪飾りもいっぱい買ってもらったから、お返し!」

とハンカチを出す


「マリーこの刺繍は自分でやったんだよね?」


「うん!そうだよ」

と笑顔で答える。


「パパ驚いて、声にならないよ」


それは素晴らしい出来栄えだった。

グレーの糸・銀色の糸・緑の糸を使って、繊細でかつ細かい飾りが刺繍されている。


「パパ使ってくれる?」


「もったいなくて使えないよ。でも嬉しいよ。マリーはお菓子も刺繍も上手なんだね。知らなかったよ…」


「パパに何かお返しがしたかったの」


「そんな事いいのに」

「いつも買って貰ってばっかりだもん」


「子供は甘えてれば良いんだよ。その方が私は嬉しいんだよ」


「パパいつもありがとう」

と抱きつく



「坊ちゃん。私はお嬢様の成長をひしひしと感じて、感激しております」

と涙を拭う



「マリー明日から木登り解禁だってさ!また一緒に登ろうか?」


「えっ!良いのー?」


「良いよな?リエム」


「えぇ。もちろんですとも。気をつけてお登り下さいね、坊ちゃん」


「しつこい奴だな!!」


「約束ですから…」


「マリーお菓子はこれからもまた作って良いし、パパにも作ってくれる?でも包丁と火はダメだよ!危ないからね約束だよ!」


「うん。約束!」

指切りげんまんとすると、分からない顔をしながらも、指切りしてくれた




「マリー今度王宮に行くときにアラン王子にも刺繍してあげたら?」


「あっ!そうだった。お礼しなきゃ」


「喜ぶと思うよ?」



「坊ちゃん。なんと心の広い」

涙を拭うリエム


「まぁな。面白そうだし」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


【ハンカチとクッキーを貰ったアラン】


マリーからもらった刺繍入りのハンカチ。

これをマリーが刺繍したと思ったら勿体なくて使えない。

こんなに上手に刺繍ができるなどと知らなかった。俺のこと何も知らないと言われた時は、ショックで心臓が止まるかと思った!

しかし知らないながらに、オレのイニシャルを縫ってくれたのだ!

細かい刺繍も繊細だ。周りには月桂樹が刺繍されている。

俺もマリーの事全く知らなかったんだな…。

クッキーもこの世のものとは思えぬほどの出来だった!

カラフルに絵が描かれていて、少し甘かったのだが、食感もとても良かった。


ますますマリーが好きになった。

俺の本性もバレていたけど、笑ってくれたから良かった。


ユーリウスの誕生日に俺の気持ちを告げれたら良いけどな……。


侯爵もチャンスをくれるようになった。俺が頑張らないといけないんだよな…


マリーへの気持ちがますます募る。

もっと君のことを知りたいよ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



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