【Bar風花】第二章 静寂に咲く二輪の紅薔薇 〜不在の夫と店を護る絢爛たる気魄〜
前書き
※ 本作は『Bar風花 -kazahana-』の短編エピソードです。
※ 神々の加護と人の情が交差する、風花町の小さな夜のひとときを描いています。
※ お酒ではなく、温かなハーブティーが繋ぐ優しくも頼もしい絆をお楽しみください。
九州の山あいに佇む『Bar 風花』。
一年を通して季節外れの桜が舞い、柑橘が匂い立つこの店にも、時に静けさの陰る夜が訪れます。
愛する夫の不在と、生身の体に訪れるかすかな不調。
静謐な空間に生じたわずかな隙に忍び寄る雑音を払ったのは、風花町の夜を鮮やかに彩る、頼もしい『お姉様たち』の情愛でした。
どうぞ、そっとカウンターの向こう側を覗いてください。
第1章:静けさの陰り
風花町の夜は、静けさの中に独特の匂いがある。
九州の山あいに抱かれたこの小さな街には、四季の巡りをあざ笑うかのように、一年を通して小さな淡い桜が咲き、どこからか熟した柑橘の甘酸っぱい香りが漂う。古い街灯が灯る細い路地の奥、古びたレンガの壁に絡まる蔦の陰に、その店はひっそりと佇んでいた。
重厚なオーク材の扉。その中央に埋め込まれた真鍮のプレートには、控えめに『Bar 風花 -kazahana-』と刻まれている。
ドアの庇から吊るされた古風なランタンが、琥珀色の柔らかな光を足元に落としていた。
店内に入れば、外界の喧騒は嘘のように途絶える。程よく空調の効いたひんやりとした空気に、かすかな桜の花の香りが混ざり込む。耳を澄ませば、古いレコードの針が落とす微かなノイズと、ピアノの余韻が空気の層に溶けていくのが聞こえた。
右手には、深い赤褐色を帯びた鉄刀木の一枚板カウンター。幾多の年月が磨き上げたその木肌は、照明を受けて静かに艶めいている。カウンター越しに並ぶのは、本革張りの黒いローチェアーが七脚。
そして、そのカウンターの奥に立つのが、この店のオーナーバーテンダー、櫻庭美和だった。
「……ふぅ」
静寂に満ちた店内で、美和は小さく、誰にも気づかれないような吐息を漏らした。
鉄刀木のカウンターに、白く細い指先をそっと這わせる。手のひらから伝わる木の冷たさが、わずかに熱を帯びた身体を宥めてくれるようだった。
今夜の美和は、いつもの完璧な佇まいを保つのが少しだけ難しかった。
身体の奥底から込み上げる、重く鈍い痛み。月に一度訪れる、生身の女性としてのバイオリズム——いわゆる『女の子の日』だった。微熱が皮膚の表面を撫で、下腹部が引き絞られるように疼く。
普段であれば、この店を包み込んでいる澄みきった静けさと凛とした緊張感が、雑多な悪意や喧騒を自然と寄せ付けない独特の気品を作っている。だが今夜は、美和の体調の陰りに引っ張られるように、その張りつめた空気が微かに揺らぎ、隙を生んでいた。
カウンターの端、普段なら夫である櫻庭天がノートPCを広げ、穏やかな眼差しで自分を見守ってくれている特等席を見る。
今夜、そこには誰もおらず、小さな真鍮の予約席プレートがポツンと置かれているだけだった。
(天ちゃん……)
ルポライターである彼は今夜、九州の山奥にある古い神社の取材で遠出している。
スマートフォンの画面には、少し前に届いた彼からのメッセージが残っていた。
『美和さん、体調は大丈夫? 無理しないで、早めに店を閉めてね。取材が終わったら急いで帰るから』
その温かい言葉を思い出すだけで、胸の奥がキュッと締め付けられる。美和は画面を伏せ、プロとしての意識を呼び覚ますように、背筋をすっと伸ばし直した。
第2章:華やかな用心棒
——その時だった。
