第一場 Collapse
藤野瑠衣・・・大学一年。事故で体を失い、サイボーグに。
飯村ナオト・・大学二年。瑠衣が思いを寄せる人物だが、イケメンというわけではない。
豊田エミカ・・大学一年。瑠衣の親友で面倒見がいい。かわいい系。
神田智・・・・大学二年。ナオトのよき友人。イケメン。実はサイボーグで、松戸の助手。
松戸才蔵・・・研究所の所長。
藤野夫妻・・・文字通り瑠衣の両親。
山中昌子・・・松戸お気に入りの助手。美少女。
余談:舞台装置は二階建てを想定しています。
瑠衣の部屋。エミカ、女モブたちと女子会をしている。
瑠衣 ほら、次、エミカの番だよ。
エミカ えー、話すことないよー……
女1 またまた―!エミカかわいいんだからさ。話せる恋愛の一つや二つ、あるっしょ?
女2 終わった恋のことでもいいからさぁー
エミカ ……わかった……実はね、私、伊集院君のこと気になってて……
女2 伊集院君!?
瑠衣 あのサッカー部のイケメン!?
エミカ うん、そうなの。あんな人と付き合えたら幸せだろうなーって。
瑠衣 え?それは例えば、(エミカの手を取って)『君は僕の、女神だよ☆』みたいな!?
女2 いやいや、あのワイルドな外見だったら~(壁ドンして)『エミカ……今夜は帰さねえよ?』っとかさー!
エミカ いやーん、猟奇的ぃ―!
瑠衣 もう存在が乙ゲーじゃーん!
女1 だよねー、あの顔反則!……あっ、でもさー、なんかやばい噂聞くよ?実はアニヲタとか。
エミカ え、そうなの?
女2 うーん、いくらイケメンでもヲタはねー……この間もさぁ、前野君にコクったら、『俺、彼女いるから。一個下の♪』って言われてさ。
女1 あー、それ次元が一個下ってやつっしょ!?
瑠衣 現実見ろって感じだよねー!
エミカ ねー!ありがと、教えてくれて。
女1 いいってことよ。
女2 じゃあ最後は瑠衣だね!
瑠衣 うん……
エミカ そういや瑠衣、好きな人いるでしょ。
瑠衣 えっ
1・2 ええっ!?
女2 誰々?!知ってるの?
エミカ うん、まあ一応同じサークルだし。
瑠衣 だ、誰だって言うのよ。
エミカ 当ててあげようか?……飯村先輩でしょ。
女2 えーっ!飯村先輩!?
女1 あの……なよ~っとしたオカマ系男子!?
女2 さすがにそれは勘違いじゃ……
瑠衣 (照れくさそうに)ばれたか。
女1 あっとるんかい!ええと……瑠衣、結構マニアックな趣味だね……
女2 あ、あの、でも、あれだよね!キャラ萌えとかギャップ萌えとか、いろいろあるもんね!
瑠衣 (机をたたいて)先輩がブサメンってこと!?
女1 じゃあ聞くけど。もし先輩と付き合うことになってだよ。
瑠衣 え、そんな急に……
女1 先輩の家で、おうちデートでもするとして。
瑠衣 へっ!?いや、そんな、先輩ったら……
女1 (壁ドンして)『瑠衣、今夜は帰さねえよ?』とかやられて。
瑠衣 せ、せんぱ……!(口をパクパクさせる)
女1 ……ときめくか?
瑠衣 ……無理しないでください。
エミカ ま、まあまあ!好きな人ができたなら、それはいいことじゃん。絵にかいたような美青年じゃなくてもさ!
瑠衣 エミカまで~……先輩はブサメンじゃないもん!
女2 でもイケメンでもないよね。
女1 フツーメン?
瑠衣 それもなんだか……
女2 でも気づかなかったー。いつからいつから?
瑠衣 えー、それも話さなきゃだめ?
1・エ ダメ。
瑠衣 ……わかったよ。んー……この時好きになりました、みたいなのはなかったんだよね。一緒に過ごしてて、少しずつ気持ちが膨らんでいって、っていう感じかな。自分でも気が付かなかったくらいだもん。
女1 え、じゃあいつ気づいたわけ?
瑠衣 前にみんなで飲み会した時、先輩、由美ちゃんと仲良く話してたでしょ?それ見てたらなんだか、この辺がもわっとして、きゅっとして、涙が出てきて……(思い出し泣き)
エミカ あらら、泣かない泣かない!
