【Bar風花】第二章 薄紫のレンズとアレキサンダー 〜不器用なルポライターは裏社会の伝説を夢見る〜
【前書き】
※本作は神話の神々の現身たちが織りなす、日常と聖域の物語です。
※今回は緊迫した戦闘は一切なく、終始コミカルに描かれる息抜き日常回です。
※不器用な男の背伸びと、最高に甘いカクテル、そして一族の共有フォルダにご注意ください。
「僕は、舐められているのではないだろうか」
愛する妻を守るため、男としての「凄み」を求めてヘアサロンの扉を叩いたルポライター・櫻庭天。
しかし、完成したのは誰もが道を譲る、闇の組織の冷酷な幹部そのものの姿でした。
これは、凶悪すぎるビジュアルになってしまった夫と、それを取り巻く愛すべき女性たちの、とある初夏の長い午後の記録。
どうぞ、そっとカウンターの向こう側を覗いてください。
第一章 男の岐路と「アパレル」の扉
「僕は、舐められているのではないだろうか」
風花町の初夏の陽光が、青々と茂る街路樹の隙間から、ルポライター・櫻庭天の歩道を斑に染めていた。
手に持った取材ノートには、午前中に取材した商店街の、年配の女性たちの温かな言葉が並んでいる。
『天ちゃん、今日も可愛いねぇ。これ、実家から送ってきた新じゃが、持っていかんね』
『まあ、なんて優しそうな旦那さん。美和ちゃんは幸せ者やねぇ』
優しい。
可愛い。
癒やし系。
それらは確かに好意的な評価だった。
だが、天の胸中には、ある種の危機感が静かに、しかし確実に芽生えていた。
美和は『Bar風花』のオーナーバーテンダーとして、夜な夜なカウンターに立ち、凛としたプロの矜持を見せている。
彼女は神としての現身でありながら、同時に一人の脆く美しい女性でもあった。
夫である自分が、あまりに柔和で、頼りなく見えてしまってはいないか。
有事の際、男としての「凄み」や「威厳」がなければ、彼女をその背中で守ることはできないのではないか――。
一人で勝手に、ぐるぐるとそんな葛藤の迷路に迷い込んだ天は、気づけば風花町の片隅にある、行きつけのヘアサロン『Apparel』の前に立っていた。
重いガラスの扉を押し開けると、冷えた空気と共に、シャンプーの爽やかな香りと軽快なジャズが天を迎えた。
「あ、天ちゃん。いらっしゃい。今日はカット?」
カット椅子の側でタオルを畳んでいたのは、サロンの看板娘であり、実力派のスタイリストでもある彩子だった。
二十代後半の、切れ気味の熱い瞳が印象的な美人である。
彼女は風花町の住民で、年上の天のことを何故か幼馴染の弟のように可愛がっている女性だった。
「彩子さん。……今日は、少し、お願いがありまして」
天の口調は、いつになく硬かった。
その神妙な面持ちに、彩子はいぶかしげに小首を傾げる。
「どうしたの? 難しい取材でも控えてる?」
「いえ。……外見を、変えたいんです。男として、誰からも一目置かれるような、圧倒的な凄みのある姿に」
天は、鏡に映る自分の、いかにも穏やかそうな、人の良さそうな顔を真っ直ぐに見つめた。
そして、かねてより脳内でシミュレーションしていた「最強の男」のイメージを、震える声を必死に押し殺しながら告げた。
「サイドは容赦なく刈り上げて、ツーブロックに。トップはグリースで完全に後ろへ流す、オールバックでお願いします。……昔、裏社会で名を馳せ、今はエプロンを締めて家事を完璧にこなすという、あの伝説の男のように」
彩子は、ハサミを持ったまま一瞬、完全にポカンと硬直した。
目の前にいるのは、捨て猫を見つければすぐに保護し、おばちゃんたちから芋けんぴを貰って嬉しそうに微笑む、あの櫻庭天である。
その彼が、裏社会の伝説。
(……ちょっと待って。天ちゃん、何言ってるの!?)