重厚なオーク材の扉が、カツン、という高いヒールの音とともに開いた。
重々しい木扉が引かれたその瞬間、まるで静かな湖面に巨大な華が舞い降りたかのような、圧倒的な存在感と華やかな熱量が店内に雪崩れ込んできた。
「やだわ美和ちゃん! 今夜もこの店は無菌室みたいに綺麗ねぇ!」
地響きのような、けれどどこか洗練された重低音が店内に響きわたる。
豪奢なフェイクファーを肩に掛け、圧倒的な巨体を揺らして入ってきたのは、風花町の夜の裏街道を牛耳るオカマバー『艶桜』のオーナーママ、マツコだった。鮮やかな深紅の唇、ドラァグクイーンを思わせる絢爛な装い。
そのすぐ後ろから、隙のない極上の和服を纏ったスレンダーな人影が滑り込む。
「まあママ、お声が大きいわ。……こんばんは、美和さん」
180センチ近い高身長に10センチ以上のピンヒールを完璧に乗りこなし、優雅な仕草で着物の裾をさばくのは、『艶桜』のチーママでありナンバー2のアンジェラだ。モデル顔負けのスタイルと、洗練された美意識を纏った彼女が、ふっと目を細める。
美和は驚きに一瞬目を見張り、すぐに柔らかい笑みを浮かべた。
「マツコさん、アンジェラさん……こんばんは。今夜は、お早いですね」
「お早いも何も、今夜はうちの定休日よ!」
マツコがドスン、と力強い足音を立ててカウンターに近づいてくる。
「普段は自分の店を開ける前の十五分しかここに来られないでしょ? だから今夜はね、じっくり美和ちゃんが淹れる極上のカクテルを味わいに来たってワケ!……って、あら?」
マツコがふと、言葉を詰まらせた。大きな鼻を微かに蠢かせ、鋭い眼光で美和の顔を覗き込む。
同時に、隣に立ったアンジェラもまた、その澄んだ瞳をすっと細めた。
「……美和さん?」
アンジェラがピンヒールを鳴らしてカウンターに歩み寄り、細い指先を美和の顔の近くへ伸ばす。
「顔色が良くないわ。お肌にいつものツヤがないし……微熱があるんじゃないかしら? 手元も、かすかに震えているわよ」
「え……」
「あらだめ、完璧に隠してるつもりでしょうけど、あたしたちの目を誤魔化せると思ったら大間違いよ」
アンジェラは着物の袖を優しく整えながら、美和の顔をじっと見つめ、察したように小さく息を吐いた。
「……『あの日』ね?」
その一言に、美和は微かに頬を染め、視線を落とした。
「……いえ、大丈夫です。プロとして、お酒をお出しするのに支障は……」
「バカ言んじゃないわよ!」
マツコが雷鳴のような声を上げた。だが、その声には一切の攻撃性はなく、ただ溢れんばかりの親愛と情がこもっていた。
「女の体のバイオリズムを舐めたらあかんわよ! 生理の重い日に一人で店に立って、何がプロよ!」
「ママの言う通りよ」
アンジェラが優しく頷き、カウンター越しに美和の手をそっと包み込んだ。女性の皮膚を通して伝わるアンジェラの体温は心地よく、美和の強張っていた肩の力がふっと抜けていく。
「天様はお留守でしょ? あのインテリ男がいない夜に、こんなに無理をして……。男の無理難題を飲み干すのはあたしたちの役目だけど、今夜の美和さんは、あたしたちに甘えなさい」
「でも……」
「でももヘチマもないわよ!」
マツコがドスンと黒革のチェアーに腰掛けた。巨体が沈み込み、上質な革がグッと音を立てる。
「今夜のアタシたちはね、客としてここに来たんじゃないの! 天ちゃんから頼まれたワケじゃないけど、今夜のアタシたちは美和ちゃんを見守る『最強の用心棒』よ! 今夜は酒なんて作らなくていいわ。温かいお茶でも出してもらえるかしら?」
マツコとアンジェラ。風花町の夜の修羅場をいくつも潜り抜けてきた二人が放つ、圧倒的な生命力と包容力。
