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ダンスの覚え方

「お嬢様、ダンスの講師が見えましたよ」


「はーい。今行きます」


あのお茶会以来、私は礼儀作法やダンス、社交に必要な習い事を主に頑張っているのだ!


失敗したお茶会……。

お父様との約束を破ったから、男の子達に囲まれてしまったのだった。

あの歳の男の子のって、つい女の子を虐めたくなるものなのね。

中身はアラサーだけど、体は八歳だもん。

やっぱり知らない子達に囲まれると怖かったわね。満員電車の痴漢にあった気分だったわ。ゾッとしたのよ!


お父様のように優しくないし、お兄様のように笑ってくれないし、フランのようにキラキラしてないんだもの。


皆んな目がギラギラしてて、鳥肌がたっちゃった。


だから男の子には近づかないって思っていたのに、あっちから近づいてくるとは……

油断大敵!!ね。


自分で言うのもなんだけど美少女ってタイヘンよ。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


「お待たせ致しました」


「ご機嫌よう。それでは本日もよろしくお願いします」


「はいこちらこそ、よろしくお願い致します」


パンパンパンパン!!と手を叩く先生

「そこで、ターン。ハイ、クルっと。そうですよー」


はぁはぁ。ダンスって中々……大変ね……

ステップが……はぁはぁ。覚えられない


前世のダンスとは全然違うわ!

私、歌に合わせないと踊れないの!

音だけじゃ振り付けが拾えないのよぉー。

サビはどこよ?

何かいい方法……ないかしら。



「ローズマリア様!遅れてますわよ!」



「は、はーい」


「足先、指先まで美しく!!」

パンパンパンパン!!


この手拍子だけじゃ、覚えられないわ。

リズムがぁー


「さぁ。次はピアノの音に合わせて!」


♪~~~♪~~


この曲、知ってる!!

前世でこの曲ベースの歌を推しのグループが歌っていたのよ!

イケる!イケるわよ!!マリー!!!



クルッ!クルッ!!ターン!ターン!!

(足)左・右・左・右

ピタッ!!

ちょっと顔も上へ!っと。フィニッシュ!!



パチパチパチパチ…

「ローズマリア様!最高です!完璧ですわ」


どうよ!脳内に歌詞が浮かんできたら、体も自ずと動くのよ!!!

運動神経がゼロに近くても推しのグループの為なら、覚えれるのよ!


この曲が始まるとね、皆んな手が動くのよ!

ペンライトは必需品。

私たちもセットの一部なの。

うちわは座席に一旦置きましょう。

ファンのマナーよ。



「ありがとうございます。先生のおかげです。教え方がとても上手なんですもの」

と満面の笑みで答える。


「この曲は難易度が高いんですのよ!他の曲もこの調子で行きましょうね!」


「ハイ!」


パンパンパンパン!


「足にお気をつけて!ハイ笑顔で」


あれ?歌を…歌詞を…リ、リズムが…

「中々ハードルが高いわね…」


「伴奏付きで通しましょう」


♪~~~~♪


こ、この曲は!国民的グループが歌っている曲がベースではないか!

イケる!イケるわよー!マリー!!

だって推しのグループの先輩の歌ですもの。事務所のイベントで推しが歌っていたもの。


カッと目を開いて

ステップ、ステップ、ターン、ターン

フィニッシュよ!!


「ローズマリア様!貴方は最高の教え子でございます。セシリア様譲りの美しさにダンスの腕、もう淑女の鏡ですわよ」


「お母様を知っているの?」


「えぇ。私が指導させて頂いたのですよ」


「まぁ。そうだったのね!お母様と先生がお揃いだなんて嬉しいわ!」


「侯爵様に頼まれましたのよ。」


「パパから?あっ。お父様から?」


「あら?いけませんわね。レディはパパとはお呼びしませんね?」

指をたてて注意される。


「ハイ。申し訳ありませんでした」


「フフフ。よろしい」


クスクスと笑いながら

「本日はこれでおしまいにしましょう」


「ありがとうございました」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


私は自粛中なのです。


部屋で読書をしていると、

コンコンコン

「ハーーイ」


「マリーちょっといい?」


「パ・お父様…」


ダメね。気を抜くとパパって呼びそうになっちゃう。


「お父様なんて呼ばれたくないんだけどね」

困ったように笑うお父様


「だってレディはパパって呼んじゃダメって言われちゃったの」

お父様が困った顔をしているから、悲しくなる


「そうなんだけどね、二人の時はパパって呼んで。マリーはもう十分レディだよ?」


「本当?」


「お茶会で、淑女の礼をちゃんとしていたのを見てパパはビックリしたよ。マリーが大人になっちゃったって!」

頭を撫でてくれる


「えへへ。ありがとうパパ」

この空間が温かすぎて、大好きなのよ。


「あのね、マリー?」


「うん?」


「お茶会ってまた行きたい?」


「んー。パパが選んでくれた所なら行っても良いけど……失敗しないかなぁ……」


「マリーは失敗してないよ?大丈夫だよ」


「じゃあ……頑張る……男の子いない?」


「あぁ。居ないよ。女の子だけだよ。」


「お友達出来るかな?」


「ハハハ。出来るさ。ソフィア王女とも仲良くなったくらいだ!度胸はあるよ」


「何?それ?」

二人で笑い合う。



「マリーにもう一つ言わなきゃ。今度のユーリウスの誕生日を祝う会で、パパとダンス踊ろうね?講師から聞いたよ。上手なんだって?」


「褒められたの!!」


「そうか!凄いね」


「ママと同じ先生なんでしょ?パパありがとう」

ぎゅっと抱きつく。

「嬉しい?」


「うん!やる気が出たよ」


にこぉーっと笑うマリー。

セシリアとの思い出が少ないマリーに出来る事と言えば、セシリアの事を知っている者に思い出を語ってもらう事しかない、

マリーの笑顔を見たいんだ。


「それは良かった。よし、お茶にしようか?天気が良いから庭にいこう」

マリーを抱える。


「パパー、歩けるってばー。」

とクレームをつけながらも満更ではなさそうだな。

「レディは大人しくしているものだよ?」


「フフフ、ハーイ」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー







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