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2杯目 ジントニックからデュークス・マティーニへ

『Bar風花-kazahana-』

ジントニックからデュークス・マティーニへ


※独立した短編エピソードです

※バー・お酒・パイプタバコ・音楽・静かな夜の会話が好きな方向け

※大きな事件や急展開はありません


開店したばかりの小さなバーに、一人の客。

ジントニックを傾けながら流れるStingの「Russians」。

控えめなジャズやクラシックではない、BGMの自由さに少し驚く。


パイプを丁寧に詰め、甘いバニラの煙が漂う中、彼女は穏やかに微笑みながらグラスを磨く。


そして彼が投げかけた一言。

「マティーニを。……デュークススタイルで」


凍てついたグラス、極限までドライなジン、自家製オリーブ、彼女の小さなアレンジ。

冷たい液体が舌を刺し、同時に胸の奥を温かくする。


静かなカウンター越しに、二人の視線が少しずつ絡み合う夜。


Bar風花へ、ようこそ。

今夜は凍てつくマティーニと、甘い煙の余韻を。


R8.2.3 マティーニの内容を大幅に加筆修正

 さてさて、夜はまだ始まったばかりだ……


 彼はそう思いながら、グラスをゆっくりと傾けた。

 ジントニックの透明な液体が、氷とともに静かに揺れる。

 ライムの微かな酸味と、ジンのドライな余韻が舌に残る。

 悪くない。

 今夜は、この一杯をじっくり味わいながら、この美しいバーテンダーさんとの会話を楽しむことにしよう。


◆ ◆ ◆


 店内に流れる音楽は控えめな音量で、耳に心地良い。 今かかっているのはStingの「Russians」。

 アルバム『The Dream of the Blue Turtles』に収められた一曲だ。

 冷たく、どこか悲しげなメロディと、プロコフィエフを思わせる重厚な旋律が絡み合い、哀愁を帯びたブルースのようなムードを漂わせている。

 彼のお気に入りの一曲だった。


 彼はこれまで、本格的なオーセンティックバーといえば、音楽は無音か、せいぜい控えめなジャズかクラシックだろうと想像していた。

 だが、この店は違う。どうやらこの女性バーテンダーは予想以上に柔軟で自由な感性の持ち主らしい。


 「本格的なバーでStingですか? 珍しいチョイスですね」


 彼が軽く問いかけると、彼女はグラスを磨く手を少し止めて、こちらを見た。


 「確かに、少し邪道かもしれませんね。でも、この店は私のお店ですから。店の雰囲気を壊さなければ、BGMは何でもいいと思ってるんです。だからクラシックやジャズはもちろん、洋楽、ポップス……ときどきアニソンだって流しますよ♪」


 彼女は悪戯っぽく微笑みながら、バックバーの隅に置かれたMcIntoshのオーディオシステムを指差した。

 その仕草が妙に愛らしく、彼は思わず口元が緩む。


◆ ◆ ◆


 音楽の話でしばらく盛り上がり、気がつけばグラスの中身がかなり減っていた。

 もう一杯頼もうかと考えたが、その前に煙草が吸いたくなった。


 彼は革製のパイプポーチを開き、折りたたみ式のパイプスタンドを取り出してカウンターに置く。

 続いてSTANWELLのパイプを丁寧にセット。

 ポーチから名刺サイズに折り畳まれた紙と、小分けにした煙草、タンパーを取り出した。


 紙を広げ、ベントレーのロイヤルバニラを小袋から取り出す。

 指先で軽く葉を揉みほぐし、香りを確かめながら四回に分けてボウルに詰めていく。

 硬さの加減を微妙に調整しながら、丁寧に、しかし無駄なく。


 一連の動作を彼女はグラスを磨く手を止めてじっと見つめていた。

 興味深そうな、でもどこか柔らかい視線。


 「美人のバーテンダーさんにそんなに見つめられると、緊張しますよ……」


 彼は軽い悪戯心でそう言ってみた。

 すると彼女は意外にも頬をわずかに染め、視線を落としてモゴモゴと何か呟いた。

 声は小さすぎて聞き取れない。


 (あ、やりすぎたかな……)


 内心で少し反省しながらも、知らんぷりをしてパイプを咥え、軽く吸って詰め具合を確認する。

 デュポンのライターを取り出し蓋を開けた。



カキン!