それ体が店内に満ちた瞬間、美和の不調によってどこか頼りなく揺らいでいた空間の空気が一散し、暖かな安心感が満ちていった。
美和は胸の奥が熱くなるのを感じながら、深く、静かに頭を下げた。
「……ありがとうございます。では、自家製のハーブティーをご用意しますね」
美和はあらかじめ湯通しして温めておいた耐熱ガラスのティーポットへ、ドライのミントとカモミール、そして微かな柑橘のピールを静かな所作で投入した。しっかりと沸かした熱湯を丁寧に注ぎ入れると、茶葉がふわりと舞い上がり、透き通った黄金色の液体へと色を変えていく。ほんのひとさじの蜂蜜を落とし、香りを閉じ込めるように蓋をして、じっくりと蒸らした。
第3章:夜の気迫
ハーブの豊かな香りが店内にじっくりと広がり、静かな熱を帯び始めた頃——。
カチャリ、と無作法に扉が開く音がした。
いや、開けたのではない。外から叩きつけるように押し開けられたのだ。
「なんだぁ? この店、えらい暗いな」
「おいおい、看板出てたろ。入れよ入れよ」
店内に入ってきたのは、見るからに酒に酔った二人の男だった。
一人は派手な柄シャツを着崩したガタイのいい男。もう一人は薄笑いを浮かべた細身の男。二人とも足元がおぼつかず、風花町の上品な空気感とはおよそ掛け離れた、荒々しく汚れた気を纏っていた。
普段の『Bar 風花』であれば、隙のない凛とした空気感に気おされ、このような客が足を踏み入れることはまずない。
だが今夜は、美和の体調不良によって店を包む気品に微かな綻びが生まれ、その隙を突くようにして不運にも迷い込んでしまったのだ。
「いらっしゃいませ」
美和はすぐさまプロの顔に戻り、下腹部の痛みを耐えながら二人に向き合った。
「あいにく当店は、静かにお酒を楽しんでいただくための会員制に近い形をとらせていただいております。また、今夜は——」
「あぁ? なんだよその言いぐさ」
柄シャツの男が、ズカズカと店内に入り込み、鉄刀木の一枚板カウンターをバン、と拳で叩いた。
静謐な空間に、鈍く不快な音が響く。
「客を選ぼうってのか? 酒出しときゃいいんだよ酒を! 一番高いウイスキー持ってこい!」
「おいおい柄シャツ、見てみろよ」
細身の男が、美和の顔をジロジロと下品な視線で舐めまわすように見つめ、ニヤニヤと嫌な笑みを浮かべた。
「べっぴんさんじゃねえか。でもなんだ、顔色悪いぞ? 景気付けに俺たちと一緒に一杯飲もうぜ。なんなら裏で介抱してやろうか?」
男がニヤつきながら、カウンター越しに美和の白く細い手首を掴もうと手を伸ばす。
美和の瞳に静かな光が宿る。しかし、ここは『Bar 風花』。彼女が愛する夫と共に守る、穏やかな憩いの場だ。ここで無用な争いを起こせば、店そのものの静寂が汚れてしまう。
美和が毅然と男の手を拒絶しようと身を引いた、その瞬間——。
「——ちょっと」
ヒヤリとするほど美しく、そして冷徹な声が店内の空気を切り裂いた。
男の手が止まる。
いつの間にか、男の目の前に180センチの影が立ちはだかっていた。
アンジェラだ。
極上の着物を纏ったアンジェラは、10センチのピンヒールで男を見下ろし、細められた瞳から凍てつくような殺気を放っていた。
「品のない手で、この店の美しさに触らないでくださる?」
「ああ!? なんだこのデカいオカマは……!」
男が毒づこうとした、その言葉は最後まで紡がれることはなかった。
ドスン。
店全体が揺れるような地響きとともに、アンジェラの隣に巨大な壁が立ち塞がったからだ。
豪奢なフェイクファーを揺らし、巨体を前へ踏み出したマツコ。