彩子の脳内で、強烈な爆笑の渦が巻き起こった。
腹筋が千切れそうなほどの笑いを必死に噛み殺すため、彼女は唇をきつく結び、ふいっと顔を背けた。
鏡越しに天の顔を見ると、彼は大真面目に、悲壮感すら漂わせる目で自分の髪を見つめている。
よく知る天ちゃんの、必死な頼みだ。
ここで笑い飛ばしては男のプライドが傷つくかもしれない。
彩子はプロとしてのスイッチを強引に叩き入れた。
「……分かったわ。そこまで言うなら、私の技術のすべてを懸けて、完璧に仕上げてあげる。動かないでね」
シャキ、シャキ、シャキ……
彩子のハサミが、迷いなく天の髪を滑っていく。
バリカンが唸りを上げ、天の耳の上を容赦なく青白く削り落としていく。
トップの髪には、粘度の高いハードグリースがこれでもかと揉み込まれ、鋭い櫛目で後方へと完全に固定された。
一時間後。
「できたわよ」という彩子の声に、天は目をあけた。
鏡の中にいたのは、完全に「カタギの目を捨てた男」だった。
シャープに切り込まれたサイドのグラデーション、冷徹な光沢を放ちながら一糸乱れず後ろへ流れる黒髪。
顔立ちそのものは優しいはずなのに、髪型が放つ圧倒的な「凶暴性」が、すべてのパーツに尋常ではない威圧感を付与していた。
「よし……これなら、誰にも舐められない」
天は満足げに頷き、財布から現金を出す。
彩子は、その鋭い髪型の男が、いつも通り几帳面にお札の向きを揃えて支払う姿に、再び内心で激しくのたうち回っていた。
さらに天は、仕上げとして近くの眼鏡店へと向かった。
「一番、相手を威圧できるものを」
そう言って購入したのは、レンズに薄い紫色の入った、細フレームの色付き眼鏡だった。
それを鼻梁に乗せ、店の鏡で確認する。
そこに立っていたのは、どう見ても、どこからどう見ても、闇の組織の最前線で修羅場を潜り抜けてきた「若き幹部」そのものだった。
第二章 風花町の長い午後
「……風花町の風が、今日は少し冷たいな」
色付き眼鏡の奥で、天は目を細めた。
実のところ、カラーレンズのせいで視界が暗く、足元がよく見えないために慎重に歩いているだけなのだが、その姿は周囲には「周囲を完全に警戒し、獲物を値踏みするヒットマンの歩調」にしか見えなかった。
天がいつもの商店街を歩き始めた瞬間、風花町の空気が一変した。
「あ、こんにちは……」
天はいつも通り、お世話になっている八百屋の店主に向かって声をかけた。
だが、その声は低いトーンを意識していたため、地響きのようなドスが利いてしまっていた。
「ひっ……!?」
八百屋の店主は、天の顔(髪型:超武闘派、眼:薄紫のサングラス)を見た瞬間、持っていた大根を落とした。
天が懐からいつもの取材メモ帳を取り出そうと、ジャケットの内側に手を差し入れた瞬間、店主は両手を上げて叫んだ。
「じ、上納金なら、今すぐ用意します! 今月の売上はまだ計算してなくて……命だけは!」
「え? いえ、僕はただ――」
天が説明しようと一歩踏み出すと、店主は悲鳴を上げて店の奥へと逃げ込んでしまった。
路地裏を振り返れば、いつもは天に擦り寄ってくる野良猫たちが、毛を逆立てて一斉に蜘蛛の子を散らすように逃げていく。
「おかしいな。やっぱり、まだ凄みが足りないんだろうか」
天は生真面目に首を傾げながら、櫻庭邸へと続く坂道を上っていった。
その時、後方から独特のエンジン音を響かせて、クラシックなシトロエン・2CVが坂を上ってきた。
天の義姉であり、いつも飄々としている千草お姉ちゃんの愛車だ。
車は天の傍らで静かに停車し、運転席の窓が下がった。
「あ、千草お姉ちゃん。買い出しだったの?」
天は色付き眼鏡の奥から、親しみを込めて声をかけた。