 甲高い金属音が静かな店内に響く。

 この音が好きだ、と彼はいつも思う。

 火をボウルに近づけ、焦がさないよう注意しながらゆっくり息を吸う。

 煙草に火が移り、2~3服して盛り上がってきたところをタンパーで軽く押さえ、再び点火。


 あとは静かに、ゆっくりと吸って吐くを繰り返す。


 パイプから立ち上る紫煙が、甘く上品な香りを店内に広げていく。

 バニラの柔らかな甘さと煙草葉の深みのある香りが混じり合い、どこか懐かしくも贅沢な空気を生み出した。


 「パイプの香り、初めて嗅ぐんですけど……すごくいいですね。甘くて、品があって、素敵です♪」


 彼女の声は素直で、予想以上に好意的だった。

 紙巻き煙草の強い匂いを嫌う人も多いのに、これは嬉しい誤算だ。


 調子に乗って、もう少しからかってみようか。


 彼はふと、ある作家の言葉を思い出した。

 少し脚色して、軽い口調で言ってみる。


 「この香り、近づきすぎると髪にしっかりついちゃいますよ。家に帰ってシャワー浴びても、ふとした瞬間に僕のことを思い出してしまうかも……」


 彼女はまた視線を落とし、頬を染めたままモゴモゴと呟いた。

 今度は少しだけ、声が聞こえた気がした。


 「……それ、困ります……いや、困らない、のかな……」


 小さな声。

 だが、その言葉に込められた微かな揺らぎが彼の胸を軽くざわつかせた。


 店内の音楽は次の曲に移り、Stingの声が静かに響き続ける。

 夜はまだ、始まったばかりだった。



 「次は何になさいますか?」


 グラスを飲み干した絶妙なタイミングで、美和さんが静かに声をかけてくる。

 カウンター越しに、彼女の視線が彼を捉える。

 穏やかだがどこか挑戦的な光。


 彼は一瞬考える。

 次は何を……。

 彼女ならどんなオーダーにも応じてくれそうだ。

 いや、応じてくれるだろう…。

 それが、逆に試したくなる。


 心の片隅で、意地悪な好奇心が顔を覗かせる。


 もう一度だけ彼女を本気にさせてみようか。


 意地悪半分、そしてもう半分は彼女の反応に期待しながら彼は静かに口を開いた。


 「マティーニをお願いします。…デュークススタイルで」


 言葉を投げかけた瞬間、美和さんの目がわずかに見開く。

 一瞬の驚き。

 だが、すぐにその表情は満面の笑みに変わった。

 悪戯っぽく、しかし自信に満ちた笑み。


 「かしこまりました♪ 本来のデュークススタイルとは少し違いますが……私のアレンジが入ります。それでもよろしいでしょうか?」


 彼女の声に、微かな興奮が混じる。


 (……え、できるの?)


 彼は内心で戸惑いながらも、頷いた。


 「お願いします」



 美和さんは即座に動き出した。


 テキパキと、しかしどこか優雅に。


 まずカウンター前のフルーツバスケットから、艶やかな有機レモンを一つ選ぶ。


 研ぎ澄まされたペティナイフを手に取り、皮を大ぶりにスライスする。


 厚みのある皮が香りを放ちながらまな板に落ちる。


 その大きな一片を、さらに短冊型に丁寧に切り揃えていく。


 幅は細すぎず、グラスに浮かべたときに存在感が残る程度。


 一枚の短冊皮が、小皿に静かに置かれた。次に、もう一つの小皿へ。


 緑のオリーブを数粒と、ローストしたカシューナッツを控えめに盛り、


 グラスの傍らにそっと置く。


 「ジンとベルモットの銘柄は、私にお任せいただけますか?」


 彼が小さく頷くと、美和は冷凍庫の扉を開けた。


 「ロンドンのDukes Barで生まれた本当のデュークス・マティーニは、No.3 London Dry Ginを凍らせて125mlほど、Sacred Dry Vermouthでグラスをリンスするだけ…本当にそれだけです。