女1 でもなるほどねー。嫉妬で気づく恋心、ってやつ。
女2 うわー、おっとめー!
エミカ かわいいぞぉーこのこのっ!
瑠衣 えへへ……照れるよぉ。
女1 にしても飯村せんぱ……
瑠衣 なんか言った?
女1 いいえ何もっ。
SE:みんなでLINE♪
エミカ 今の誰ー?
瑠衣 あ、あたしだ。……わぁっ!
女2 え、なになに?
エミカ (瑠衣のスマホをのぞいて)わーお!噂をすれば!
女2 えーっ、飯村先輩!?すごいじゃん、運命感じてんじゃないの~!
女1 それでそれで?なんて言ってきたわけ?
ナオト、上ツラに立つ。サス。
ナオト こんばんは。明日のサークルの集まりのことだけど、明後日に延期になったから、間違えないようにね。
ナオト、はける
女1 事務連絡かよっ
エミカ わかってないな~瑠衣にとって大事なのは、飯村先輩が連絡してきたってことなの!ねっ!
瑠衣 う、うん……!
エミカ そ、れ、に。そのストラップだって、先輩にもらったからつけてんでしょ?
瑠衣 あ、知ってた?
エミカ うん。あの人大好きだもんね、プラナリア。
女2 なるほどー、それでそんなだっさいのつけてたんだ。
瑠衣 ん!?
女2 あ、はい。
女1 ……あ、もうこんな時間!帰んないと。
エミカ えーそうなの?
瑠衣 ゆっくりしていけばいいのに。何なら泊まってく?
女1 いや、ちょっぱやで終わらせないといけないレポートもあるし、今日は帰るわ。また学校でねー
女2 わたしもそろそろ帰るよ。
エミカ じゃ、今日はお開きってことにしよっか。
帰り支度をするエミカと女モブ。「じゃあねー」と口々に言いながら上ハケ。
SE:扉バタン
三人を見送ってから、片づけをする瑠衣。途中で洗剤を切らしてしまう
瑠衣 あれ?……そういや、もうなかったっけ。仕方ないなあ。ついでにアイスでも買ってこよう。
上手で外出するマイム。SE:扉バタン。ツラに出てくる瑠衣。
SE:車のクラクション、ブレーキ音。瑠衣がドツラサスに立つ。
暗転。SE:ドンッ。
場転、藤野家(スポットで表現)。
藤野父 ただいまー。
藤野母 お帰りなさい。夕飯、できていますよ。
藤野父 ありがとう。(ケータイが鳴る)あ、ちょっと……もしもし?あ、はい、そうです。……え?瑠衣が?
藤野母 (瑠衣という言葉に反応して藤野父に近づく)
藤野父 まさか……状況は!?助かるんですか!?……そんな……(膝から崩れ落ちる)
……はい。はい、わかりました……
藤野母 ねえ……どうしたの?今、瑠衣って……
藤野父 母さん、落ち着いて聞いてくれ……瑠衣が、交通事故に遭った。
藤野母 ええ!?
藤野父 トラックに轢かれて、意識不明の重体らしい。
藤野母 それで?病院はなんて?
藤野父 ……(頭を振る)
藤野母 そんな……瑠衣っ!(泣き崩れる)
藤野父 仕方のないことだ。あの子はこういう運命に……
松戸 仕方ない!?
二階上手から松戸。BGM:クイーンオブハート。赤系のスポット。
松戸 仕方ないで済ませちゃぁ~しようもありませんよ、お二方!それにさっき、運命って言いましたよね。こんなに若くして死ぬことが運命!?ペップッです!そもそも何も成し遂げていないであろう若者が、このような歳で死ぬ運命にあるなど、誰が決めたんです?答えはNOBODY!あきらめるなんて愚の骨頂!
藤野母 ……誰?
藤野父 お前の知り合いか?
松戸 あ、申し遅れました。わたくし、こういうものです。
藤野母 松戸研究所所長……松戸、才蔵?
松戸 そうです、奥さん。お悲しみのところ申し訳ありませんが……
藤野夫妻と目線を合わせる松戸。BGM、CO。
松戸 私と、運命を変えてみませんか?
暗転。
どうも、PNローラです。タコ焼きほっぺの人ではありません。
劇団サークルに所属しているので、脚本をいろいろと書いているのですが、
ものによっては使われることなくただいたずらにPCの容量を喰っております。
と、いうわけでこの場を借りて公開してみることにしてみました。
どうぞお付き合いください。