だが、そのビジュアルのせいで、千草の目には「敵対組織の幹部が、こちらの退路を断つために挨拶を仕掛けてきた」構図にしか見えなかった。
千草は、いつものように無表情だった。
だが、彼女の視線が天の青々とした刈り上げ、後ろに固められたオールバック、そして不穏な薄紫のレンズを捉えた瞬間――彼女の端正な顔が、微かに、しかし確かに震えた。
千草はハンドルを握ったまま、ぷるぷると小刻みに震え始めた。
口元を片手で抑え、笑いを必死に堪えている。
限界まで張り詰めた彼女の喉から、ひっ、と小さな引き笑いが漏れた。
一秒で、天が「一人で勝手に暴走して、おかしな方向へ背伸びをした」ことを察した千草は、笑いで震える声をどうにか押し殺し、ハンドルの縁を指先でトントンと叩きながら、淡々と告げた。
「……天ちゃん。その髪型、お父様に見つかったら大変よ」
「えっ? お義父様ですか?」
「ええ。あのお父様なら、間違いなく『我が組織の次期若頭に相応しい器が身内にできた』と大喜びして、そのまま貴方を拉致して、襲名披露の席に連れて行くわ。……命が惜しければ、夜が明ける前に元の天ちゃんに戻ることをお勧めするわね」
千草はそう言い残すと、窓を閉め、やはり車内で肩を激しく揺らしながら、アクセルを踏み込んで去っていった。
一人残された天は、坂道で呆然と佇むしかなかった。
第三章 迎撃の異色瞳と、暴走するシルバー
夕刻が迫り、薄暗くなり始めた『Bar風花』。
天は、少しでも美和に男らしい姿を見せようと、背筋を伸ばし、色付き眼鏡の位置を直してドアの前に立っていた。
ガチャリ、と内側から鍵が開き、買い出し用のエコバッグを抱えた美和が姿を現した。
美和は、夕闇の店の入り口に佇む「ツーブロック・オールバック・色付き眼鏡」を視界に収めた瞬間、その動きを完全に止めた。
彼女の右のワインレッド、左のアンバーの異色瞳が、一瞬でバーテンダーとしての、そして神話の現身としての鋭い光を帯びる。
彼女の周囲の空気が、凍りつくような冷徹さを纏った。
「……どなたですか」
美和の声は、低く、透き通るような拒絶に満ちていた。
「ここは、私と私の大切な夫の店です。何のご用か知りませんが、不躾な真似をされるなら、お引き取りいただきます」
その目には、本気の敵意が宿っていた。
天は、美和のその鋭い美しさに圧倒されつつも、自分が完全に「不審な犯罪者」として認識されていることに大パニックを起こした。
「み、美和さん! 僕だよ! 天だよ!!」
天は慌てて色付き眼鏡を顔からずらし、半泣きの顔を晒した。
「え……?」
美和は目を見開いた。
鋭い刈り上げと凄まじいオールバックの隙間から覗くのは、紛れもない、自分の愛する夫の、情けないほどに優しい瞳だった。
「天……ちゃん? え、その頭、どうしたの?」
「あのね、僕、いつも優しすぎて舐められてるんじゃないかって心配になって……。美和さんを守るために、もっとダンディな大人の男になろうと思って、アパレルでカットしてもらったんだけど……みんなに怖がられて……失敗しちゃったよ……!」
大真面目にショボンと肩を落とし、身体を縮めて弁明する天。
その姿と、あまりにも攻撃的な髪型との凄まじいギャップに、美和は一瞬、言葉を失ってフリーズした。
次の瞬間。
「……ふふっ、あははははは!」
美和は抱えていたエコバッグを落としそうになりながら、お腹を抱えて大爆笑した。
Barでの凛としたプロの顔は完全に崩壊し、涙を流しながら笑い転げている。
「もう、天ちゃん! 何それ! 闇の組織の幹部じゃないの!」
「笑わないでよ、美和さん……僕は大真面目だったんだよ……」
そこへ、風花町の静寂を切り裂くような、重厚な排気音が響き渡った。
直列六気筒の咆哮。