 氷も水も加えず、シェイクもステアもほとんどしない。

 ただ凍ったジンを凍ったグラスに注いで、レモンのツイストを添える。それが本来の姿…」


 美和は冷凍庫の扉を開け、まず一本の古いボトルをそっと取り出した。


 「ビフィーター クラウン・ジュエル…。今はもう生産されていない、旧い時代のプレミアム・ジンです。

ビフィーターのスタンダードが「クラシックで骨太なロンドン・ドライ」なら、クラウン・ジュエルはその上を行く、特別に洗練された一本でした。

 アルコール度数は50%と高めで、ジュニパーの主張をかなり抑えてあるのが特徴です。

 代わりに、レモン・オレンジ・ライムの鮮やかな柑橘感が前面に出て、コリアンダーやアンジェリカルート、アーモンドのような柔らかい甘みとスパイスが、とてもクリアに層をなしています。

 香りは華やかだけど決して甘ったるくなく、凍らせるとまるで氷の結晶の中に閉じ込められた果実の精油が、一気に解放されるような感覚になります。

 口に含んだ瞬間は冷たくて鋭いのに、後味に残るのはシルクのような滑らかさと、ほのかに残るスパイスの余韻…だからこそ、極端にドライなデュークス・マティーニで、ベルモットの影をほとんど感じさせずにジンそのものを味わいたいときに、とても美しい選択肢になるんです」


 彼女はもう一本、細長いボトルを手に取った。


 「そしてベルモットは、Sacred Dry Vermouth。イギリスのSacred蒸留所が作る、かなり特殊なドライ・ベルモットです。

 ベースは英国産の白ワイン(主にシュナン・ブランやソーヴィニヨン・ブラン系)で、そこに伝統的なベルモットハーブを漬け込んでいますが、甘味を極限まで抑え、苦味も穏やか。

 代わりに、セロリシードやカモミール、レモンバーム、

コリアンダーシード、ほのかなエルダーフラワーやラベンダーといった、非常に繊細でフローラルなノートが特徴です。普通のドライ・ベルモット(Noilly PratやDolinなど)と比べて、ハーブの青みや苦味が控えめで、代わりに「花とハーブの静かな庭」のような透明感があります。

