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~第十話~
「貴方やクロサイト殿。そして、そうとは意識せずともセラフィナイト殿が初めから持っている覚悟!」
だからこそ、私は貴方がたが嫉ましかった。
その覚悟が持てない私だからこそ、ジェムシリカ殿……貴方に託したかった。
クロサイト殿の力を見極めたかった。
そして、セラフィナイト殿に『人を殺す覚悟を持て』と忠告した。
これ以上、シェルタイト様のお傍に近づけば……
もし、直接お声をかけて頂けるような事態になったなら……
私は“私”のままでいられるだろうか?
“情”を寄せる相手など在ってはならなかった。
ずっとそうやって生きてきた。
私の培ってきたものが根底から覆る!
分かっている!
どんなにシェルタイト様を護りたいと思っても、私がお護り出来るのは御身のみ。
どれだけ御心を救いたいと願っても、私はただ、そのお苦しみを見ている事しか出来ない。
そして間違いなく私は、喪失の痛みを味わう事になる。
その全てから私は逃げたかった。
私は陰の存在としても、総帥としても“失格”なのだと認めたくなかった。
私がお仕えしたいのは“王家”ではなく“シェルタイト様”なのだと認めるのが恐かったのだ。