その顔には、風花町の政財界や裏社会の人間すら一言で平伏させてきた、百戦錬磨の経営者としての圧倒的な凄みが宿っていた。
鮮やかな深紅の口紅を塗った唇が、ゆったりと開く。
「誰に向かって口きいてんのよ、このドブネズミどもがぁ!!!!」
腹の底から響くような地響きの咆哮。
店内を揺るがすその迫力に、酔っ払いの男二人は一瞬で血の気が引き、蛇に睨まれた蛙のように硬直した。
「あんたらねぇ……!」
マツコが一歩、男たちへ足を踏み出す。巨体から放たれる気迫は、まるで目に見える圧力となって男たちを押し潰さんばかりだ。
「夜の街のルールも解らないで、体調の悪い女にイキがってんじゃないわよ!! 泣いてる暇があったらその汚い面をドブ川で洗って出直してきなさい!!」
「ひ、ひぃ……っ!」
「今夜のアタシたちはねぇ、天ちゃんに頼まれたワケじゃないけど、この美和ちゃんを護る『最強の用心棒』なのよ! このマツコの手で、風花町から叩き出されたいのかしら!?」
風花町の夜の頂点に君臨するマツコとアンジェラ。二人が放つ本気の凄みと威圧感を前に、男たちの顔は土気色に変わった。
「す、すみませんでしたぁぁぁ!!」
男二人は弾かれたように向きを変えると、自分たちの足に引っかかりそうになりながら、一目散に扉の外へと逃げ出していった。
バタン、と重厚な扉が閉まり、再び静寂が戻ってくる。
「……ふぅ。見汚いもの見せちゃったわね、美和ちゃん」
マツコは何事もなかったかのようにフェイクファーを整え、深紅の唇でフッと息を吐いた。
「まったく、最近の男は骨がないわ。男の無理難題なんてシャンパンの泡と一緒に飲み干すのがアタシたちの美学だけど、ああいう下品なのは論外よ」
アンジェラも優雅に袖を整え、クスリと微笑む。
「でもママ、凄まじい迫力だったわよ。外の雑音が全部吹き飛んだわ」
美和は、呆然とその光景を見つめていた。
大げさな力など一切使わず、ただ夜の街に立つ女としての気迫と自分を護ろうとしてくれた情愛だけで、不審者を完璧に追い払ってしまったのだ。
男たちが逃げ去った店内には、二人から放たれた圧倒的な生命力と、甘く華やかな香水の香りが満ちていた。
先ほどまでどこか頼りなく揺らいでいた空間は、二人の頼もしい気配によって力強く満たされ、いつもの凛とした静寂を取り戻している。
「マツコさん、アンジェラさん……」
美和の目元に、温かな光が浮かぶ。
「ありがとうございます。いつもは私がお迎えする立場なのに……今夜はすっかり、甘えてしまいました」
「バカ言んじゃないわよ」
マツコがカウンターのチェアーに再びドスンと腰掛け、照れくさそうに顔を背けた。
「困ったときはお互い様。風花町の夜はね、静かな『風花』と賑やかな『艶桜』の両方があって成り立ってるの。あんたが倒れたら、アタシたちが困るのよ」
「そうよ、美和さん」
アンジェラが優しく微笑む。
美和は、ちょうど飲み頃を迎えたハーブティーを、あらかじめ温めておいた陶器のカップへ静かに注ぎ分けた。ふたつのカップを二人へそっと滑らせると、アンジェラが温かいカップを両手で受け取り、目を細める。
「さあ、冷めないうちに飲みなさい。今夜はただの『可愛い妹』として、あたしたちに甘えていればいいの」
「……はい」
美和は温かいカップを両手で包み込み、ゆっくりと口に含んだ。
ミントの清涼感とハーブの優しい甘みが、身体の奥底まで染み渡っていく。痛みが引き、身体が芯から温まっていくのが分かった。
それから小一時間ほど、店内には穏やかで温かな時間が流れた。