 デュークス・マティーニでは、ベルモットをグラスにほんの数滴だけ回してほとんど捨てるので、このSacredの繊細さがちょうどいいんです。

 強すぎるハーブや苦味だとジンを殺してしまいますが、

Sacredなら、ほんの薄い膜のようにジンの上に寄り添って、消えそうな影を残すだけ…それが本場のDukes Barが共同開発した理由でもあります」


 美和さんは二つのボトルを並べて、静かに微笑んだ。


 「クラウン・ジュエルの古い柑橘の記憶と、Sacredの儚いハーブの吐息…この二つが凍てついたグラスの中で出会うと、本当に嘘みたいな透明感が生まれるんですよ」


 彼女は霜で白く曇ったバカラのグラスを手に取り、

準備を続けた。


 美和はカウンターの奥から、特別なグラスを手に取った。


 バカラのJCB パッション マティーニグラス。


 すでに長時間冷凍庫で眠っていたそのグラスは、表面全体が白く霜に覆われ、触れると指先が痛むほど凍てついている。


 クリスタルの透明度が極めて高く、長いステムが優雅に伸び、ボウルは大きく広がりながらもリムは驚くほど薄い。


 凍ったグラスは、注がれる液体をただ受け止めるだけでなく、冷たさそのものを増幅させる鏡のようだった。


 霜で白く曇ったそのグラスを、スポットライトの下に置く。


 バーマットを敷き、準備は整った。


 「本場では125ml前後が標準ですが、ここでは少し控えめに90mlでお作り致します。」


 冷凍庫から取り出したグラスは、触れるのもためらうほど凍てついている。


 美和はSacredのボトルを傾け、バースプーン一杯分ほどのベルモットを静かに注ぐ。


 グラスをゆっくりと回し、内側全体に薄い膜を張らせる。


 そして、余った雫は迷いなくシンクに還した。


 ――デュークス流の「リンス」。


 これ以上ベルモットが入る余地はない。


 次に、Crown Jewelの旧ボトルを手に取る。


 凍った重みが、彼女の手の中で静かに主張する。


  「氷も水も、何も加えません。ただ、90ml…」


 美和さんはそう言いながらメジャーカップを使わず、凍ったままのジンをストレートにグラスに注ぐ…。


 透明な液体が、バカラのクリスタルの中でゆっくりと落ち着いていく。


 表面に、ほんのわずかな揺らぎだけが生まれた。


 バースプーンをそっと差し入れ、数回――本当に数回だけ、優しく円を描く。


「本場ではステアすらしないことも多いけれど、ここではほんの少しだけ。凍ったジンの温度を均一に整えるためだけの、ささやかなアレンジです。」


 店内の音楽は控えめで、Stingの余韻がまだ薄く漂っている。



 だが今、このカウンターの上では、別の静かなリズムが流れていた。


 美和さんは小皿の短冊型のレモンピールを手に取る。


 その一本を、グラスの上でゆっくりと捻る。


 オイルが霧のように噴き出し、香りが一気に広がった。


 ジュニパーと柑橘が、静かに、しかし確かに混じり合う。


 彼女はその短冊皮をグラスの縁に軽く擦りつけ、酒面にオイルを散らし、最後にゆっくりとグラスの底に沈めてから持ち上げ――彼のコースターに、そっと置いた。


 完成したグラスは、凍った湖のように澄んでいる。


 バカラのクリスタルが光を屈折させ、レモンの香りとCrown Jewelの古い記憶が、表面でかすかに輝いていた。


 最後に、オリーブとカシューナッツの小皿をグラスの横に寄せる。


 美和さんは一歩下がり、ほとんど聞こえない声で言った。

「お待たせいたしました。デュークス・マティーニです。どうぞ、本場そのままの凍てつきに、少しだけ風花の息を吹き込んだ夜を…」


 美和さんは、少し悪戯っぽい笑みを浮かべて彼に伝えた。

 頬がわずかに上気し、期待と緊張が入り混じった目で彼の反応を窺っている。


 「イギリスのデュークスホテルのバーテンダー、ジルベルト・プレディ氏――あるいはアレッサンドロ・パラッツィ氏の作り方とは、少し違いますが…ご容赦くださいね」


 彼女の声は穏やかだが、手元が微かに震えているのがわかる。

 プロの自信と、客への純粋な気遣いが混在する愛らしい瞬間。


 彼は静かにグラスに指を添え、いつもの癖で小さく呟いた。


 「…頂きます…」


 彼は緊張してグラスをゆっくり持ち上げ、唇に近づける。


 霜のついたグラスが指先に冷たく刺さる。


 一瞬、息を止めて――、一口。


 「うわっ…美味しい!」


 思わず声が漏れた。


 極限まで冷えた液体が歯茎に鋭く沁み込みながら、トロリと舌の上に広がる。


 50度のビフィータ・クラウンジュエルが、まるで氷のヴェールのように冷たく、しかし決して刺々しくない。


 むしろ、滑らかに包み込むような優しさ。


 口内に残るのは、ジンのクリアなジュニパー、そしてセイクレッドのエクストラ・ドライ・ベルモットが織りなすハーブとスパイスのキレのある余韻。


 ドライの極みなのに、どこか甘美で、完璧なハーモニー。



 彼は目を細め、もう一口。


 味わうように、ゆっくり喉を通す。


 身体の芯まで凍てつき、同時に熱くなるような感覚。


 美和さんはカウンター越しに身を乗り出し、期待と不安の混じった視線を注いでいる。


 「…まだベルモットを減らして、もっともっとドライに仕上げることも考えたんですけど…これ以上ベルモットを減らすと味のバランスが崩れちゃうと思って。まだ、辛口のほうがお好みでしたか?」


