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フランソワ

『ねぇ様待ってよーーー』

『こっちよフランーーー』


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


まさか殿下が屋敷にいるなんて思わなかった。

姉様に合わせたくなかったのに!!!

なんでいるんだよ!!

王子って暇なのか?

それにしてもよく来るな。

兄上も父上とお城に行けば、殿下が来ることも出来ないんじゃないのか?!

理由がない


ーーーーーーーー



殿下は姉様に惹かれている。

見ていれば分かる。

兄上はなぜか分かってないのかもしれない。


姉様が池に落ちたのは、殿下が姉様の髪飾りを見ようと思い、近づいたらびっくりして後退り、たまたまそこに池があって足を滑らせて落ちたのだ。

幸い池は浅かったのだけど、ドレスの重みで中々池から出てこれなかった、体力がない姉様は疲れたのか気を失ってしまったのだ。

ホッとしたけど、中々目覚めない姉様の顔を見ていると、殿下に対して殺意を覚えた。



あの日以来、殿下は一日置きに見舞いに来るが面会謝絶!と父上が言い、会う事はなかった!!

ざまぁーみろ。と心の中では思っていたが、

僕は失態を犯してしまったのだ!



姉様が庭に散歩に行ったとアンに聞かされた。

しばらくして父上に抱えられて部屋に戻ってきた。父上部屋から出て行ったのを確認して、姉様の元へと行った!


『フラン、どうしたの?』

『大丈夫なの?父上に抱えられてきたみたいだけど?』


『パパは心配性だから、寒くなってきたから中に入るように言われたの』


姉様は八歳。父上の事をパパと呼ぶ。

貴族の娘ならもうお父様と呼ばなくてはいけない年頃だ。

でも父上がそれを許さないのだ。


『父上は姉様に甘いからなぁ』


『何よ!フランまで!』


『そろそろ父上の事パパって言うの止めたら?』


『だってお父様って呼んだら悲しい顔をするんだもん。パパの悲しい顔を見たくないんだもん』


『姉様は父上のことが好きなんだねぇ』


『うん。大好き!!でもフランの事もお兄様の事も大好きよ』


ふふふと笑うねぇ様は、とても可愛い。

父様もこの顔が大好きなんだろうな。


『ねぇフラン遊びにいこっか!』


『えっ?父様に怒られちゃうよ!ダメだよ』


『良いから!行こっ。ねっ』

手を繋がれて部屋の外に出る。

所謂、追いかけっこだ!


そしてその後ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「マリー何をしているの?」


兄上?後ろには殿下?どう言う事だ?



「何って。ベッドにずっと居ても暇なんだもん」


「さっき熱が出て父上に運ばれたと記憶しているんだけど?」


「だってフランと遊びたいんだもん」


「話にならないね早く部屋に戻りなさい」


「………はいお兄様。フランも行こ」


「フランはダメだよ話があるからね」


「……ぐすん」

ねぇ様ーーーーーーーーー!


兄上が姉様を泣かせるなんて!許せない。




殿下は帰るところだった。

兄上から父上を呼んでくる様に言われたので、走って呼びに行く。

その間に姉様が、見舞いの品という名目でブルースターの髪飾りを殿下から貰ったそうだ。


最近外国から入ってきたこの花は可憐で可愛らしくて人気がある花だ。


「ブルースター」の花言葉は「幸福な愛」


愛だって?


しかも自分の瞳の色の物を渡してくるなんて

何という事だ!

姉様は鈍感だから全く理解していない。

ただ綺麗ね。くらいにしか思っていない。

頼むから気が付かないで!



そんな忌々しい髪飾りなんて付けて欲しくない。


姉様は父上に、

『お返しした方が良いのでは?』と言っていた。しかしそういう訳にはいかないのだ。

一度貰ったものを返す事は流石に失礼だ。

しかも王族からだ。家の恥になるのだ!


『外ではつけない様に!』ときつく言われていたから流石に姉様も、使わないだろう。


ジュエリーボックスの肥やしにでもすれば良い。

姉様が身に付けるものは僕が選んであげるよ。

近くにいるから姉様に似合うものは僕が一番知ってるよ。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


フランソワ君は天使ではありませんでした。


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