マツコが語る『艶桜』でのバカバカしくも愛おしい常連客たちの失敗談、アンジェラが伝える最新の美容やハーブの知識。美和は時折、クスリと声を立てて笑いながら、二人との会話に耳を傾けた。
天ちゃんがいない寂しさは、いつしか温かな安心感へと変わっていた。
第4章:温かな帰還
——そして、深夜零時を回った頃。
重厚な扉が、勢いよく開いた。
「美和さん!!」
息を切らし、前髪を湿らせた青年が飛び込んでくる。
フリーランスのルポライター、櫻庭天だった。
九州の山奥での取材を大急ぎで切り上げ、車を飛ばして帰ってきたのだろう。普段の知的な佇まいを崩し、肩を上下させて美和の姿を探す。
「ごめん、遅くなった……! 体調、大丈夫……!?」
天ちゃんが真っ直ぐにカウンターへ駆け寄ろうとした、その時。
「遅ーい!!」
マツコの雷鳴のような声が飛んだ。
「ちょっと天ちゃん! 愛する妻が体調悪いって時に、何山奥で油売ってんのよ!」
「えっ……マ、マツコさん? アンジェラさんまで……!?」
天ちゃんは驚きに目を見開いた。
定休日のはずの二人が、カウンター席にどっしりと腰掛け、自分を睨みつけているのだから当然だ。
「やだわママ、天様だって急いで帰っていらしたのよ?」
アンジェラがクスリと笑い、ハイヒールを鳴らして立ち上がる。
「でも天様、ご安心なさい。今夜の美和さんは、あたしたちが世界で一番安全な特等席で、ガッチリとお守りしておきましたから」
天ちゃんは一瞬、何が起きたのかを察したように目を開き、それから深く、深く二人に向かって頭を下げた。
「……マツコさん、アンジェラさん。本当に、ありがとうございました」
「いいのよ、感謝するなら今度『艶桜』に顔出しなさい。あんたのその『僕、何も怪しいこと考えてません』みたいな顔、うちの子たちにイジり倒させてあげるわ!」
マツコがニヤリと楽しそうに笑い、豪奢なフェイクファーを羽織り直す。
「さ、用は済んだわ! アタシたちは帰るわよ。天ちゃん、あとはしっかり美和ちゃんを甘やかしなさい!」
「ふふ、お邪魔いたしました。美和さん、お体、お大事にね」
ピンヒールのカツン、カツンという優雅で確かな足音を残し、二人は夜の街へと消えて行った。
扉が閉まり、静寂が戻った店内。
残されたのは、二人が放っていった華やかな香水の余韻と、温かな情愛の残り香だった。
天ちゃんがカウンター越しに身を乗り出し、美和の前に視線を合わせて腰を落とす。
「美和さん……本当に、ごめんね。側にいてあげられなくて」
愛おしそうに、けれど壊れ物を扱うように繊細な手つきで、天ちゃんが美和の頬に触れる。
その温かい手のひらの感触に、美和はそっと目を閉じ、彼の胸へと身を預けた。
「ううん……いいの、天ちゃん。今日はね、とっても素敵な『お姉様たち』が、私とこの店を守ってくださったから」
微熱の残る肌に、天ちゃんの優しい体温が伝わってくる。
美和はワインレッドとアンバーの左右で異なる瞳を優しく和ませ、今夜一番の穏やかな笑顔を浮かべた。
風花町の夜は、今夜も深く、優しく、包み込むように更けていく。
あとがき
今夜も『Bar 風花』へお立ち寄りいただき、誠にありがとうございます。
今回は、凛としたプロバーテンダーである美和さんの繊細な一面と、風花町の夜を力強く支えるマツコさん・アンジェラさんとのあたたかな交流を描きました。
神としての矜持やプロとしての完璧さの裏にある、人間らしい優しさや仲間との絆を感じていただけたなら幸いです。
作品を気に入っていただけましたら、ぜひブックマークや評価、読者の皆様からのご感想をお寄せいただけますと大変励みになります。
またの夜、静かな扉が開くのを心よりお待ちしております。
天照(Bar風花)