 声が少し上ずっている。


 彼女の緊張が伝染するように彼の胸をざわつかせる。


 彼はグラスを置いて静かに微笑んだ。


 「いえ…これくらいの割合が、私の好みです。今まで飲んだマティーニの中でも、トップクラス。いや、間違いなくトップかも」


 本気の言葉だった。


 美和さんの顔が、パッと明るくなる。

 頬が緩み、目尻が下がって、心底嬉しそうな笑顔。


 「ありがとうございます……そんなにお褒めいただいて光栄です♪」


 その笑顔が直撃する。


 ドキッと胸が鳴り、彼は慌てて視線を逸らし、味覚をリセットしようと――小皿に刺さったカクテルピンのオリーブに手を伸ばした。


 すると、彼女がサラリと、しかし誇らしげに言った。


 「あ、そのオリーブは……私が小豆島まで行って、採ってきたのを自分で漬けたものなんですよ。お口に合うといいんですが♪」


 …は?


 一瞬、時間が止まった。


 自分で漬けた? 小豆島まで行って採ってきた?


 自家製オリーブなど、手間と知識と情熱がなければ到底できない作業。それをこんなサラッと……?


 彼はオリーブを刺したカクテルピンを指で摘んだまま、固まる。


 (……何者だ、この女性は)


 頭の中で、驚きの渦が巻き起こる。

 バーテンダーとして一流なのはわかっていたが、ここまでとは。

 自分で実を収穫し、漬け込むなんて――それはもう、情熱の域を超えたライフワークだ。


 美和さんは彼の呆然とした顔を見て、くすりと笑う。 少しドヤ顔を浮かべ、悪戯っぽく目を細める。


 「どうぞ、召し上がってくださいね。塩加減、自信作なんです♪」


 彼はようやくオリーブを口に運ぶ。

 噛むと、果肉の弾力と、程よい塩味とハーブの香りが広がる。

 確かに、完璧だ。

 市販のものとは明らかに違う、手作りならではの深みと優しさ。


 「……これ、ヤバい。美味すぎる」


 本音がポロリと出た。


 美和さんは照れくさそうに、でも満足げに髪を耳にかける。


 「ふふ……よかったです。次は、もっとすごいオリーブ、作ってみようかな」


 その言葉に、また胸がざわつく。


 彼女の笑顔、香り、声、そしてこの予想外の情熱――すべてが、じわじわと彼を引き込んでいく。


 カウンター越しに、二人の視線が絡み合う。

 マティーニの冷たさが、逆に身体を熱くさせる。


 パイプの甘い残り香と、オリーブの塩味が混じり合い、店内を満たす。


 夜は、まだ深まっていく。

読んでくださってありがとうございます。


この話は、「バーという空間で、少しずつ心の距離が縮まる瞬間」をただ描きたかっただけの一夜です。


パイプの甘い香り、Stingの哀愁、凍ったグラスに注がれる極端にドライなマティーニ、そして彼女がサラリと明かす「自分で小豆島まで採りに行ったオリーブ」——

そういう細かいこだわりや、さりげない情熱が積み重なって、何気ない会話が少し特別なものになっていく。


美和さんの笑顔と、少し震える手、そして「困らない、のかな……」という小さな呟きが、読んだ人の胸にそっと残ったら嬉しいです。


またいつか、このカウンターにふらりと戻ってきてください。

次はどんな一杯と、どんな会話が待っているのか、私にもまだわかりません。


それでは、今夜も良い夜を。


天照(Bar風花)

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