リキッド・シルバーの巨体――BMW K1600GTLが、猛烈な勢いで風花町の飲み屋街の路地に滑り込んできた。
ヘルメットを脱ぎ捨て、狂おしいほどの独占欲と乙女心を宿した瞳で現れたのは、皇グループ傘下「天野家」の令嬢であり、会長秘書官の天野里美だった。
「美和様! 天さま! ご無事ですか! 櫻庭邸周辺に、他組織の危険な幹部が潜入したとの緊急通報を受け、里美、治安維持のために駆けつけましたわ!」
里美はバイクを飛び降り、戦闘態勢《秘書官モード》で周囲を見回した。
そして、美和の隣で色付き眼鏡を手に持ち、ショボンとしている天の姿に目を留める。
「……へ? 天、さま……?」
里美の完璧な令嬢の仮面が、剥がれ落ちた。
「天さま、その……頭の横の、青々とした剃り込みは、一体何事でございますか( ・ิω・ิ)怒! 里美、あやうく皇グループの私設特殊部隊をこの風花町にフルデプロイ(兵力展開)し、町一帯を完全に制圧・封鎖するところでしたわよ!」
「里美さんまで怒らないでよ……」
天は、ますます小さくなるのだった。
第四章 闇の幹部と、甘美なる敗北
夜、『Bar風花』の扉には『営業中』の控えめな真鍮のプレートが掲げられていた。
鉄刀木の一枚板で作られた、深い赤褐色のカウンター。
その上には余計なものは一切なく、一本のバースプーンが入ったブランデーグラスと、柑橘の籠があるだけ。
古いレコードの針が落ちるような、静かな残響が流れる空間。
しかし、今夜のカウンターの主役は、その静謐な空間に全くそぐわない異質な存在だった。
鋭く刈り上げられたツーブロックに、ジェルで固められたオールバック。
首元には薄紫のレンズの眼鏡を引っ掛け、黒いジャケットを羽織った男。
その佇まいは、どこからどう見ても、闇の組織の取引を統括する冷酷な「幹部」そのものだ。
だが、その幹部は、カウンターに両肘を突き、ひどく情けない顔で、目の前の一杯を見つめていた。
美和が、重厚なクリスタル製のロックグラスを、目の前のバーマットへと静かに置く。
氷がグラスの壁面に当たり、カラン、と澄んだ、高い音を立てた。
「はい、天ちゃん。お疲れ様」
差し出されたのは、カクテルの女王とも称される『アレキサンダー』。
しかし、通常の逆三角形のカクテルグラスではない。
大きめの丸氷の入った、ずっしりとしたロックグラスに注がれた、変則的なロックスタイルだ。
ブランデーの上質な芳香、カカオリキュールのビターな香ばしさ、そして贅沢に使用された生クリームの濃厚な白が、夜の照明を受けて静かに艶めいている。
天は、その「闇の組織の幹部」のビジュアルのまま、そっとグラスに口を付けた。
口いっぱいに広がるのは、圧倒的な、暴力的なまでの「甘さ」と「優しさ」だった。
ブランデーの持つ豊かな気品が、生クリームの滑らかなコクによって優しく包み込まれている。
リキュールのカカオ感が、まるで高級なミルクチョコレートを溶かしたかのような、濃厚な充足感を舌の上に残していく。
氷がゆっくりと溶けることで、度数の強さは円やかに変化し、どこまでも優しく喉を流れてしていく。
「……美味しい。すごく甘くて、落ち着く……」
「ふふ、よかった。今日一日の緊張を、その甘さで溶かしてね」
美和はカウンター越しに、愛おしそうに天の尖った刈り上げを撫でた。
見た目は闇の幹部、飲んでいるのは最高に甘いアレキサンダーのロックスタイル。
その凄まじいギャップの光景を、カウンターの端の暗がりから、千草お姉ちゃんがスマホを構えて見つめていた。
彼女は笑いを必死に堪えるあまり、肩を小刻みにぷるぷると震わせ、レンズの焦点を合わせるのすら苦労している様子だった。
その画面の向こうでは、きっと『櫻庭家一族の共有フォルダ』へのアップロード準備が完了しているのだろう。
カチリ、と店の重厚なオーク材の扉が開いた。
「こんばんはー。あはは、やっぱりまだその頭なんだ!」
仕事帰りの私服に着替えた『Apparel』の彩子が、快活な笑い声を響かせながら入ってきた。
彼女は天の隣の黒革のローチェアーに滑り込むと、美和に「いつものビールね」と注文し、天の顔を覗き込む。
「天ちゃん、メガネがちょっとずれてる。せっかく私が男前に仕上げてあげたんだから、もっとシャキッとしなさいよ」
「彩子さん、もう勘弁してよ……。商店街でおばちゃんたちに泣かれそうになったんだから……」
天がアレキサンダーのグラスを抱えながら愚痴ると、カウンターの中の美和も、彩子も、同時に楽しそうな笑い声を上げた。
お酒という液体は、ただ喉を潤すためのものではない。
そのグラスが置かれた空間の空気、注ぐ者の想い、そして飲む者の心を映し出す鏡だ。
美和が天に作ったアレキサンダーは、彼の「男らしくあろうとした不器用な背伸び」を、そのまま丸ごと優しく包み込み、肯定するための味だった。
彩子はビールグラスを傾けながら、天に向かってウインク混じりに、優しく告げた。
「明日また、Apparelにいらっしゃい。ちゃんとリカバリーしてあげるから♪ いつもの、みんなに愛される天ちゃんにね」
「本当ですか……! ありがとうございます……!」
天の顔が、一瞬で救われたような、いつもの安心しきった笑顔に戻った。
その笑顔は、どれほど髪型が凶悪であろうとも、紛れもない「櫻庭天」のものだった。
美和は、愛おしそうに夫を見つめながら、静かに語りかける。
「お酒にはね、それぞれ相応しいグラスと、相応しい場所があるの。天ちゃん、あなたは無理に強そうな器になろうとしなくていいのよ。私はね、優しくて、ちょっと不器用で、誰よりも温かい今の天ちゃんが、一番大好きなんだから」
天は頷き、再びロックグラスのアレキサンダーを口に含んだ。
豊かな生クリームの甘みが、冷えた身体の芯まで優しく染み渡っていく。
外見だけの凄みなど、この風花町には必要ない。
この鉄刀木のカウンターがあり、愛する妻がいて、近所の温かい人々が笑ってくれる。
この場所に流れる「日常」という名の確かな結界こそが、何よりも強く、何よりも尊いのだと、天はカクテルの甘さの中で深く、深く安睹していた。
夜の帳が、風花町を静かに包み込んでいく。
闇の組織の幹部の姿をした男が、世界で一番甘い酒を飲みながら、家族の温もりに包み込まれている。
桜の花びらが夜風に舞う路地の奥、Bar風花の窓からは、今夜も変わらない、アンバー色の暖かな光が、優しく溢れ続けていた。
【あとがき】
お読みいただき、ありがとうございました。
いつもは穏やかで可愛い天ちゃんが、大真面目に格好つけようとして盛大に空回る姿を描きたくて筆を執りました。ツーブロックにオールバック、薄紫のサングラスという「若き幹部」の姿のまま、お札の向きを几帳面に揃えて支払いをしたり、おばちゃんたちに泣かれてショボンとしたりする天ちゃんのギャップを楽しんでいただけていれば幸いです。
そんな彼の不器用な背伸びを丸ごと肯定するように美和さんが差し出したのは、ロックスタイルの『アレキサンダー』。濃厚な生クリームとブランデーの甘さに、読者の皆様の心も一緒にほどけていれば嬉しく思います。
もしこの「闇の幹部(仮)」な天ちゃんや、お腹を抱えて笑う美和さんたちがお気に召しましたら、画面下の【ブックマーク追加】や【☆☆☆☆☆】での評価、応援の感想をいただけますと、リカバリーに燃える天ちゃんの大きな励みになります。
また次の夜に、皆様とお会いできるのを楽しみにしております。
天照(Bar風花)




